猫の病気の吐く症状を徹底解説!病院に行く前にするべき応急処置とは?

猫が吐いているときの応急処置はまず「誤嚥」の防止。
まずは嘔吐物や異物をのどに詰まらせないようにすることが先決です。
それから冷静になって、症状をよく見て原因について考えてみましょう。
病院に行く前の正しい応急処置の正しい方法とは?
慌てるなと言っても、愛猫の異変に冷静でいられる飼い主さんはいないでしょう。
しかし正しい応急処置の方法を知っていることで、重篤な事態を防ぐことができます。
また獣医の正確な診断や迅速な対応を助けることもできるのです。
応急処置の方法をまとめておきましょう。
- 猫の頭を下げて「伏せの姿勢」を取らせる。
- 病院に行くときは「伏せの姿勢」が取れるように大きめのバスケットに入れる。
- 決して抱きかかえない(内臓の圧迫や気道の閉塞を防ぐため)。
- 毛玉を吐く場合や一過性の場合は半日程度の絶食(絶水)を行う。
- 元気が回復して来たら、普段のフード(1/3程度)をお湯でふやかして与える。
- 毛玉の場合は、病気ではないので、毛玉ケアのサプリメントを与える。
- 下痢や食欲不振の様子がないか確認する。
- 吐き出し方を観察し、吐いたものの写真を撮って病院に行く。
- 吐出か嘔吐かの判断材料を獣医さんに伝える。
猫の病気の吐く症状は「吐出」と「嘔吐」で大きく異なる
「吐出か嘔吐か」によって原因が大きく異なります。
「吐くときの様子」や「吐いたもの」で判断できるので、よく観察しておきましょう。
獣医さんの診察にとても大切な情報源になります。
- 突然吐く
- オエッというえずく動作がない
- 食べた直後に吐く
- 消化していないものを吐く
【考えられること】
- 口から食道の間に原因がある
- 胃に入る前に口に入れたものが逆流している
- 食道内異物
- 食道狭窄
- 巨大食道症
- 腫瘍
- 食べてしばらくたってから吐く(比較的すぐに吐くことも)
- オエッという、えずく動作がある
- 一度消化されたものを吐く
【考えられること】
- 胃から腸の間に原因がある
- 異物を飲み込んだ可能性:腸閉塞
- 異物(猫にとっての毒物)を食べた可能性:中毒症、急性腎不全
- 感染症の可能性:ウィルス性感染や寄生虫感染症による胃腸炎
- 他の臓器の不調が関係:腎不全・膵炎・甲状腺機能亢進症
- ストレスが関係:ストレス性胃腸炎
そのほか、白や黄色の胃液や胆汁を吐く場合もあります。
この場合、空腹時間が長すぎる可能性が考えられます。
1日の食事量は同じにして、回数を増やすことで対処してみましょう。
特に緊急の対応が必要になるのは異物の誤飲・誤食と感染症
異物といっても大きく分けて2種類。
「食べ物でないもの」と「中毒性の食べ物」の場合があります。
またウィルスなどの感染症も嘔吐の原因として気になるところです。
ここでは特に緊急性のあるものを中心に説明していきましょう。
猫が飲み込みやすいのは「ひも状」のもの
猫の舌には乳頭というざらざらした突起があって、のどに向かって伸びています。
普段はこの突起にひっかけて食べ物や水をのどに送っています。
そのため「ひも状」のものは自然にのどの奥に入ってしまうのです。
そして食道狭窄や腸閉塞を引き起こしたり、巨大食道症(食べ物を胃に送れなくなる病気)の原因になってしまうこともあります。
この場合、先が見えていても無理に引っ張り出そうとするのは禁物。
胃や腸まで達している場合、内臓を傷つける危険があります。
慌てず、そのままの状態で病院に連れて行きましょう。
ひも状のもの(包装のひもや切れた輪ゴムなど)に限らず、コーヒーマドラー、つまようじもよく見られる例です。
つい片付けそびれるようなものばかりですね。
テーブルの上や床のごみ、ごみ箱の中などもこまめに片付けるようにしましょう。
中毒を起こす異物はとても身近なものばかり
猫が中毒を起こすものは、人間にとっては当たり前のものばかり。
しかしそのどれもが非常に危険です。
特にユリ科の植物には要注意。
嘔吐・下痢・脱水症状の後に急性腎不全に進行することがあります。
食べたり、なめたりしたことが分かった時点で、病院に連れて行かなければなりません。
- アスパラガス
- チューリップ
- スズラン
- あじさい
- アイリス
- 朝顔
- アロマオイル(フラワーエッセンス)
- チョコレート:2~4時間で発症
- ガム:特にキシリトール
- カフェイン:コーヒー・お茶・紅茶
- マカデミアナッツ:体重1㎏あたり1~2gで発症
- ぶどう・レーズン:6~12時間で発症
- 柑橘類:みかん・レモンのリモネンが有害
- ネギ類:タマネギ・長ネギ・ニラ・ニンニク:
- アボガド:種と皮に含まれるペルシンが有害
- マッシュルーム
中毒性のものであっても消化・吸収されていれば、取り除くことができません。
その場合、点滴などで体外に排出するのを助ける治療が行われます。
しかし食べてから1時間程度であれば、胃の中の洗浄が可能なこともあります。
獣医さんに「何をいつ頃どれぐらい食べたのか」をなるべく正確に伝えましょう。
同じものがあれば一緒に持っていければベストです。
猫パルボウィルス感染症は子猫にとって最も怖い病気
感染力のとても強い猫パルボウィルスが原因です。
嘔吐、下痢、食欲不振、発熱などの症状が出ることが多いので見逃さないようにしてください。
進行すると激しくなり、脱水症状を起こすことがあります。
また抵抗力が弱くなっているので、二次感染の可能性も高いので注意が必要です。
特に子猫が感染すると死に至ることが多い病気です。
瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)は飼い主がみつけるもの
瓜実条虫は、ノミが媒介して感染します。
嘔吐、下痢、腸炎を起こします。
ほかの寄生虫と混合感染すると症状が悪化していきます。
この寄生虫は白い米粒のような形をしていますが乾燥するとメロンのような形になります。
フンやベッドの中に落ちているものを飼い主さんが見つけることが治療の早道です。
いかがでしたか?
愛猫の一刻も早い回復につながれば幸いです。