猫の不妊手術とは?方法やその後の注意点まで徹底解説。

愛猫の不妊(避妊)手術のことで悩む飼い主さんは多いことでしょう。
そのメリットやデメリットを知ったうえで、最も幸せと思える選択をしたいものです。
適切な時期は?
その方法は?
今回は、術後の様子や注意点まで詳しく解説していきましょう。
猫の不妊手術とはどんなもの?
「不妊手術(避妊手術)」はメスに対して行われるものですね。
オスの場合は「去勢手術」と呼ばれます。
まずはメスの不妊手術のメリットとデメリットを知っておきましょう。
- 病気の予防:乳腺腫瘍、子宮・卵巣腫瘍、子宮蓄膿症
- 予定外の繁殖を防げる
- 発情中に交尾できないストレスがなくなる
- 発情期に大声で鳴くことがなくなる
- 脱走の危険がなくなる
- 繁殖できなくなる
- 手術時のリスク(麻酔の負担)
- 太りやすくなる
- 行動が鈍くなる
猫の場合、メスはオスの交尾の刺激で排卵するため、100%に近い確率で妊娠します。
散歩猫の場合、予定外の妊娠は避けがたい側面があります。
面倒がみられなければ、生まれてきた子猫に責任がもてませんね。
この点が最も大きな理由になるかもしれません。
一方、手術時のリスクも気になるところです。
特に全身麻酔が必要になるため、アレルギーの問題はつきもの。
しかし、ガス麻酔などより安全な麻酔方法もあり、それほど心配する必要はないでしょう。
適切な時期は、最初の発情期を迎える生後6~8ヶ月ごろと言われます。
適齢期を過ぎても手術を受けることはできますので、焦る必要はありません。
でも年齢が上がると病気のリスクも増え、手術の負担も大きくなります。
メリットとデメリットの両方を知ったうえで、最良の選択を行うのは飼い主さんのつとめです。
方法や術後の注意点は?
メスは、卵巣と子宮を摘出するので、開腹が必要になります。
おおむね6~7cm程度切開することになりますので、1時間程度はかかります。
一方、「腹腔鏡手術」といって、お腹に数ヶ所小さな穴を開けて器具を挿入する方法もあります。
この場合、開腹するより体への負担が少なく、術後の回復も早いというメリットがあります。
術後は、完全に麻酔から覚めるまでは安心できません。
その後の経過を観察する必要もあるため、入院が必要になります。
またナイロンの糸で縫合している場合は、抜糸が必要です。
しかしたんぱく質でできた糸を使えば、体内で自然に溶けるため、抜糸が必要がありません。
かかる費用については、術前の検査や手術方法、病院の設備などによって変わってきます。
獣医師と相談し、ベストな方法を選択しましょう。
不妊手術に助成制度があるの?
お住いの市区町村で、猫の不妊手術に対する助成制度(補助金)が整備されている可能性があります。
一般に飼い主のいない猫に対する対策が主です。
しかし飼い猫の場合でも、数千円程度の助成金が支給される場合があります。
制度の有無や申請方法、条件など詳しくは各市区町村の担当窓口に問い合わせてみましょう。
術後の変化や注意点とは?
術後には普段と異なる変化が見られるかもしれません。
しばらくは様子を観察しましょう。
- フラフラしている
- 眠ってばかりいる
- 嘔吐する
- 食欲が低下する
- 傷口を気にしてなめ続けている
- 傷口が腫れている
- 傷口から膿が出ている
- 発熱がある
これらは手術の麻酔の影響や傷口からの感染の可能性があります。
また傷口をなめ続けることで化膿してしまうこともありますよ。
エリザベスカラーの装着で防止することができますので、あらかじめ準備しておきましょう。
気になることがあればすぐ獣医師に相談しましょう。
そのほか、動物病院での手術前後や入院中の記憶から、不安がって怯える様子がしばらく続くこともあります。
猫が安心できるよう、そばにいてあげましょう。
またホルモンバランスが変化し、生殖に費やすエネルギーが少なくなるほか、活動量の減少、食欲の増進などの変化がみられます。
肥満しやすくなりますので、フードの種類を変更したり運動量を確保するなどの対処が必要です。
いかがでしたか?
不妊手術は、愛猫や飼い主さんにとって重要な選択ですね。
この稿がベストな選択のためにお役に立てば幸いです。