犬の血尿の原因とは?泌尿器の病気は膀胱炎だけではない!

犬の血尿の原因とは?泌尿器の病気は膀胱炎だけではない!

愛犬のおしっこが赤い。

もしかして血尿?

おしっこの色の異常も赤色(鮮血)から赤茶色(コーヒー色)、オレンジ色などさまざま。

原因も1つではないんです。

膀胱炎など泌尿器の病気は有名ですが、そのほかにもフィラリア症、バベシア症などの病気も考えられます。

犬の血尿の原因とは?

治療法はどういうもの?

それでは詳しくお話ししていきましょう。


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犬の血尿の原因とは?

犬の血尿の原因

犬のおしっこの色が異常になるのは3つの場合があります。

赤血球(鮮血)が混じる場合、ヘモグロビンが混ざって赤茶色になる場合、またビリルビンが混ざってオレンジ色になることもあります。

おしっこの色の違いと考えられる病気をまとめてみましょう。

【赤色のおしっこが出る病気】

  • 膀胱炎
  • 尿路結石症
  • 腫瘍
  • 前立腺炎
  • 前立腺肥大

【赤茶色のおしっこが出る病気】

  • 溶血性貧血
  • ネギ中毒
  • バベシア症
  • フィラリア症

【オレンジ色のおしっこが出る病気】

  • 急性肝炎

また血尿以外でもおしっこの色やニオイが異常を示す場合があります。

またおしっこをする様子が異常を示すこともありますよ。

おしっこに関するかんたんなチェックをしてみましょう。

【おしっこのチェック】

  • おしっこが赤色、赤茶色、コーヒー色、オレンジ色:泌尿器の病気や感染症、中毒症など
  • おしっこが無色透明:急性・慢性腎不全
  • おしっこがにごっている(うみが出ている):膀胱炎、前立腺炎
  • おしっこが緑色:緑膿菌による膀胱炎、前立腺炎
  • おしっこがきらきらしている:尿路結石症(尿石症)
  • おしっこから甘い匂いがする:糖尿病
  • おしっこのアンモニア臭が強い(ツンとしたにおい):膀胱炎
  • おしっこが出にくい(排尿痛がある):膀胱炎、尿路結石症(尿石症)、前立腺炎(前立腺肥大)
  • おしっこの量が多い(水もよく飲む):糖尿病、急性・慢性腎不全

今回の内容とはすこし外れますが「糖尿病」もおしっこに特徴があらわれる病気です。

慢性病として気付きにくい側面があるので注意が必要です。

その他、元気がない、おう吐や下痢、発熱などさまざまな症状と合併することがあります。

これらの症状を見逃さないことも早期発見には重要です。

併せて観察してみるようにしましょう。


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泌尿器の病気は膀胱炎だけではない

泌尿器の病気は膀胱炎だけではない

「赤っぽいおしっこ」だからといって血液とは限らないようですね。

それぞれ原因もまったく異なるんです。

普段からおしっこの色に気を付け、早めに対処できるように心がけたいものです。

ではもう少し詳しく見ていきますよ。

赤い色のおしっこが出る病気

赤い色のおしっこの場合、赤血球の混ざった鮮血である可能性があります。

膀胱炎は、泌尿器の病気の中で最も多い病気です。

メスの方が尿道が短いためにかかることが多いといわれますが、オスも決して少なくはないんです。

【膀胱炎】

  • 病態:膀胱に細菌が感染して炎症が起きる。尿路をさかのぼって腎盂腎炎を起こすこともある。
  • 症状:頻尿(量は少ない)や排尿痛。血尿(にごったり濃くなったりすることも)が出る。
  • 原因:大腸菌、ブドウ球菌が尿道口から感染する。
  • 治療:抗生物質(抗菌座)の長期の投与が必要。再発が多いため抵抗力を落とさないようにする。

同じ膀胱炎でも、水中や土中に存在する「緑膿菌」の感染が原因の場合、緑色のおしっこが出ることがありますので注意が必要です。

尿路結石症(尿石症)は、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)のどこかに結石ができるもの。

膀胱炎とは逆で尿道の長いオスの方がかかることが多いんです。

【尿路結石症】

  • 病態:尿の成分が結石化し、尿路を傷つけたりふさいだりする。結石の場所によって尿管結石、膀胱結石などと呼ばれる
  • 症状:頻尿(量は少ない)や排尿痛。結石が尿路に詰まると出なくなる。血尿が出る。
  • 原因:成分によってストルバイト結石(もっとも多い)、シュウ酸カルシウム、シスチン結石などがある。
  • 治療:抗生物質の投与(細菌感染)。手術によって除去する。ストルバイト結石は薬で溶けることもある。

