猫風邪の治し方は?くしゃみや下痢など気になる症状を徹底解説。

愛猫の様子がいつもと違う。
とても心配なことですよね。
言葉で伝えることができない愛猫のつらさを分かってあげられるのは、一緒にいる飼い主さんしかいません。
くしゃみや鼻水、そして食欲不振や下痢は、猫風邪の症状かもしれませんよ。
早期発見を心がけ、一日でも早く元気にしてあげたいものです。
止まらないくしゃみや鼻水がみられたら
1回から数回程度のくしゃみなら、ほこりや花粉、刺激臭などの一般的な原因によるものかもしれません。
生理現象としての普通の反応であることがほとんどで、その場の状況からも判断できるでしょう。
でもくしゃみが連続で起こったり、何日も続いたり、鼻水も出るようになったら、猫風邪を疑いましょう。
また緑色でネバネバした目ヤニも一緒に見られるようなら要注意です。
食欲不振や下痢がみられたら
鼻水が原因で食べ物の匂いが分からなかったり、呼吸がしづらいことが食欲不振の原因かもしれませんよ。
また病原体が原因で下痢などの胃腸症状がみられることもあります。
その結果、衰弱して食べることができず、ますます症状を重くしてしまうかもしれません。
さらに猫風邪では、口の中に潰瘍(粘膜のはがれのこと)や口内炎を作ってしまうものもあります。
実は口の中が痛くて食べられないというケースも考えられますよ。
食欲不振と下痢はとても重要なサインなのです。
猫風邪症状の一つとして理解してあげることが大切です。
猫風邪症状を起こす主な感染症と治し方
猫風邪は人間の風邪と同様、様々な症状の総称であって、単一の病名ではないことに注意が必要です。
「猫伝染性呼吸器症候群」と呼ばれることもありますね。
風邪症状を起こす病原体はたくさんあり、似た症状でも別のものである可能性もあります。
それでは代表的な病気と治療方法、そして飼い主さんがしてあげられることを一緒に見ていきましょう。
猫ウィルス性鼻気管炎症(FVRV)とは
ヘルペスウィルスの感染によるものです。
すでに感染している猫(ウィルスキャリア猫)の唾液や鼻水、目ヤニとの接触が原因です。
通常は、10日から2週間程度で完治すると言われますが、慢性化すると蓄膿症になってしまう恐れもあるので注意が必要です。
インターフェロンや抗生物質の治療がありますが、蓄膿症になってしまったら、手術が必要になるケースもあります。
猫カリシウィルス感染症(FCI)
カリシウィルスの感染が原因です。
くしゃみや鼻水、目ヤニのほか、口腔内潰瘍(口の中の粘膜のはがれ)が見られ、よだれも多くなります。
また猫カリシウィルスには多くのタイプが存在し、猫のインフルエンザと呼ばれることもあるほどです。
インターフェロンや抗生物質の治療があり、通常は5日から2週間程度で完治する言われます。
猫クラミジア感染症
ネコクラミジアという微生物の感染が原因です。
片側の目から発症する結膜炎が特徴で、気管支炎や肺炎などを併発することがあります。
主な治療は抗生物質の点眼や点鼻、全身投与があります。
通常は2週間から3週間で完治すると言われます。
3つの感染症に共通する注意点は
- 抵抗力の弱い子猫では重症化が早く、死に至る可能性が高い病気。
- お互いに症状がとてもよく似ていて判別がとても難しい。
- 2種類以上の病原体に同時に冒される可能性がある(混合感染)。
- 完治させないと再発を繰り返す。
- 症状はなくても病原体を持ち続ける(キャリア化)ことがある。
- 途中で治療をやめないこと。
飼い主がしてあげられること
- 鼻水や目ヤニには病原体がたくさん存在するので、ティッシュなどでこまめに拭いてあげる。
- 排泄物にも病原体が存在するので、常に清潔な状態を保ってあげる。
- 鼻が詰まっているなら、ほぐして温めたり(缶詰)、お湯で軟らかくして(ドライフード)匂いを強くする。
- 口の中が痛いのなら、ペースト状にしたもの指につけて少しずつなめさせる。
- もともと匂いが強いフードや少量でも高栄養のものを選ぶ。
ウィルスや細菌感染の原因は
猫が自由に外出できる環境にある場合、他の猫との接触が最も大きな原因です。
人間の風邪と同じような経路で感染が起こります。
感染している猫のくしゃみや鼻水による「飛沫感染」やグルーミングを通した「接触感染」かもしれませんね。
また室内にいる猫でも、飼い主が他の猫と接触したことで、手や衣類などからうつす可能性もあります。
スキンシップが多い飼い主さんの場合は要注意ですよ。
人間や犬への感染とその予防法は
猫ウィルス性鼻気管炎症と猫カリシウィルス感染症は、人間や同居犬に感染することはありません。
しかし猫クラミジア感染症は、人や犬にも感染する(人獣共通感染症)ことがあります。
飼い主さんに限らず、お子さんや同居犬に結膜炎などの症状がみられたら、検査を受けることをお勧めします。
予防については、感染している猫との接触を避けることはいうまでもありません。
しかしいつも猫と一緒というわけにはいきませんよね。
また同居猫や子猫がいる場合、やはりワクチンの接種が安心です。
猫カリシウィルス感染症には多くのタイプがあります。
また猫クラミジア感染症は3種混合ワクチンに含まれていません。
ですから現在のところ7種混合ワクチンを接種するのが最良の方法と言えるでしょう。
その他、飼い主の手や持ち物を消毒すること、猫の食器やおもちゃ類を塩素系漂白剤で消毒することが必要です。
いかがでしたか?
愛猫を守ってあげられるのは飼い主さんだけです。
そのためにはしっかりした知識が必要ですね。
それでは明日も愛猫と一緒に元気に過ごせますように。