猫の毛並みを良くする手作りごはん!必要な栄養素の種類と食材を徹底解説。

愛猫の健康を左右する「毎日のごはん」には気を付けてあげたいものです。
人間なら体調のバロメーターとして「肌の張りや潤い」が気になるところ。
猫なら「毛並み・毛艶」がそれにあたりますよ。
毎日のバランスのよい食事が何よりも大切ですね。
毛並み・毛艶が良くないと感じたら、一度「手作り」してみては?
今回は、特に猫の毛並み・毛艶を良くするのに必要な「栄養素」や「食材」に注目してみましょう。
猫の毛並みを良くする手作りごはん
猫の毛並みを美しくするには「被毛を作る」そして「被毛の潤いを保つ」栄養素が重要です。
まずはこれらの栄養素を含む「食材」をまとめてみましょう。
- 動物性たんぱく:鶏肉、牛肉、魚肉、鶏卵、ウズラ卵
- 野菜類:ほうれん草、豆腐、豆乳、タマネギ、トウモロコシ、インゲンマメ
【被毛の潤いを保つアラキドン酸とビタミンA】
- 動物性たんぱく:鶏や牛、豚の脂、レバー、鶏卵、ウズラ卵
- 野菜類:ニンジン、キュウリ
肉類の量は体重で調節する
次に簡単なレシピを紹介しましょう。
「肉類」の量は、猫の「体重」によって調節してくださいね。
また一度にあげる肉の種類は「1種類」にする方が負担が少なくてよいでしょう。
- 3kg:35~50g
- 4kg:40~55g
- 5kg:45~65g
- 6kg:50~70g
- 7kg:55~75kg
「野菜類」も少しずつ加えるとよいでしょう。
野菜は加熱してみじん切りにした状態にします。
小さじ1~3杯ぐらいが適量ですよ。
あとは猫の好みで数種類のパターンを繰り返しましょう。
毛並みの状態に効果が表れるまでに3週間から1か月
もう1つ紹介させていただきましょう。
猫の好みによって肉の種類を変えたり、その他のアレンジを加えてみてもよいでしょう。
またこれらの食材を試しても、すぐに効果は表れません。
新陳代謝によって細胞が入れ替わるのが「ターンオーバー」。
毛並みの状態に変化が表れるまでには「3週間から1か月程度」の期間がかかります。
あせって量を増やしたり、成分を偏らせないことが肝心ですよ。
また初めはフードと併用して徐々に肉の割合を増やしていくとよいでしょう。
「10日から2週間ぐらい」でフードと切り替えるぐらいが負担が少ないペースです。
必要な栄養素の種類と食材は
もう少し栄養素や食材についてお話しを続けましょう。
美しい毛並みを作るためには、メチオニンやシスチン、リノール酸とアラキドン酸、そしてビタミンの十分な摂取が必要です。
これらの栄養素が含まれる食材について詳しくみていきますよ。
食材の使い方のコツもいっしょにお話ししますね。
メチオニンとシスチンは被毛の発育に不可欠な栄養素
「メチオニン」と「シスチン」は、被毛の発育に不可欠な「ケラチン」というたんぱく質の主な材料になります。
肉類以外にもこれらを含む食材はあります。
しかし野菜や穀類には猫にとって消化の悪いものもありますので工夫が必要です。
- 鶏肉、牛肉、魚肉:普段から食べているのであれば不足しない
- ほうれん草:カルシウムも一緒に摂取する
- トウモロコシ:みじん切りや煮込んでから与える
- インゲンマメ:香りが強いため好き嫌いが多い
- 豆腐:たんぱく質は少なめ
【シスチン(システイン)】
- 鶏卵:半熟程度まで加熱すると消化がよくなる
- ウズラ卵:鶏卵が苦手な場合に使うとよい
- トウモロコシ:みじん切りや煮込んでから与える
リノール酸とアラキドン酸、ビタミンは栄養素
「リノール酸」と「アラキドン酸(脂肪酸)」は、被毛の潤いを保つ作用のある栄養素です。
また不足すると免疫力の低下を引きおこすと言われます。
- リノール酸:植物油に含まれる
- アラキドン酸:動物性の脂肪や卵の含まれる
※低脂肪の肉(鶏の胸肉やささみなど)を与えている場合、鶏や牛、豚の脂を1食5~10g加えるとよい
ビタミンAも被毛の潤いを保ち、不足すると免疫力の低下を引きおこすと言われます。
- レバー:ビタミンAの過剰摂取は骨格異常の原因になるためレバーばかり与えない
- ニンジン:加熱してから与える
- キュウリ:みじん切りや煮込んでから与える
以上の栄養素をバランスよくメニューに加えてみましょう。
また新しい食材を試す場合は、消化不良を起こしていないか、糞便の量で確認しましょうね。
でも「毛割れ」を起こしている場合には、注意が必要です。
他の可能性も合わせて考えてみましょう。
毛割れは様々な体調不良を表すサイン
毛が束になって割れている状態を「毛割れ」と呼んでいます。
この場合、健康上の理由も含めてさまざまなことが考えられるので注意が必要です。
何らかの病気でも毛割れを起こすことがあります。
10歳以上の老猫の場合は、「老化」が主な原因かもしれません。
この場合、健康維持のためにたんぱく質や脂肪分が十分であるか、全体的な食事内容を見直す必要があります。
- 腎臓の病気(慢性腎不全、糸球体腎炎):水分代謝が悪くなっている、多飲多尿や食欲不振で脱水も
- 回虫症:小腸に寄生し、栄養分を奪っていく(子猫の場合、発育不良につながる)
- 炭水化物(米、うどん、パン)の与え過ぎ:猫には必要度が低く、消化にも悪い
- 脂肪の控えすぎ:脂肪分は重要な栄養素であるため、極端な制限や急激なダイエットは危険
- 皮脂の蓄積:皮膚の汚れはブラッシングやシャンプーで対応
猫は食事に対して保守的です。
新しい食べ物を受け入れてくれないこともあります。
焦らずに行っていきましょう。
いかがでしたか?
愛猫にはいつまでも美しくあってもらいたいものですね。
猫の食生活を考える参考となりましたら幸いです。