犬の去勢手術の適切な時期とは?術後のケアや注意点までくわしく解説。

犬の去勢手術の適切な時期とは?術後のケアや注意点までくわしく解説。

愛犬(オス)の去勢手術を迷っている飼い主さんは多いことでしょう。

一生を左右することだけに慎重に考えなければなりませんね。

一番の目的は、望まない繁殖によって不幸な子犬が生まれないようにすることかもしれません。

メリットとデメリットを考え、愛犬と飼い主さんにとってベストな選択をしたいものです。

行うのであれば適切な時期はいつなのでしょうか?

またどんな方法で行われるのでしょうか?

術後のケアや注意点は?

それではくわしくお話していきましょう。


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犬の去勢手術の適切な時期とは?

犬の去勢手術の適切な時期とは

オスの場合は去勢、メスの場合は避妊(不妊)手術と言いますね。

去勢手術のメリットをまとめてみましょう。

【去勢手術のメリット】

  • 望まない繁殖を避けられる。
  • オス特有(性ホルモンが関与する)の病気を予防できる。
  • 性衝動によるストレスがなくなる。
  • 性衝動に伴う問題行動が抑制される。(※確実ではありません)
  • 性格が穏やかになってしつけやすくなる。

残念ながら、先天的な病気のある犬は繁殖には向きません。

この場合、性衝動によるストレスがなくなることは健康上の大きなメリットと言えるでしょう。

【予防できる病気】

  • 前立腺肥大:前立腺が大きくなることで尿道や直腸を圧迫し排泄が困難になる病気。
  • 前立腺嚢胞:前立腺肥大によって前立腺液を尿道に排出する管がつぶれる病気。
  • 会陰ヘルニア:肛門の周り(会陰)の筋肉のすき間から直腸などが飛び出してしまう病気。
  • 精巣腫瘍:精巣(睾丸)にできる腫瘍。腫瘍細胞が女性ホルモンを分泌するため乳腺が大きくなることも。
  • 精巣炎:精巣(睾丸)に起こる炎症。
  • 肛門周囲腺腫:肛門の周りの分泌腺が炎症を起こす病気。

特に「停留精巣」の犬は要注意。

精巣(睾丸)が陰嚢に降りてこずに腹腔内にとどまってしまう病気です。

片方だけの場合、生殖能力はありますが、両方の場合は難しくなります。

過去に片側だけを切除して、もう片方が体内に残っている場合、「精巣腫瘍」の発症率が高くなります。

腹腔内の停留で9倍、そけい部の停留で4倍ほどに増大すると言われています。

このような場合の健康面のメリットは大きいと言えるでしょう。

成熟期を迎えてしまうと手術による効果は低下します。

メリットを優先するのであれば、性成熟を迎える前の、生後5~8ヶ月まで(性成熟の時期は犬種によって若干異なる)に行うのがよいとされています。

成犬になってからでも可能ですが、病気のリスクや問題行動抑制の程度は変わってくるとされています。

問題行動は本当になくなる?

問題行動は本当になくなる

問題行動にもさまざまなものがみられ、個体によってもあらわれ方は異なりますね。

一般的なものを見てみましょう。

【問題行動リスト】

  • マーキング・足上げオシッコ:テリトリーを示す行動。足を上げることで高い位置にオシッコをかけられる。
  • マウンティング:交配の姿勢であるが、自分の優位を示すために行うこともある。単に運動不足のことも。
  • メスの発情に反応しての脱走:メスのニオイに反応して衝動が抑えられなくなるため。

これらはあくまでも犬としての本能的な行動であって一概に問題行動と呼ぶのはかわいそうな気もしますね。

でもかなり個体差があるため、周りに迷惑をかけてしまうケースも考えられます。

これらの行動が原因で飼いづらくなるのは考えもの。

飼い主さんの考え方でも分かれるところですね。

しかし、これらの問題行動を減らすことだけを目的に去勢手術を考えているなら、もう少し考えたほうがいいかもしれませんよ。

去勢手術だけで、これら行動がすべてなくなるとは限りません。

思ったほどの効果が感じられないことも多いんです。

マウンティングや脱走については80%ほどが減少するという報告がありますが、マーキングについて60%ほどの減少率とも言われています。

また性成熟を迎えた後の手術であったり、手術前にすでに行っていた行動の場合はあまり変化がみられないこともありますね。

一方、こんなデメリット(術後の注意点)もあります。


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去勢手術のデメリット(術後の注意点)とは?

去勢手術のデメリット

手術はやはり人工的なものであり、メリットばかりではありませんね。

生殖器は、ホルモンの分泌器官でもあります。

だからオスとしての身体や精神の成長にも関わっていますね。

性成熟前に去勢することで十分な成長に至らないというデメリットがあります。

また逆にホルモンバランスの関係からかかりやすくなる病気も指摘されていますので十分な認識が必要です。

【去勢でかかりやすくなる病気】

  • ホルモン異常性肥満症:ホルモンバランスが崩れ、新陳代謝が悪くなるなどが原因。
  • ホルモン反応性尿失禁:排尿筋をコントロールする性ホルモンが減少することが原因。
  • 認知症:成長期に性ホルモンが分泌されないため更年期を早く迎えることが原因。
  • 前立腺がん・骨肉腫・甲状腺機能低下症:発症のリスクが増大する。

術後のケアで必要なことは?

術後のケアで必要なことは

続いて実際の手術についてお話ししましょう。

オスの場合は「精巣の摘出」が行われます。

所要時間も20~30分である場合が多く、日帰りで可能です。

自然に吸収されるたんぱく質でできた糸を使うと抜糸の必要もありません。

しかし「停留精巣」という先天的な病気があると開腹術が必要になるので注意が必要です。

では術後のケアについてまとめましょう。

【術後のケア】

  • 傷口をなめないようエリザベスカラーをつける。
  • 麻酔の影響で、嘔吐やふらつき、ずっと眠っているなどの症状があったら病院へ。
  • 傷口から感染し、赤く腫れたり化膿したりしていたら病院へ。
  • 抜糸後も傷口が落ち着くまで(1週間程度)は入浴はしない。
  • 術後2週間ほどは激しい運動を避ける。
  • 術後は大きな不安を感じているため、そばにいてあげる。

いかがでしたか?

去勢手術は、愛犬にとって、そして飼い主さんにとって一大事。

飼う前に飼育環境など考慮し、方針を決めておくのがよいかもしれません。

この稿がベストな選択の一助になれば幸いです。


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