猫の繁殖期はいつから始まる?発情期と妊娠期間の疑問に答えます。

子猫の成長はとても早いもの。
早ければ6~10か月ぐらいで初めての発情期を迎えるんです。
だから早いうちから知っておいた方がよいことがたくさんありますね。
猫の繁殖期はいつから始まるの?
発情期と妊娠期間はどうすればいい?
繁殖率はどれぐらい?
今回は、繁殖に関するさまざまな疑問にお答えしていきましょう。
猫の繁殖期はいつから始まる?
いつまでも子猫と思っていても、6~10ヶ月で初めて発情期を迎えることが多いでしょう。
猫の1歳は、人間でいえば18歳ぐらい。
体もできあがり、出産も可能になるんです。
メスは、春から夏にかけてが発情期。
約1週間の発情期間に妊娠しなければ、数週間後に再びピークを迎えます。
この「発情と休止」をシーズン中に繰り返すんです。
発情は日照時間に影響されると言われます。
でも室内飼いの猫の場合、夜の照明や冷暖房の関係で、リズムが狂い、季節を問わずに発情することもあるようですね。
一方、オスには決まった発情期はなく、発情期の猫の声や匂いに反応して発情するとされています。
繁殖はメスの方に主導権があるんですね。
では、もう少し詳しくお話していきましょう。
発情期と妊娠期間の疑問あれこれ
最初に、発情期のサインをまとめてみましょう。
一般に2回目の発情がくれば、交配させても大丈夫とされています。
飼い主さんが繁殖を望んでいるのであれば、タイミングをうかがうこともできますよ。
特にメスの純血種であれば、お相手はとても重要。
最初の発情期のタイミングでお相手を探すこともできますね。
発情期のサインってあるの?
初めての変化に戸惑う飼い主さんも多いことでしょう。
メスとオスのそれぞれが発するサインについてまとめてみましょう。
- 元気があっても食欲低下がみられる
- ソワソワした様子を見せる
- 人や物に体をこすりつける
- 床を頭につけて転げまわる
- お尻を上げてしっぽを立てる
- 大きな声でオスにアピールする
- いつもと違う場所にオシッコをする(縄張り行動)
- スプレー行動が始まる
- 体をこすりつけて匂いを付ける
- ペニスが露出する
メスはオスとの交尾の刺激で排卵するため、交配すれば、ほぼ100%の確率で妊娠すると言われます。
また発情期中に複数のオスと交尾すると、親の異なる子猫を同時期に出産すると言われるほどなんです。
妊娠の兆候は?
愛猫の妊娠を初めて経験する飼い主さんなら不安も多いはず。
まずは妊娠の兆候と体の変化についてまとめておきましょう。
- 交尾から2~3日:発情期独自の行動がおさまる。
- 交尾から2週間:毛づやが良くなる(ホルモン分泌がさかんになる)。
- 交尾から3週間:つわりがあり、おさまると食欲が増進する。乳首がピンクになり、乳房も膨らむ。
- 交尾から1ヶ月:お腹が膨れてくる。寝る時間が多くなる。排尿回数が増える(膀胱の圧迫)。
- 交尾から2か月:お腹はパンパンになり、食べなくなる。ソワソワと落ち着きがなくなる。
- 出産直前:お腹や外陰部をしきりになめる。産箱にこもる。呼吸が荒くなる。
妊娠期間に気をつけることは?
猫の妊娠期間は約63日で、猫によって4日ほど前後すると言われます。
通常は自力で出産できますので、必要以上の心配は要りませんね。
逆に構いすぎるとストレスになるので、そっと見守ってあげるほうがよいでしょう。
でもいくつか気を付けてほしいことがあります。
- 45日程度でレントゲンを撮ってもらう:赤ちゃんの数を確認しておくため(緊急時の対応)。
- 高いところに登らせないようにする。
- 高い段差には板でスロープを作っておく。
- 摂取カロリーを増やす:普段の1.3~1.4倍程度。妊娠期用フードもある。
- 食事回数を増やし、1回の量を減らす:3~4回に分ける。
出産に立ち会うとき知っておくべきことは?
交尾から2ヶ月でもう出産間近です。
産箱を用意して待ちましょう。
産箱は、猫が好むダンボール箱を用意しましょう。
入り口を開け、下に新聞紙(布)を敷きましょう。
天井は閉じてあげたほうが落ち着くでしょう。
普段から慣れているものがあれば、そのまま使うのがベストです。
猫によっては、押し入れやクローゼットなど薄暗い場所に入り込むケースもあります。
飼い主さんの布団に入り込むこともよくありますよ。
無理に移動させようとしないで、その場に新聞紙などを敷き、環境を整えてあげるのも一つの方法ですね。
産箱にこもり、陣痛が始まると、苦しそうに息が荒くなります。
出血があり、陣痛が続くようになるといよいよ出産です。
出産の流れを知っておこう
- 陣痛から30分~1時間で破水する。1匹目の出産。
- 出てきた赤ちゃんを包んでいる羊膜を食べて破る(呼吸をさせる)。
- 赤ちゃんが呼吸するのを確認し、へそのを咬み切って、胎盤を食べる。
- 羊水で濡れている赤ちゃんの体をなめる。
- 赤ちゃんが出てくるたびに2~4の行動を繰り返す。
- 母乳を飲ませる
緊急事態の対応は?
猫の出産は、ほとんどが安産です。
でもいくつか緊急事態と呼べるケースがありますよ。
慌てないように、あらかじめ想定しておくとよいですね。
- 破水しても赤ちゃんが出てこない
- 赤ちゃんが見えているのに出てこない
- 赤ちゃんの数がもともと少なく、お腹の中で育ち過ぎている
- 予定していた数が生まれる前に、親猫が息むのをやめてしまった
- 1時間以上陣痛が続いている(赤ちゃんが引っかかっている)
このような場合は緊急事態です。
難産になるケースがあります。
また帝王切開になる可能性もありますね。
急いで獣医師の指示を仰ぎ、必要であれば病院に連れて行きましょう。
そのほか、無事に生まれてきても母猫がへその緒を切らない場合があります。
このときは、赤ちゃんのおへそから2cmぐらいのところを糸で縛り、縛ったところから母猫側に1cmのところをはさみ(消毒したもの)で切りましょう。
またその後も、赤ちゃんを温めなかったり、母乳を与えなかったりするなど「育児放棄」の状態がみられる場合もあります。
適切な人工保育が必要になってきますので、心づもりはしておいた方がよいかもしれません。
そのほかのトラブルとしては、仮死状態で生まれることもあり得ます。
そんなときは、赤ちゃんの首を固定して包み込むように持ち、軽く揺すります。
そしてタオルで包んで体をさすって鳴き始めるのを待ちましょう。
いかがでしたか?
愛猫の出産は特別な瞬間ですね。
無事な出産と子猫の健康な成長を心より願ってこの稿を終わります。