犬が喜ぶことは種類で違う?トイプードルやチワワなど犬種のルーツに合った遊び方とは。

愛犬が喜ぶことをしてあげたい。
でもどんな遊び方がいいの?
犬には人と暮らしてきた長い歴史があり、種類ごとに役割を持っていたんです。
だから犬種のルーツを知り、本来の姿を呼び戻してあげることで満足度が高まります。
今回は、トイプードルやチワワ、ダックスフンドなど犬種のルーツに合った遊び方についてお話していきましょう。
犬が喜ぶことは種類で違う?
犬は「遊び上手」な飼い主さんが大好きです。
愛犬の満足のいく遊び方ができれば、信頼感も増すことでしょう。
でもどのような遊び方をすればよいのでしょうか?
一番は、「その犬種のルーツに合った遊び方をすること」と言えるでしょう。
犬は人との関係において、さまざまな仕事を持って生活してきました。
仕事は犬種の特徴によって選ばれ、長い時間をかけてその長所が伸ばされてきたものなんです。
だから犬はその仕事をしているときがもっとも楽しく、リーダーともうまくやっていくことができます。
犬種のルーツをたどり、愛犬の遺伝子に刻まれた本来の姿を引き出してあげましょう。
それでは犬種のルーツをたどってみますよ。
- 狩猟犬:ミニチュア・ダックスフンド、ビーグル、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ピンシャー、ボストン・テリア、アメリカン・コッカー・スパニエルなど
- 水猟犬:トイ・プードル、レトリーバー種、イングリッシュ・ポインター、イングリッシュ・セターなど
- 牧畜犬:シェットランド・シープドッグ、ウェルシュ・コーギー、ジャーマン・シェパードなど
- 番犬:柴犬、秋田犬、日本スピッツ、ドーベルマン、グレート・デーンなど
- 運搬犬:シベリアン・ハスキー、セント・バーナード、グレート・ピレニーズ、バーニーズ・マウンテンドッグなど
- ドッグレーサー:ウィペット、サルーキ、ボルゾイ、イタリアン・グレイハウンド、ダルメシアンなど
- 愛玩犬:チワワ、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、パピヨン、シー・ズー、ポメラニアン、パグ、ペキニーズ、狆(ちん)など
- 格闘犬:フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグ、ボクサー、ミニチュア・ブルテリアなど
トイプードルやチワワなど犬種ルーツに合った遊び方とは
それでは職業別に特徴とピッタリな遊び方を紹介しましょう。
見かけとは裏腹な意外な一面に気付くかもしれませんよ。
狩猟犬
- 仕事:小動物の匂いをたよりに巣穴まで追跡したり、吠えて猟師に教えたり、獲物を回収するなどの仕事。
- 特徴:吠えやすい。飼い主に忠実。勇敢で気が強い。
- 喜ぶこと:動くものを追いかけて捕まえること。
- 遊び方その1:「モッテコイ遊び(モノの名称を覚えて取りに行かせる)」。噛むと音が出るおもちゃを使うと狩りをした気分に。
- 遊び方その2:「宝さがし(タオルの中にフードを入れて探させる)」。獲物を見つけた満足感が得られる。
- 遊び方その3:「ボール遊び(噛めない程度の大きさのボール)」。捕まえられないので逃げているように感じられる。
- アドバイス:一度くわえたモノ(獲物)を離すのがイヤなので、誤食させないように「出して」を教えるとよい。
水猟犬
- 仕事:漁師の獲った魚や水鳥を海や池を泳いで回収する仕事。
- 特徴:魚や水鳥が相手であるためあまり吠えない。飼い主に忠実。勇敢で気が強い。
- 喜ぶこと:モノ(獲物)を飼い主に届けることを喜ぶ。
- 遊び方その1:水遊びが大好き。犬用プールや自宅ではおもちゃのプールで遊ばせる。
- 遊び方その2:「ホースの水で追いかけっこ」。犬に直接水をかけないこと(特に顔)。
- 遊び方その3:「モッテコイ遊び(モノの名称を覚えて取りに行かせる)」。鳥や魚などさまざまな形のものを取り入れる。
- 遊び方その4:狩猟犬の遊び方と同じでも楽しめる。持ってきた獲物と引き換えにオヤツを与えるのもgood。
- アドバイス:散歩中は人に向かって突進していくことがある。「マテ」「オスワリ」で落ち着かせるしつけが必要。
牧畜犬
- 仕事:牧場で牛や羊の群れをまとめたり、牛(羊)舎に誘導したりする仕事。
- 特徴:知的で活発。吠えやすい。忠誠心が強い。気が強い性格。
- 喜ぶこと:指示されることを喜ぶ。頭と体を使う同時に使う遊びを好む。
- 遊び方その1:散歩の途中に「マッテ」「ツイテ」「オイデ」などの指示を入れると仕事をした満足感がある。
- 遊び方その2:オヤツを与える前に「タッチ(飼い主の手に鼻でタッチさせる)」などのルールを決める。
- 遊び方その3:「8の字くぐり(股くぐり)」はすぐに理解する。
- アドバイス:走るものを追う習性がある。牛や羊をときには噛んで誘導していたため噛み癖がつきやすい。
番犬(狩猟犬)
- 仕事:番犬として、侵入者を飼い主に知らせたり追い払ったりする仕事。
- 特徴:飼い主にはとても忠実だが、警戒心も強く部外者にはなつきにくい。吠えやすい。気が強い性格。
- 喜ぶこと:飼い主の役に立つことを喜ぶが、家を守る使命感が強く留守番が長いと疲れる。
- 遊び方:狩猟犬の遊び方と同じでも楽しめる。留守番中は他に集中できるおもちゃでリラックスさせる。
- アドバイス:来客に対する警戒心が強いので、お客からオヤツを与えてもらうなどして馴れさせるとよい。
日本の番犬といえばやっぱり柴犬が思い浮かびますよね。
日本犬として正式に認定されているものは6種類。
どの犬種も本来の賢さと飼い主に対する忠実さ、そしてどんな厳しい環境にも耐え抜く忍耐力から優秀な狩猟犬としても使われてきました。
今や柴犬や秋田犬は海外でも大人気なんです。
日本犬の世界を少しのぞいてみませんか?
