汽水フグの種類と飼育。塩分濃度やエサはどうする?

汽水とは、河口などで海水と淡水が混ざった領域のこと。
一般には何となく難しいイメージがあるかもしれません。
今回は、そんな汽水域に棲むフグの種類と飼育上のポイントについてお話しましょう。
飼育水の塩分濃度やエサについてもまとめていますよ。
汽水フグの種類と飼育上のポイント
それでは汽水フグの種類とそれぞれの飼育上のポイントについてまとめてみましょう。
ミドリフグ
- 分布:タイ・カンボジア・ミャンマー・ベトナム・中国
- 全長:10~13cm(水槽内では8cmほど)
- 特徴:最もポピュラー。蛍光グリーンの体色に大きめのスポットが入る。人にもよく馴れる。
- 飼育:エサはなんでも食べる。海水魚の人工飼料がおすすめ(動物性と植物性を同量ずつ)。汽水で飼育可能。
ハチノジフグ
- 分布:タイ・ミャンマー・ベトナム・カンボジア・マレーシア・インドネシア
- 全長:約10cm
- 特徴:飼育はミドリフグと同様。
- 飼育:性質はミドリフグよりやや荒め。
レッドラインパファー
- 分布:インドネシア・ニューギニア
- 全長:5~10cm
- 特徴:体側に赤やオレンジのラインが見られる。幼魚期は淡水にもいるが成長後は海へ。
- 飼育:成長とともに海水に近づけるとよい。穏やかで多種との混泳も可能。
インドトパーズパファー(マミズフグ)
- 分布:バングラデシュ・インド・スリランカ
- 全長:約20cm
- 特徴:比較的穏やかだが、空腹になると混泳魚への攻撃性を見せる。
- 飼育:幼魚期は淡水でよいが、成長とともに汽水に切り替えるとよい。
メガネフグ
- 分布:中国
- 全長:15~20cm
- 特徴:鮮やかな緑の体色と黒い眼鏡模様。
- 飼育:弱アルカリ性の汽水で飼育する。成長とともに海水に近づけるとよい。
塩分濃度やエサはどうする?
続いて汽水の作り方とエサの種類についてお話しましょう。
何となく難しそうなイメージのあるフグ、しかも気水域に棲む種類。
基本的なことを押さえれば大丈夫。
あとはフグの種類や個体によって調節していきましょう。
汽水の作り方
汽水を作るには、市販の人工海水の素が手軽でよいでしょう。
既定の水量より多めに溶かすだけで簡単に準備できます。
倍で溶かせば1/2海水に、その倍で溶かせば1/4海水(比重:1.006)の出来上がりです。
ただ、塩分濃度が不安定だとろ過バクテリアも不安定になりがち。
水質の安定のためには定期的に比重計(塩分濃度計)でチェックするようにしましょう。
特に水換え時は必須です。
できればろ過フィルターも水槽サイズよりワンサイズ大きいものがおすすめです。
汽水フグは、淡水寄りに棲んでいたか、海水寄りに棲んでいたかによって最適濃度が異なります。
1/4海水からスタートするのが一般的ですが、購入店での塩分濃度を確認するのがベストです。
そして海水に近づける場合は、ゆっくりと調子を見て、1年で1/4程度上げていくぐらいの余裕を持ちましょう。
フグが好むエサは?
フグはご存知のように大食漢。
基本的には肉食です。
アカムシやクリル(オキアミ)、貝類(カキ、アサリなど)がメインです。
馴れるまでは「生餌」を与えるのがベスト。
徐々に「人工飼料」も試してみましょう。
空腹時を狙うとよいでしょう。
ピンセットでつまんで揺らすのも効果的です。
大きさは、魚の口に合わせてカットします。
食べかすを押さえ、水質の維持にも効果的です。
1日1~2回を目安に、お腹が少しふっくらする程度が適量です。
エサを与える前から真ん丸になっている個体は肝臓肥大の可能性があります。
様子を見ながら調節していきましょう。
いかがでしたか?
本稿があなたのアクアリウムライフのお役に立てれば幸いです。