猫の病気の症状。下痢や嘔吐がみられるとき考えるべきことは?

猫は慢性の下痢になりやすいと言われています。
しかし激しい症状を起こし急速に悪化することもあります。
では猫の病気の症状で、下痢がみられるときは何が起こっているのでしょうか?
また嘔吐を伴うときは重症なんでしょうか?
今回は猫の下痢に焦点を当ててお話ししましょう。
猫が激しい下痢や嘔吐の症状を起こす原因とは
突然、はげしい下痢が起こった場合、またそれを繰り返すときは明らかな原因があります。
また嘔吐を伴うことも多いのも特徴です。
脱水症状を起こしやすいため、抵抗力の弱い子猫や老猫では一刻を争います。
大至急病院に連れて行きましょう。
- 猫汎白血球減少症(猫パルボウィルス):ケチャップ様の便が特徴。高熱を伴う。
- 急性胃腸炎(食べ物や飲み物、中毒、感染症):水様便(症状が重い場合)。血が混じることも。
- 回虫症(寄生虫):下痢のほか、貧血や嘔吐、栄養不良、腸閉塞もみられる。子猫では特に注意。
- 鉤虫症(寄生虫):タール便や血便が特徴。貧血や栄養不良もみられる。子猫では特に注意。
- 中毒症(植物、薬剤):ユリ科の植物、ねぎ類のほか、殺鼠剤、除草剤、殺虫剤が多い。
一方、慢性的に長く下痢が続く場合もあります。
慢性の下痢が続く原因は
慢性の下痢は猫に多く見られます。
すぐに悪化することは少ないようですが、徐々に衰弱していくので早めに病院に連れて行きましょう。
一般に、水様性の下痢は「小腸」に、粘液状の血便は「大腸」に、嘔吐も伴うときは「胃」に何らかの問題が起きていることが多いと言われます。
消化器の腫瘍や寄生虫、肝臓病でも下痢症状が出る可能性があります。
- 慢性胃腸炎(胃粘膜の刺激による):数週間にわたって続く。黒いタール便も。原因不明のことも多い。
- 消化器の腫瘍:元気がなくなる、体重減少、お腹がふくれるなどの症状もみられる。
- 条虫症(寄生虫):体重減少がみられる。肛門が刺激され、お尻をこすりつける。
- ジアルジア症(寄生虫):水様便や脂肪便がみられる。他の寄生虫やストレスが原因で発症。
- 肝炎(ウィルスや中毒による障害):体重減少がみられる。重症では黄疸や腹水も。
- 脂肪肝(中性脂肪の蓄積):黒っぽい便となる。重症では黄疸も。肥満の猫に多い。
これらは急激な症状には見えませんが、経過が長く、病気そのものが進行している可能性もあります。
また急性のものが慢性化する場合もありますので、放置しないようにしましょう。
家でできる応急処置は
下痢の回数が多い(1日に2~3回以上)場合、胃腸を休ませることが必要です。
急性のものでない場合で様子をみるときは半日程度の絶食をさせてみます。
その後、嘔吐がなく落ち着いているようなら、通常の1/4程度の量のフードから与えてみましょう。
下痢で水分が失われているので、水分はいつでも摂れるようにしてあげてください。
この場合、食べなかったり、食べても嘔吐するようであれば病院に連れて行きましょう。
病気でなくても下痢をする?
重篤な病気ではなくても下痢をすることがあります。
主なものをまとめてみましょう。
- ストレス:引っ越しや留守番、その他の環境の変化(家の模様替え、お客さんなど)があった場合
- フード:腐ったもの、消化に悪いもの、冷たいもの、脂肪分の多いもの、慣れないものを食べた場合
- 水:不衛生な水を飲んだ場合
- 治療薬:別の病気で薬(抗生物質)を飲ませていて腸に影響した場合
嘔吐や腹痛などの症状がみられず、元気でその後の食欲もあるなら、ストレスやフードが原因かもしれません。
ストレスの原因やフードの見直しを行うことで改善がみられることもあります。
一時的な下痢が慢性化しないよう、原因を取り除いてあげましょう。
この場合も応急処置の方法は同じです。
その他、異物を飲み込んだ可能性もあります。
この場合、嘔吐が主になりますが、異物が腸まで移動した場合は下痢症状が出ることがあります。
下痢の前に、嘔吐やおかしな様子がなかったか考えてみましょう。
最後に気を付けてほしいのはやっぱり子猫です。
内臓が未熟なため免疫力が弱いことが理由です。
1度の下痢でも脱水を起こすことがあるので見逃さないようにしましょう。
いかがでしたか?
下痢症状といっても様々なケースが考えられます。
急性の場合、脱水となり危険な状態に陥ることもあります。
また慢性の場合、何らかの変化がすでに起きていることもあります。
慌てないよう普段からの観察を怠らないようにしましょう。