犬の繁殖期はいつから?発情期間から交配の仕方まであらゆる心配事を解消。

愛犬の繁殖を願う飼い主さんも多いことでしょう。
でも子犬の成長は早いもの。
メスの最初のヒート(発情)から交配、そして妊娠・出産まで初めてのことで不安ばかりですね。
いざというとき慌てないように一連の流れを知っておきましょう。
犬の繁殖期はいつから?
可能な年齢は?
雄犬にも発情期はあるの?
今回は、最初の発情期間から交配の仕方まであらゆる心配事を解消しましょう。
犬の繁殖期はいつから?
愛犬の繁殖を考えているなら、メスの体がどのように変化していくのか知っておく必要がありますね。
まずは性成熟や性周期について知っておきましょう。
メスの最初のヒート(発情)は小型犬で生後7~10ヶ月、中・大型犬で8~12ヶ月ぐらいに始まるとされています。
この時期、一応は性成熟を迎え、交配・妊娠が可能になったことを示します。
でも、人間で言えば初潮を迎えたに過ぎない時期ですね。
まだ体が十分にできておらず、精神的にも未熟なため、最初のヒートでは交配は避けたほうがよいでしょう。
小型・中型犬では1歳以上、大型犬では2歳以上が目安とされています。
これには愛犬の性格も関係しますよ。
神経質であったり、あまりにも臆病な性格であった場合、無事に出産できても育児拒否することがあるんです。
またメスはだいたい8歳ぐらいで卵巣が衰え、発情の頻度も減るので妊娠は難しくなると言われています。
適切な時期を見極めてあげましょう。
発情期間についてこれだけは知っておこう
続いてメスの発情周期についてお話ししましょう。
多くは、春(3~5月)と秋(9~11月)に発情期を迎えます。
しかし個体差もあり、1年に1回の場合や2年に1回ということもあるようですね。
- 発情前期(約6~10日):陰部から出血する。頻尿になる。
- 発情期(約10~14日):出血が止まる。排卵がある(妊娠可能)。
- 発情後期(約60~90日):陰部が元に戻る。
- 発情休止期(約3ヶ月):次の発情までの期間。
発情前期は、発情出血の開始日からオスに交尾を許容する前日までを言います。
卵子が育ち始め、外陰部が膨らんで発情出血が始まります。
このときの分泌物や尿の匂いにオスが反応すると言われています。
発情期は、オスに交尾を許容する期間です。
出血が終わりかけ、ピンク色のオリモノになった頃に排卵が始まります。
外陰部の膨らみがひいたタイミング(12日目)で交尾をすると妊娠の確率がもっとも高いと言われています。
発情後期は、オスに交尾を許容しなくなった日から発情の様子がなくなるまでの期間です。
受精した場合は妊娠しますが、妊娠していないのにその兆候(乳腺の発達)がみられる「偽妊娠」がみられる場合もあります。
見た目だけでははっきりしないことが多く、超音波などでの検査が可能です。
発情休止期は、次の発情までの期間です。
卵巣で卵胞が作られ、次の発情出血に備えます。
発情出血から約10日目に排卵があり、12日目あたりがもっとも交配に適した時期と言われていますよ。
しかしそれぞれの期間には個体差があります。
なかなか妊娠できないときは、正確な発情周期を調べてもらった方がよいかもしれませんね。
獣医さんに相談してみましょう。
愛犬を守るための留意点は?
オスにはメスのようにホルモンの一時的な増加がみられる発情期はありませんね。
メスと違って性成熟を迎えればいつでも交尾が可能です。
発情期のメスの分泌物の匂いに反応して行動を起こします。
数キロ先からでも嗅ぎ分ける嗅覚を持っているので、なぜかそわそわしているといった様子もみられるかもしれませんね。
近くに発情期のメスがいると突然走り出したり、目を離したすきにメスのところに行ってしまうこともあります。
春や秋の発情時期は特に注意してあげましょう。
一方、望まない妊娠で困るのはメスの方ですね。
発情期間は、オスのいる場所に連れて行かないほうが無難ですよ。
発情中は、乳房が張ってきたり、外陰部が膨らんできたりしますが、他の人が気付くものではありませんね。
でもこの時期、ストレスがたまるのである程度の運動は必要。
外出する場合は、サニタリーバンドを装着しておくとよいでしょう。
周囲に発情中であることを知らせる効果もありますね。
交配の仕方(手順)は意外と難しい
交配には、手順があります。
基本的には、ペットショップやブリーダーから紹介を受けるのが一般的ですね。
せっかく愛犬の子を授かるチャンスです。
トラブルは避けたいものですね。
一般的な手順を守っていきましょう。
相手が決まったら、オスの飼い主との取り決めを確認します。
また健康診断などの準備も必要ですね。
- 交配料の有無(かなり金額に幅がある)
- 妊娠しなかった場合の再交配料の有無
- 子犬の貰い手の有無
- 交配への立ち合い
- 緊急事態の対処(動物病院)
- 健康診断、検便、寄生虫の除去
- ノミ、ダニの駆虫
- 長毛種の場合は肛門の周りの被毛の処理
- その他の要望
そのほか、オス、メスともに血統書がある場合です。
子犬が血統書をもらうには、オス犬の交配証明書が必要なので確認しておきましょう。
もう少し詳しくみてみますよ。
交配相手はどうやって選ぶ?
生まれてくる子犬や母体のことを考え、相手選びは慎重に行いたいものですね。
相性や性格(神経質、穏やか、攻撃的など)、見た目(体格、毛並み、歯並びなど)も考慮しましょう。
また遺伝的な疾患の確認も重要です。
相手が決まったら、排卵期に2~3回の交配を行います。
一般的には、オスとメスを引き合わせて自然の流れに任せる自然交配です。
でも最近では人工交配も増えているようですね。
避けたほうがよい組み合わせはある?
生まれつきの遺伝的な疾患がある場合は避けるべきですね。
子犬にも遺伝する可能性があります。
またダックスフントのダップルカラー同士、シェットランドやコリーのマールカラー同士の交配はよくないと言われています。
子犬に障害があったり短命であったりすることが指摘されていますね。
普通はありませんが、大型犬と小型犬の組み合わせもよくありません。
特にメスが小型の場合は交配時の事故や妊娠・出産の負担が大きくなります。
いかがでしたか?
本稿があなたの愛犬のスムーズな繁殖のお役に立てたら幸いです。
犬の妊娠・出産については紙面の都合上、別の稿に譲りますね。