猫の呼吸に異常を感じたら疑うべきこと。荒い息はやっぱりおかしい?

猫の呼吸に異常を感じたら疑うべきこと。荒い息はやっぱりおかしい?
健康とおる 先生

太井さん、今日はどうされましたか?

太井明子

カリンの息が早くて何だか苦しそうなんです。運動したわけでもないのに…。

カリンちゃん

鼻が詰まって苦しいのよ。のども痛くて…。

健康とおる 先生

呼吸器の病気の可能性もありますね。すぐに診てみましょう。

太井明子

そうなんですか?

カリンちゃん

猫は普通、口では呼吸しないんだよ。息が荒いときはとても苦しい証拠なんだ。気管支炎や肺炎になったら大変だよ。

猫の息が荒いときは、呼吸器の病気が疑われます。

特に空気が乾燥する冬は、鼻やのどの粘膜が乾燥することで呼吸器の病気にかかりやすくなります。

また寒さで抵抗力が低下し、ウィルスや細菌の感染も起こりやすくなります。

愛猫の異常を見逃さないようにしたいものですね。

今回は猫の呼吸器の病気についてお話ししましょう。


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猫の呼吸が早いときや荒いときはやっぱりおかしい?

猫の呼吸が早いときや荒いときはやっぱりおかしい?

呼吸器とは鼻腔からのど、気管、気管支、肺までを指します。

呼吸が「荒い」「早い」と感じたら、何らかの呼吸器トラブルが起きているかもしれません。

猫の呼吸数は、1分間で20~35回です。

胸やお腹の上下の動きを1回とし、1分間数えるとよいでしょう。

健康なときの平均値を知っておくと役立ちますね。

それでは、呼吸器の病気についてまとめてみましょう。

【猫がかかりやすい呼吸器の病気】

  • 鼻炎:くしゃみや水っぽい鼻水が多く、徐々に粘り気が出て、鼻腔が汚れるようになる。
  • 副鼻腔炎:鼻炎が悪化して炎症が副鼻腔(鼻の奥)まで拡がり、膿が混じった濃い鼻水が出るようになる。
  • 咽頭炎:のどに炎症が起こり、咳が出るようになる。
  • 気管支炎:発熱があり、嘔吐のような姿勢で咳をするようになる。
  • 肺炎:気管支の炎症が肺まで拡がり、ゼイゼイと苦しそうな呼吸をして動けなくなる。

猫は普段は鼻から呼吸しています。

呼吸器の問題で鼻呼吸ができなくなり、口呼吸するようになった結果、呼吸が荒く(早く)なっているのです。

また鼻が詰まって食べ物の匂いを感じにくくなったり、呼吸が苦しいために食欲も低下することが多いようです。

呼吸器の異常を引き起こす主な原因は

呼吸器の異常を引き起こす原因には様々なものがあります。

【呼吸器の病気の原因】

  • 花粉やハウスダストなどのアレルギーによるもの
  • 細菌・ウィルス、真菌(カビ)の感染によるもの
  • 歯の炎症(歯槽膿漏など)が拡がったもの
  • 外傷による炎症が拡がったもの
  • 鼻腔狭窄(先天性)によるもの(ペルシャやヒマラヤンなどの短頭種)

ウィルスの感染では、いわゆる「猫風邪」が代表的なものです。

猫ウィルス性鼻気管炎症や猫カリシウィルス感染症などをまとめて猫風邪と呼んでいます。

また真菌では「クリプトコッカス症」がよく知られています。

クリプトコッカスは、鳥のフンによって運ばれ、空気中に浮遊した菌を猫が吸い込むことで発症します。

鼻腔に症状がみられることが多く、くしゃみや鼻水が出て呼吸が苦しくなります。

ときには鼻が腫れて顔が変形してしまうこともあります。

また目の異常(白濁や出血)や神経の異常(けいれん)を起こすこともある怖い病気です。

そのほか、「口腔内のトラブル(歯槽膿漏など)」「口やあごの外傷」が呼吸器に影響する場合もありますので注意が必要です。

咳のしすぎや外傷で肺に穴が開くことも

気管支炎などで強い咳が続くと「気胸」を起こすことがあります。

肺や胸壁に穴が開くことで胸腔内にたまった空気が肺を圧迫するのです。

肺が萎縮し、膨らまなくなることで呼吸困難を起こすようになります。

また細菌感染を起こし、肺に多量の膿がたまるようになった状態を「膿胸」と呼んでいます。


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重篤な病気が隠されていることも

重篤な病気が隠されていることもある

呼吸器に異変が表れるときは重篤な病気にかかっている場合もあります。

呼吸が荒くなったり咳が出たりといった症状そのものは似ていても他の全身性の病気が原因かもしれません。

この場合、一刻も早く治療を開始する必要があります。

代表的なものを簡単にまとめてみましょう。

猫伝染性腹膜炎では腹水がたまる

猫コロナウイルスに感染して起こる病気です。

腹水がたまってお腹が異常に膨らむのは「ウェットタイプ」と呼ばれます。

このタイプでは胸腔にも水がたまり(胸水)、肺が圧迫されることによって呼吸困難に陥ります。

高熱や食欲低下、貧血などの症状も見られます。

もう1つ「ドライタイプ」と呼ばれるものもあります。

この場合、発熱や体重減少の他、眼球の白濁や神経症状(けいれんや麻痺)などを起こすことがあります。

いずれのタイプも完治が難しい病気と言われています。

悪性リンパ腫では胸水がたまる

がんの中でも猫に多いと言われるリンパ腫は、腫瘍のできた場所によってタイプが分かれます。

肺の間にできるのは縦隔型(胸腺型)と呼ばれ、猫に最も多いタイプと言われます。

この場合、胸水がたまり、呼吸が苦しくなったり咳が出たりします。

また食欲が低下したり、下痢や嘔吐もみられることがあります。

心臓病では呼吸が荒くなって動けなくなる

心臓の筋肉が正常に働かなくなる病気を心筋症と呼びます。

心筋が薄くなって弾力がなくなる拡張型心筋症と心筋が肥大する肥大型心筋症に分けられます。

心臓の機能が衰えることで様々な症状が出ます。

【心筋症の症状】

  • 腹水がたまってお腹がふくれる
  • 四肢がむくむ
  • 「カッカッ」という咳をする
  • 安静時でも「ハァハァ」と荒い息をする
  • 突発的な咳から呼吸困難に陥ることもある
  • 血管に血栓ができやすくなる
  • 後ろ足にいく血管が詰まると足がマヒすることもある

飼い主さんができる予防法は

飼い主さんができる予防法は

猫の呼吸器の病気には難しいものもあり、完全な予防はできないかもしれません。

しかし飼い主さんが予防することで防げる病気もあります。

また悪化をさせないことも大切な仕事なのです。

【飼い主さんができる予防法】

  • 掃除を小まめに行う:ハウスダストやダニ、カビなどを除去する。
  • 空気清浄機を用いる:空気中のウィルスやアレルゲンを除去する。
  • 室内の温度(18~24℃)や湿度(50~60%)を保つ:鼻やのどの粘膜を刺激せず、乾燥させないようにする。
  • ストレスのかからない環境づくりを心がける:免疫力の維持・向上につながる。
  • 栄養のバランスに配慮する:免疫力の維持・向上につながる。
  • 普段の呼吸数を数えておくことで異常に気付く:一般には20~35回/分程度
  • 熱中症と区別する:冬の暖房(ホットカーペット、床暖房)でも長時間の使用で熱中症を起こすことがある。

いかがでしたか?

愛猫の健康管理の参考になりましたら幸いです。


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