水草の種類で初心者でも育てやすいもの。CO2や肥料は必要?

熱帯魚の水槽レイアウトに水草は欠かせません。
魚が美しく映えるだけでなく卵を産み付けたり、稚魚の隠れ家として繁殖に必要なこともありますね。
また水草によってCO2や肥料は必要なんでしょうか?
有茎型、ロゼット型、コケやシダなどのタイプの違いは?
今回は、水草の種類で初心者でも育てやすいものを紹介していきましょう。
水草によってCO2や肥料は必要?
熱帯魚の水槽に水草は欠かせません。
でも魚同様、水草にも特徴があって比較的簡単に育てられるものと難しいものがあります。
考えなくてはならないのは水質や光量、そしてCO2の量ですね。
また中には肥料が必要になる場合もありますよ。
さらに水草の高さや熱帯魚の水質や水温とのマッチングも重要です。
これらを考え合わせた上で決定していかなければなりませんね。
最初は育てやすい種類のものを選びましょう。
では初心者の水草選びのポイントをまとめてみます。
- 水質を選ばない:丈夫で水質に適応力があるもの
- 光量が普通でよい:多くの光量が必要で、不足するときれいに育たないものもある
- CO2(二酸化炭素)の添加が不要:水中のCO2だけで育たない種類は添加する必要がある
- 肥料の添加が不要:水草をメインにする場合や種類によっては肥料を添加する必要がある
- 水草の高さを合わせる:水槽の大きさに合うものを選ぶ
- 熱帯魚の種類と合わせる:飼育する魚の好む水質や水温に合うものを選ぶ
また水草にもタイプがあります。
その違いも知っておかなければなりませんね。
- 有茎型:茎があって葉をつけるタイプ
- ロゼット型:株の中心から放射線状に葉が伸びるタイプ
- その他:コケやシダに属するもの
では、初心者でも育てやすい水草の種類を、その特徴もいっしょに紹介していきましょう。
水草の種類で初心者でも育てやすいものは?
熱帯魚の原産地とも近いものがおすすめです。
また魚の繁殖や隠れ家としての役割など、目的も考慮に入れましょう。
あとは水槽のレイアウトとして前景や後景といった配置もイメージしてみましょう。
これらの情報も入れていきますね。
マツモ(有茎)は金魚藻の一種
- 原産地:日本のほか、世界各地
- 水質:弱酸性
- 水温:15~28℃
- 高さ:15~20cm
- アドバイス:金魚藻の一種。低水温にも強くて丈夫。
アナカリス(有茎)は別名 大カナダ藻
- 原産地:北米、日本
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性
- 水温:15~28℃
- 高さ:10~30m
- アドバイス:金魚藻の一種。水質を選ばず成長が早い。こまめなトリミングが必要。
ハイグロフィラ・ポリスペルマ(有茎)はハイグロフィラの代表
- 原産地:インド
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性
- 水温:20~28℃
- 高さ:20~50cm
- アドバイス:丈夫で成長しやすい。背が高いので後景か左右に配置。
アマゾン・ソード(ロゼット)は産卵床にも
- 原産地:アマゾン河
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性
- 水温:22~30℃
- 高さ:15~30cm
- アドバイス:葉数が多く大きく成長する。1株でも存在感がある。
ピグミーチェーン・サジタリア(ロゼット)は背の低さが特徴
- 原産地:北米
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性
- 水温:15~25℃
- 高さ:5~10cm
- アドバイス:丈夫で低水温にも強い。背が低いので前景向き。
アヌビナス・ナナ(ロゼット)は流木や石に活着させよう
- 原産地:カメルーン
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性
- 水温:20~28℃
- 高さ:10~15cm
- アドバイス:丈夫で育てやすい。流木や石に活着させて前景に。
クリプトコリネ・ウェンティ・グリーン(ロゼット)は赤くなることも
- 原産地:スリランカ
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:20~25℃
- 高さ:10~20cm
- アドバイス:クリプトコリネの中では丈夫で水質に合いやすい。大型化しないのでレイアウトに使いやすい。
ヘアーグラス(ロゼット)は芝生のような細い葉が特徴
- 原産地:東南アジア
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:15~28℃
- 高さ:5~15cm
- アドバイス:芝生のように茂るので前景に最適。コケが付きやすい。
ここでちょっと一休み。
水草を植える砂利のことについても触れておきましょう。
水草を植えるなら砂利は必要?
水槽に底砂を入れずに飼うことも可能ですが、水草を植えるならやはり必要ですね。
また砂利の種類によっても水草の成長に影響するんです。
よく使われている「大磯砂」でも育ちますが、おすすめは「ソイル」です。
ソイルは土を焼いたものを成型して作られています。
だから栄養分を含むんですね。
そしてソイルを使うと水質は弱酸性(大磯砂は中性)になります。
1年に1回は交換しましょう。
また砂利があった方が魚が落ち着くメリットがありますね。
さらに砂利にバクテリアが繁殖することで水をろ過して水質を安定させますよ。
砂利は縁の下の力持ちだったんですね。
一方、サンゴ砂を入れると水質が弱アルカリ性に傾くので水草にはあまり向きませんね。
では続きを見ていきましょう。
ミクロソリウムは水生シダの仲間
- 原産地:東南アジア
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:18~28℃
- 高さ:15~20cm
- アドバイス:初心者向きの丈夫な水草だが、高水温には弱い。
ウォーター・スプライト(シダ)は小型魚の隠れ家に最適
- 原産地:北米
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性
- 水温:20~28℃
- 高さ:20~50cm
- アドバイス:葉先を水に浮かべても増える。水質の急変に弱い面があり、水質の見極めになる。
ウィローモス(コケ)の茂みは稚魚の隠れ家にして繁殖のお手伝い
- 原産地:世界各地
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22~28℃
- 高さ:2~10cm
- アドバイス:流木や石に活着させて茂みを作るとエビや稚魚の隠れ家になる。頻繁なトリミングが必要。
いかがでしたか?
水草も熱帯魚と同じ生き物。
しっかり育てば水槽はどんどん美しくなっていきますね。
大切に育ててあげましょう。