猫の血便の原因をくわしく解説。下痢に鮮血が混ざるときの理由は5つあった!

猫の血便といってもさまざまなケースがあります。
下痢や軟便に鮮血が混ざる場合、そして形は普通でも便が黒い場合が一般的。
また単純に肛門からの出血がそのように見えることもありますね。
でも原因によっては深刻な状態であることも。
今回は、猫が血便をする5つの理由についてお話しましょう。
猫の血便の原因をくわしく解説
飼い主さんが「血便」と考えるケースには3つのパターンがあります。
そして血便でなくても明らかに便の異常が考えられることもあります。
また正常な便も合わせた猫の便の色や状態についてまとめておきましょう。
- 茶色い便:人間の人差し指ぐらいの大きさ(1~2回/日)であれば「正常」。
- 茶色い便:普段よりニオイがきつい場合は腸内環境悪化の可能性も。鉄臭いなら血液が混ざっていることも。
- 黒い便:時間が経って乾燥していることで黒く見えるのであれば「正常」。
- 黒い便:腎臓病の治療薬やフードで活性炭入りのものを与えている場合、便そのものは「正常」。
- 黒い便:出た直後でタール様の黒色便であれば「異常」。口、食道、胃、小腸から出血の可能性も。
- 赤い便:下痢や軟便に鮮血が混ざっているのであれば「異常」。※以下の稿参照
- 赤い便:表面だけに血が付着(中は茶色)しているのであれば、便そのものは「正常」。肛門の傷から出血の可能性も。
- 白い便:脂肪便であれば「異常」。胆汁の分泌不足や膵炎などによる脂肪便である可能性も。
便秘気味であったり、硬い便を息んで出した場合、肛門付近に傷ができることがあります。
この場合は、別の不調が考えられますよ。
通常の健康な便は、茶色が理想。
食べ物や水分などによって多少の色の変化はありますね。
健康なときの便の様子やニオイを知っておくことで比較することができます。
猫の場合は糞を砂で隠すので、時間が経ってから目にすることもあるでしょう。
また散歩猫の場合、見ていないところでしてしまうこともありますね。
でも、便は健康のバロメーター。
しっかりと把握しておきたいものです。
下痢に鮮血が混ざるときの理由は5つ
では、もっとも病気の可能性が高い場合について考えてみましょう。
下痢や軟便に血が混ざっているときは、以下の5つの理由が考えられます。
かなり深刻なケースである場合も考えられますので注意が必要です。
- 細菌・ウィルスの感染によって胃腸炎を起こしている。
- 寄生虫(回虫、鉤虫、鞭虫など)の感染によって腸炎を起こしている。
- ストレス性の胃腸炎を起こしている。
- 異物の誤飲・誤食によって腸管が傷ついている。
- 大腸や直腸に腫瘍(良性・悪性)ができている。
「急性胃腸炎」は、細菌・ウィルスの感染以外に、変質した食べ物や不潔な水、有害物質でも起こります。
嘔吐・下痢が同時にみられることが多く、繰り返すことで脱水の危険もありますので注意が必要です。
「慢性胃腸炎」は、食べ物のアレルギーや有害物質、寄生虫などによる刺激が要因とされています。
また毛球症が原因になったり、急性胃腸炎の慢性化などの可能性もあり、原因の特定が難しいこともあります。
これら胃腸炎の場合、出血だけではなく、白い粘液もいっしょに出ることが多いのでよく観察してみましょう。
また「ストレス」が原因で腸に症状が表れることがあります。
この場合、家や周囲の環境に何らかの変化が起こっているかもしれません。
猫の様子にも何らかの変化がなかったか考えてみましょう。
これらの症状は、一過性のものであるか、慢性的なものか、また本当に血便であるのか素人には判断が難しいところです。
またどれも対応方法が異なり、緊急性の高いケースも考えられます。
一刻も早く原因を突き止めることが先決です。
早めに診察を受けて獣医さんの判断を仰ぎましょう。
受診時には、実際の便をビニール袋などに密封して持参するのが賢明です。
形がある場合には、写真を撮っておくと診断の助けになるでしょう。