犬のダイエット方法は食事と運動どっちが大事?失敗しないコツと注意点を詳しく解説。

愛犬が最近太ってきた?
毎日その姿を見ていると案外気づかないものかもしれません。
原因は食事の量?
運動不足?
犬のダイエット方法は食事と運動のどちらが大切なんでしょうか?
今回は、失敗しないコツと注意点について詳しくお話していきましょう。
犬のダイエット方法は食事と運動どっちが大事?
犬が肥満になってしまうのは、食事の問題が大きいようです。
太ってしまってからのダイエットは、愛犬にストレスを与えてしまいますね。
日頃からの体重管理が何よりも重要。
さまざまな病気の予防にもなります。
でも太ったから、運動不足だからといって、急に長い散歩や無理な運動をさせるのは禁物。
四肢の関節や心臓、呼吸器に余計な負担がかかることもあります。
もともとこれらの疾患にかかりやすい犬種では、なおさら病気の発症や増悪を助長することにもなりかねません。
通常でも運動嫌いになり、散歩に行きたがらなくなる犬もいるので注意が必要ですよ。
- 膝蓋骨脱臼:トイ・プードル、チワワ、コッカー・スパニエル、パピヨン、柴犬など
- 関節炎:ミニチュア・ダックスフント、チワワ、コーギー、グレート・デン、レトリバー種など
- 椎間板ヘルニア:ミニチュア・ダックスフント、コーギー、シー・ズー、フレンチ・ブルドッグなど
- 僧帽弁閉鎖不全症:シー・ズー、チワワ、トイ・プードル、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアなど
- 気管虚脱(高温多湿期):ポメラニアン、シー・ズー、チワワ、トイ・プードル、パグなど
愛犬の体型チェックから始めよう
まずは愛犬の簡単な体型チェックをしてみましょう。
- わき腹:前足の付け根からわき腹まで触って肋骨の感触がなければ肥満傾向
- 背中:背中からお尻まで触って背骨の感触がなければ肥満傾向
- お腹:お腹を触って脂肪がタポタポしているのを感じたら肥満傾向
- 上から見たとき:肩からお尻までの間にくびれがなく寸胴であれば肥満傾向
一方、もともと細い体型やずんぐりした体型の犬種ではわかりづらいこともありますね。
もう一つ、体重で判断する方法があります。
しかし一般に表示されている標準体重はあくまで目安として考えましょう。
同じ犬種でも体の大きさに個体差があり、かなりの誤差を生じてしまいます。
おおむね成犬となった時期の体重を目安にするとよいでしょう。
小型・中型犬なら1歳から1歳6ヶ月、大型犬なら1歳6ヶ月から2歳ぐらいの時期にあたりますね。
健康診断時などに測定したデータを確認してみましょう。
できれば、獣医師に相談し、年齢や体格、体脂肪量などを考慮した上で「適正体重」を算出してもらうと安心です。
運動よりもカロリーダウン
もし肥満傾向がみられたら、カロリーの摂取量を考えてみましょう。
成犬の適正体重ごとの必要カロリー/日を参考にします。
- 1kg:100kcal
- 2kg:190kcal
- 3kg:270kal
- 4kg:340kcal
- 5kg:420kcal
- 6kg:490kcal
- 7kg:560kcal
- 8kg:630kcal
- 9kg:700kcal
- 10kg:760kcal
- 15kg:1100kcal
- 20kg:1400kcal
- 25kg:1700kcal
- 30kg:2000kcal
- 35kg:2300kcal
愛犬の適正体重が決まったら、1日の必要カロリー量に徐々に近づけていけるよう、摂取カロリーを減らしていきます。
でも急激に減らすと大きなストレスになるほか、飢餓状態となり、かえって太りやすくなってしまいまよ。
また必要な栄養素が不足すると、体力や免疫力の低下、筋肉や骨量の低下を招き、病気やケガの原因にもなってしまいますね。
肥満の程度にもよりますが、最低でも6ヶ月から1年ほどの長めのスパンで考えた方がよいでしょう。
最初は、1日の摂取カロリーを5%程度減らしてみて、1ヶ月ごとに効果をみてみましょう。
上の表はあくまで参考値です。
避妊・去勢している犬やシニア犬では10%差し引いて考えるとよいでしょう。
一方、「愛犬の肥満は病気やケガもと」と気にするあまり、摂取カロリーが少なすぎるケースもあります。
