【ベルツノガエル】の飼育方法。環境と餌で寿命はもっと延ばせる!

ベルツノガエルは、まんまるな愛嬌のある体と美しい模様からとても人気の高い種類。
日本のカエルのイメージとは大きくかけ離れた姿はインパクトも十分。
自然界では、土に体を埋めた「待ち伏せ型」の捕食をしています。
このためほとんど泳げず、跳躍力も低いという「らしくない」ところも魅力かもしれませんね。
また丁寧に飼えば、寿命も10年以上。
今回は、その生育環境や餌に配慮した飼育方法についてお話ししましょう。
ベルツノガエルってどんなカエル?
原産は、南米大陸のアルゼンチン。
温暖な草原の水辺に生息しています。
目の上に角状の突起があるところから「ツノガエル」に分類されます。
土に体を半分埋めて、目の前に現れた昆虫などを捕食する「肉食性」のカエルです。
体長は8~12cm。
体色は緑~褐色で、濃緑色~褐色の斑紋が入るのが特徴。
現在では繁殖個体がほとんどで、多種との交雑が進んでいるため、純血種に出会うことは少ないでしょう。
仔ガエルの飼育方法は?
- 水槽(爬虫類用のプラケース):コックとエアチューブのついたもので通気性を確保する。
- 生きた水苔:水苔を敷いて浸る程度の水を張る。
- 床材:厚さ1cm程度のスポンジシートを敷いて浸る程度の水を張る。お腹から水分を吸収する。
- 炭(3cm角程度×2~3個):排泄物の分解や臭いの吸着をする。
- フィルム(パネルヒーター):接触面積で温度を調整する(サーモスタット付きがベスト)。
- 温度計:温度管理(昼間28℃・夜間20℃が目安)を行う。
- 注意点:排泄物で汚れるので水は小まめに取り換える。
※ショップでは、仔ガエル(5cm程度まで)も販売されていますが、馴れないうちは成体の方がおすすめです。
「床材」は、生きた水苔がベターですが、厚さ1cm程度のスポンジシートを敷いても飼育可能です。
「餌」は、コオロギを週2~3回の頻度で与えます。
そのほか、ミルワームやジャイアントワーム(頭は潰す)、メダカなどを与えてもよいでしょう。
本来エサ食いがよく、動くものによく反応するので、ピンセットを使って給餌することもできます。
環境と餌の工夫でで寿命はもっと延ばせる
仔ガエルから育てた場合は、体長5cmを超える頃には成体用の水槽に移行します。
成体を迎える場合は、あらかじめ環境を整えておくことが必要です。
ベルツノガエルの生息地や習性、食性に配慮した環境を作りましょう。
- 水槽(20~30cm):背の低いものでよい(ランチュウ水槽など)。
- 床材:ヤシガラの上に中粒の赤玉土(潜れるように深めに)を敷きつめる。
- 生きた水苔:床材の上に敷く。
- 植物(多湿に強いもの):ポトス、フィットニア、ドラセナ、アビスなど。
- 池(カエルが浸かれる大きさ):あまり泳げないので水深は浅めにする。お腹から水分を吸収する。
- 炭(3cm角程度×2~3個):排泄物の分解や臭いの吸着をする。
- フィルム(パネルヒーター):接触面積で温度を調整する(サーモスタット付きがベスト)。
- 温度計:温度管理(昼間28℃・夜間20℃をキープ)を行う。
- 注意点:水苔を誤飲した場合は取り除く。
「床材」に赤玉土と水苔、そして植物を植えることで自然の「環境」に近づけることができます。
湿地をイメージした水槽は「パルダリウム」と呼ばれます。
カエルが飼育環境に馴染むのも早く、自浄作用(バクテリアの作用)によって排泄物の分解も期待できます。
しかし本来の自然ではないため、許容できる限界はあります。
環境の悪化を防ぐため、小まめな「掃除」は必要です。
ベルツノガエルは「待ち伏せ型」の捕食をするため、あまり動きません。
カエルが動いたときに排泄物を取り除くとよいでしょう。
また最低でも月に1~2回は床材の交換を行いましょう。
「餌」は、仔ガエルと同じく、コオロギやメダカ(金魚)、ミルワーム、ジャイアントワームなどを与えます。
栄養の偏りを防ぐため(特に魚の場合)、「栄養剤((ビタミン・カルシウム)」をまぶしてから与えましょう。
成体になったら、頻度は7~10日に1回で十分です。
個体の大きさによっては、2ヶ月に1度、ピンクマウスを与えるとよいでしょう。
ツノガエルの仲間は「貪食」で、与えれば与えるだけ食べてしまいます。
胃拡張による内臓の圧迫や消化不良。
肥満や脂肪肝などの代謝障害など。
病気や肥満などの弊害の方がずっと大きいものになります。
捕食行動が可愛いから、楽しいからといって「与え過ぎ」は禁物です。
いかがでしたか?
お気に入りのベルツノガエルを長く可愛がってあげたいものですね。
本稿が、あなたのペットライフのお役に立てば幸いです。