認定の6種以外にも、狆は江戸時代から飼われてきた歴史を持ち、日本スピッツも大正末期以降に改良種として定着していますね。
ここでちょっと一休み。
愛犬が遊びで満足しているときはどんな様子を見せるのでしょうか?
これが遊びのマッチングのバロメーターになりますね。
愛犬が満足しているのはどんな様子のとき?
遊びの様子で満足度が分かりますよ。
以下に特徴をまとめておきましょう。
- 目:きらきらと光って活気が感じられる。
- 口:口角が上がり、舌が出る(呼吸が荒くなることも)。
- 首:まっすぐ持ち上がる。
- しっぽ:高く上げ振り回す。
- 走り方:敏捷に飛び跳ねる。
- 伏せのしかた:おもちゃに集中しているときは後ろ足を伸ばしている。
そのほか、お尻を高く上げるときは「もっともっと」という具合に少々挑発的になっていますよ。
またおもちゃを激しく振り回すときは、闘争気分が高揚していますね。
エスカレートし過ぎた場合は、水を飲ませるなどして少し落ち着かせましょう。
また遊びの始まりと終わりを決めるのはあくまでも飼い主さんです。
疲れ切ったり遊びに飽きてしまう前に終了しましょう。
遊びでも犬に主導権を取らせないことが飼い主に対する信頼感につながります。
それでは続けましょう。
運搬犬
- 仕事:荷台やソリを引く仕事。
- 特徴:とても力強く忍耐力がある。飼い主に従順。縄張り意識が薄いのであまり吠えない。
- 喜ぶこと:長距離を歩くことで満足する。
- 遊び方:散歩は景色を楽しませたり、スピードに緩急をつけるなどの変化をつける。散歩のパートナーを変えるのもgood。
- アドバイス:散歩中もリードにかかる力はかなり強いので、リードの犬に近い方を脇をしめてしっかり持つ。
ドッグレーサー(狩猟犬)
- 仕事:ドッグレースで活躍。俊足と集中力を活かして猟犬としても活躍。
- 特徴:飼い主への忠誠心は強いが、独立心も旺盛で他人になつきにくい。縄張り意識は薄いのであまり吠えない。
- 喜ぶこと:広い場所で思い切り走るのを喜ぶ。
- 遊び方その1:ドッグランなどが近所にあることが必須。時速60km程度は持続できるので余程の余裕がある場所が必要。
- 遊び方その2:公園では、猟犬の性質を活かして「モッテコイ遊び」。遠くまで行かないようにロングリードを用いる。
- 遊び方その3:屋内では、集中力を活かして「オヤツキャッチ(小さな粒を投げ上げてキャッチさせる)」。
- アドバイス:動くものを追う習性があるので、散歩中は犬や猫などに注意。確実に「マッテ」をしつける必要がある。
ウィペットやサルーキ、ボルゾイはその俊敏さから狩猟犬としても使われていました。
またアスリートだけあってスタイル抜群でとても美しい犬たちですよ。
その特徴をもう少し眺めてみませんか?
愛玩犬
- 仕事:「抱き犬」として人間を温めたり、貴族に可愛がられるのが仕事。
- 特徴:人に甘えるのが上手で、抱っこなどを嫌がらない。一方、プライドが高いため少々気が強くわがままになりやすい。
- 喜ぶこと:スキンシップを喜ぶ。家族の中にいることで満足感を得られやすい。
- 遊び方その1:家族のスキンシップで満足。「抱っこ」は常に要求するようになるので「オスワリ」「フセ」などしつけの後に応える。
- 遊び方その2:チワワは最近では警察犬デビューするほどの頭脳の持ち主。「宝さがし」などで頭を使う遊びに集中できる。
- アドバイス:屋外で飼われた経験が少ないため外の事物を恐れ、散歩嫌いになることがある。徐々に慣らせる必要がある。
格闘犬
- 仕事:牛や犬同士で闘う職業ファイター。
- 特徴:咬みついて離れないよう重心は低くガニ股。咬みついたままで呼吸できるように短頭。独立心が強く甘えるのが苦手。
- 喜ぶこと:パワフルなのでアクティブに動くことを喜ぶ。力を使うことを好む。
- 遊び方:「引っ張りっこ遊び」が好きだが、順位の逆転が起こらないように「ヤメ」「離して」のしつけができてからがよい。
- アドバイス:引っ張り癖が強いので「オイデ」「マッテ」を教える。咬んだら離さないので「出して」を教える。
愛犬を喜ばせる裏技はある?
犬は元気に駆け回ることが好き。
これは犬種に限らずどの犬にも共通していると言えますね。
でも時間がなかったり、適切な場所がなかったりすることもあるかもしれません。
こんなときは小型犬なら自転車のかごに、中型・大型犬なら車に乗せてみましょう。
自転車なら落ちないようにリードを短く持って、車なら後部座席に乗せて窓を開けます(体を乗り出さない程度)。
そしてスピードや風を感じると犬は「自分が颯爽と駆け回っている」と感じるようです。
犬は、自分が本当に走っている気になるので、満足感が得られます。
走った後は実際の散歩と同様に疲れますので水分補給をしてしっかり休ませましょう。
いかがでしたか?
遊び上手な飼い主さんになって愛犬との絆をもっと深めていきましょう。