腰がえぐれるようにくびれていたり、触ると背骨や肋骨がゴツゴツしているようだとやせ過ぎの危険がありますよ。
やせすぎは、体力や免疫力が低下を示します。
また筋肉量が少なく、かえってケガや骨関節の病気になりやすい傾向がありますね。
やせすぎにも十分気を付けましょう。
失敗しないコツと注意点を詳しく解説
次にダイエットを実行していく上でのコツや注意点についてお話ししましょう。
カロリー計算を行い、徐々に摂取カロリーを減らしていきますが、愛犬に満足感を与えながら進めるのがコツです。
ストレスを与えないことが大切ですね。
- 量をかさ増しして満足感を与える:フードを減らし、おから、ゆでキャベツ(少量)、ささみ肉を混ぜる。
- 量を同じにして低カロリーのフードを混ぜ、1週間程度かけて切り替える。
- 食事の回数を増やして与える:空腹感を感じさせずに満足感を与える。
- おやつを与える場合は、1日の総カロリー量に算入する(10%以内):1回分を2回に分けて与える工夫も。
愛犬の様子を見ながら、1日に与えるカロリー量を調整していきましょう。
また思わぬところに落とし穴があるもの。
あてはまる場合は気を付けなければなりませんよ。
- 家族がいる場合は、ダイエット中であることを確認し、各自が勝手にエサ(おやつ)をあげないようにする。
- 多頭飼いの場合は、ほかの犬と食事場所を離す(横取りを防ぐ)。残ったフードはすぐに片づける。
- 飼い主の食事を欲しがる場合は、無視せず、代りに犬用フード(おやつ)を与える(総カロリーに算入)。
運動はさせなくていいの?
犬は太っているだけでも体にかなりの負担がかかっています。
あせって運動量を増やすのはとても危険です。
カロリー制限中は、これまで通りの散歩(運動量)をキープするか少し減らすぐらいが無難です。
愛犬の様子をみながら気長に増やしていきましょう。
以下に、散歩(運動)の方法を示しています。
参考にしてみてくださいね。
- 犬が慣れている道を20分程度かけて散歩する:慣れない道だとペースを守るのが難しくなる。
- 同じ道をペースアップして歩く:20分のところを15分程度までアップする(あせらないこと)。
- 1日2回に増やす。
- コースを変更し、目標地点をゆっくり休める公園などに設定する:往復30分程度の距離(休み時間を除く)。
- 同じ道をペースアップして歩く
- 1日2回に増やす。
- 目標地点を別に設定するか、回り道をして距離を伸ばす:往復1時間程度の距離まで(休み時間は除く)。
歩くペースや頻度については、様子を見ながら調節しましょう。
往路は速め、復路はゆっくり、1回目は速め、2回目はゆっくりなど、負担をかけないように工夫してかまいません。
また犬の気分や体調、運動中の屋外の環境にも左右されることでしょう。
状況に合わせ、あせらず気長に行いましょう。
- 運動量(距離や時間)をあせって増やさないこと。
- 散歩を嫌がる場合は、無理に行わないこと。
- 散歩をしぶる場合は、抱っこして連れ出したり、公園まで行っておもちゃで遊ばせるだけでもよい。
- 長時間の散歩ができないときは、何かのついで(コンビニまでなど)に連れ出し少し遠回りして帰る。
- 散歩が嫌いな場合は、散歩の途中にエサ(おやつ)を与える(総カロリーに算入)などの楽しみをつくる。
- 1日2回散歩させる場合は、散歩相手を変える(飼い主の負担軽減と犬の気分転換や刺激)。
- 坂道やすべる道、アスファルト(コンクリート)の固い道はなるべく避ける(関節への負担が大きい)。
- 土や草の上がベスト。近所にない場合は、公園や運動場まで連れて行ってから歩かせる。
- 散歩に行く時間は、飼い主さん主導で決める(一定の時間だと行けないときのストレスが大きいため)。
- 暑い日や寒い日、雨の日は時間帯を変更するか、距離・時間を短めにする。
- 気温や天候で無理のある日は屋内での運動に切り替える。
- 散歩中の異食(食べてはいけないもの)や拾い食いに注意する。
いかがでしたか?
愛犬の肥満は知らず知らずのうちに進行してしまいます。
毎日の食事、そして運動の管理は飼い主の務めです。
愛犬の美容、そしてこれからの健康を守ってあげたいものですね。