尿路結石症で、完全に尿路がふさがっている場合はできるだけ早く結石を取り除かなければなりません。

また突然、尿毒症を起こすことがあるので注意が必要です。

【前立腺炎】

  • 病態:前立腺が細菌感染して炎症が起きる。肥大化する。
  • 症状:尿が出にくい。食欲不振。血尿(にごることも)が出る。痛みがひどい場合は歩けなくなることも。
  • 原因:尿道から大腸菌やブドウ球菌が侵入する。
  • 治療:抗生物質(抗菌座)の投与。再発が多い場合は去勢手術を行うこともある。

前立腺炎は、去勢していない成犬、老犬に多くみられます。

同じく前立腺が大きくなる病気に「前立腺肥大」があります。

症状としてあらわれないこともありますが、オスの老犬の半分程度にはその傾向がみられると言われます。

しかしひどくなると周りの腸や膀胱、尿道を圧迫するため、便秘や便が細くなる、排尿困難、血尿などの症状が出ることもあります。

去勢手術で防げる可能性がありますので、メリットとデメリットを考慮した上で検討するのも一つの方法です。

赤茶色(コーヒー色)のおしっこが出る病気

赤茶色のおしっこの場合、自己免疫や中毒などによる溶血(赤血球が壊される)のため、ヘモグロビンが混ざっている(血色素尿)可能性があります。

【溶血性貧血】

  • 病態:血液中の赤血球(ヘモグロビンが含まれる)が不足する。
  • 症状:疲れやすくなる。食欲不振。赤茶色の尿が出る。
  • 原因:自己免疫性の貧血では自らの赤血球を壊してしまう。ねぎ中毒や殺虫剤などでも起こる。
  • 治療:輸液・輸血を行う。

特に身近なのは「ねぎ中毒」です。

玉ねぎや長ねぎに含まれるアリルプロピルジスルファイドという成分が赤血球を破壊してしまうことから貧血を招いてしまうのです。

直接与えることはもちろん、ねぎ類の入ったみそ汁や煮物の汁なども決して与えてはいけません。

ときには死に至ることさえある犬にとってはとても怖い成分なんです。

【バベシア症】

  • 病態:赤血球が破壊されるため重い貧血を起こす。
  • 症状:発熱、チアノーゼ、黄疸など。赤茶色の尿が出る。
  • 原因:マダニが媒介するバベシアという寄生虫(原虫)が赤血球に感染する。
  • 治療:抗原虫剤の投与。貧血の治療。
【フィラリア症】

  • 病態:フィラリア(犬糸条虫)が心臓や肺動脈に寄生して血流や心臓の弁の動きを障害する。
  • 症状:軽い咳に始まり、ひどくなると呼吸困難に陥る。腹水がたまる。コーヒー色の尿が出る。心不全を起こすことも。
  • 原因:感染している犬の血を吸った蚊がフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)を媒介する。
  • 治療:対症療法しかないため予防(予防薬)が必要。幼虫のうちなら予防薬で駆除できる。

バベシア症やフィラリア症はほかの生き物から感染する病気です。

重症化することが多いので感染経路を理解し、予防対策をとることが重要です。

オレンジ色のおしっこが出る病気

体の中で最も大きな臓器である肝臓は、胆汁(消化液)の分泌や解毒、たんぱく質の合成、ホルモンの代謝などさまざまな重要な役割を持っています。

肝臓の病気の多くは肝臓以外の原因によることが多いのが特徴です。

銅、ヒ素、水銀、クロロホルムなどの中毒、鎮痛剤、麻酔薬、利尿剤などのほか、ウィルスや真菌、寄生虫の感染など、さまざまな原因が知られています。

【急性肝炎】

  • 病態:毒物や薬剤、ウィルスなどによって肝臓が障害を受ける。
  • 症状:おう吐や下痢、食欲不振、黄疸、けいれんなど。胆汁色素(ビリルビン)によりオレンジ色の尿が出る。
  • 治療:輸液や解毒剤の投与。十分な休息と療法食(良質なたんぱく質)を与える。

おしっこの色とそのほかの症状である程度の目安になるかもしれません。

しかし似た色のおしっこでも原因が異なり、素人が見分けるのは決して容易ではありませんね。

緊急を要するものもありますので、早めに気づいて診察を受けるのがなによりです。

獣医師の判断の助けになりますので、病院に連れて行くときは、おしっこも一緒に持っていきましょう。

また症状を詳しく伝えられるように愛犬の様子を記録にとっておくのがベストです。


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