食虫植物の育て方。ハエトリソウやサラセニアは初心者向き?

ハエトリソウは「挟み込み式」、サラセニア「落とし穴式」の捕虫器官をもつ食虫植物。
光合成とは別に虫も捕まえて栄養にする不思議な生き物ですね。
今回は、これらの食虫植物の育て方を初心者向きに解説しましょう!
食虫植物の育て方
「ハエトリソウ(ディオネア)」は、最も有名な食虫植物と言っても過言ではないでしょう。
2枚の葉で虫を素早く挟み込む様子は一見の価値ありですね。
動きのある食虫植物としてインパクト抜群ですが、比較的入手しやすい種類ですよ。
難しい夏越し・冬越し対策も必要なく、一年中屋外管理が可能です。
「サラセニア」は、北アメリカ原産の多年性植物。
瓶子体と呼ばれる筒状の袋が捕虫器官としてはたらきます。
日本と比較的似た環境に生息しているので、育てやすく、一年中屋外管理も可能です。
それでは、これらの食虫植物の育て方について詳しくみていきましょう。
先ずは植え方から。
ハエトリソウもサラセニアも基本は同じです。
まとめておきましょう。
- 鉢の底1/4程度に日向土(中粒か小粒)を入れる。
- 鉢の耳よりバルブが少し上になるように位置づけする。
- 水苔を詰める(入れた水が5秒程度で抜けるぐらいの固さ)。
- ※他の用土:ピートモス・ヤシガラ繊維・日向土・桐生砂・川砂・赤玉土など
- ※用土の性質:保水性と通気性があること・弱酸性か中性で肥料分がないこと
ハエトリソウは代表的な食虫植物
ハエトリソウは、もともと北アメリカの一部の地域で生息していた多年生植物。
組織培養によって大量に生産され、その過程で生まれた変異種が品種として固定されました。
特別の管理を必要としないため、育てやすい種類と言えるでしょう。
日光の管理
基本的にやや強めの日光を好みます。
屋外の明るい場所を選んで管理するとよいでしょう。
夏季以外は神経質になる必要はありませんよ。
生育期間は3~11月頃です。
水やりの方法
水は常に必要です。
水を絶やさないように、腰水栽培(受け皿に3~5cmの水を貯める)が適切です。
冬季に休眠状態(地上部が枯れる)になっても水を絶やさないようにしましょう。
夏越し・冬越し
夏季(6~9月)は、屋外半日陰に置くか50%の遮光を心がけましょう。
また高温による水温上昇を緩和する必要があります。
風通しの良い場所を選んで、地面から離れた台の上に置き、白い受け皿を用いるとよいでしょう。
冬季は、凍らせないようにする(霜よけ)程度で大丈夫です。
害虫・病気対策
頻度は少ないものの、スリップス(アザミウマ)、カイガラムシ、ハダニなどが付くことがあります。
早めの薬剤散布が必要です。
病気も多くはありませんが、高温と蒸れで弱ると中心部分が腐ることがあります。
3ヶ月に1度程度、殺菌・殺虫の薬剤散布で予防するとよいでしょう。
サラセニアは初心者向き
サラセニアは、北アメリカの沼地などに生息しています。
暑さにも寒さにも強いため、日本でも難しい夏越し・冬越し対策は必要ありません。
丈夫で管理も易しいため、より初心者向きの食虫植物と言えるでしょう。
日光の管理
食虫植物の中でも特に日光を好みます。
基本的に夏季でも遮光は不要。
直射日光の当たる場所を選びましょう。
日中は、なるべく光量が一定になる場所を探しましょう。
水やりの方法
水は常に必要です。
基本的には、腰水栽培(受け皿に3~5cmの水を貯める)を行います。
水がなくなってきたら、鉢上の用土に注水して追加するとよいでしょう。
乾かし過ぎは禁物ですが、過剰な水も枯れたり腐ったりする原因となります。
あまり深すぎる腰水は避け、大雨の後などは注意してあげましょう。
また水やり時にも捕虫葉の水たまりには気をつけましょう。
夏越し・冬越し
夏にも冬にも強い種ですが、フラバ、ミノール、ルブラなどは、日本の高温多湿の環境で弱ってしまう場合があります。
夏季は、傷んだ葉を取り除き、風通しの良い場所に移動するか、半日陰に移すとよいでしょう。
腰水も、水温が上がる場合、光を反射する白色の受け皿を用いたり、水を一旦捨てて入れ替えるようにする工夫もあります。
また鉢を二重にして、外側の鉢を素焼きのものにする手もあります。
素焼きの鉢が水を吸い上げ、気化することで温度を下げる方法です。
大きな素焼き鉢を使い、間に日向土を詰めると更に効果的です。
冬季は、霜よけ程度で大丈夫です。
しかし霜柱によって株が浮き上がると乾燥して枯れてしまいますので、注意が必要です。
害虫対策
サラセニアに付く虫には、スリップス(アザミウマ)、アブラムシ、ハダニがあります。
新芽の時期から付いて、ボロボロになったり、よじれたりする原因となります。
特に春から初夏(秋も)の時期には注意が必要です。
薬剤でしっかり予防してあげましょう。
いかがでしたか?
他の植物とは一線を画する食虫植物。
あなたのコレクションに加えてみませんか?
本稿が、あなたのボタニカルライフの参考になれば幸いです。