犬の感染症の種類と症状とは?感染経路や予防法をきちんと整理しよう。

犬の感染症の種類と症状とは?感染経路や予防法をきちんと整理しよう。

感染症とは、細菌やウィルス、寄生虫が体にうつることで発症する病気です。

感染経路は、犬同士の接触以外にもネズミや蚊、マダニなどの他の生き物が媒介することもあります。

中には人間にうつって重症化するものもあるんです。

でも病気の種類や症状を知り、感染経路を理解していれば予防できることがほとんどです。

今回は、これらの情報をきちんと整理してみましょう。


Sponsored Links

犬の感染症の種類と症状は?

犬の感染症の種類と症状は

感染症には、「ほかの犬から感染する病気」「犬以外の生き物から感染する病気」があります。

衛生状態が向上し、予防接種が普及した現在ではかなり珍しくなったものもあります。

しかし、犬の住む地域や生活習慣などによっては、まだまだ可能性のある病気です。

【ほかの犬から感染する病気】

  • 皮膚糸状菌症:お腹など皮膚のやわらかいところに円形の発疹ができる。脱毛やかさぶたがみられる。
  • 犬疥癬:耳や顔の周りに起きやすい。赤い発疹ができ激しいかゆみを伴う。掻き壊すことで脱毛する。
  • ブルセラ病:オスでは精巣炎(睾丸が腫れたり萎縮したりする)、メスでは不妊や流産の原因になる。
  • 狂犬病:中枢神経が侵され狂ったように吠えたりよだれを流して徘徊する。筋肉がマヒして死に至る。
  • パルボウィルス感染症:激しい下痢(血便)や嘔吐を繰り返して衰弱する。心不全を起こすタイプも。
  • カンピロバクター症:発熱、下痢(血便)、腸炎などの食中毒様の症状がみられる。
  • サルモネラ症:下痢や胃腸炎がみられる。
  • ジステンバー症:発熱、咳やドロッとした目やに、鼻水、下痢、嘔吐など。重症化で脳炎や運動マヒも。
  • ケンネルコフ症:乾いた強い咳や鼻水、くしゃみ、発熱、食欲低下など風邪様の症状がみられる。

病気を媒介する生き物には、蚊やマダニ、ノミ、ハエ、さらにネズミやキツネなどがいます。

【犬以外の生き物から感染する病気】

  • フィラリア症:寄生虫が心臓に寄生するため咳や呼吸困難がみられる。重症化すると腹水がたまり死に至る。
  • 犬回虫症:下痢や嘔吐、貧血、食欲不振がみられる。腸に大量寄生すると腸閉塞を起こすことも。
  • ジアルジア症:水様便や食欲低下がみられる。栄養吸収が困難となり体重減少も。
  • バベシア症:発熱、黄疸、易疲労がみられる。赤血球の破壊によって重度の貧血を起こすことも。
  • ライム病:発熱、関節炎、心筋炎、食欲不振がみられる。
  • SFTS(重症熱性血小板減少症候群):人間のみ発症し、発熱や皮下出血、下血ののち死亡に至ることことも。
  • 瓜実条虫症:多数寄生すると下痢や食欲低下がみられる。子犬では激しい下痢や出血性腸炎を起こす。
  • ノミアレルギー性皮膚炎:ノミの唾液にアレルギー反応を起こす。じんましんができて激しいかゆみを伴う。
  • レプトスピラ症:出血型(発熱、口や目の充血・出血、嘔吐・下痢、腎障害)、黄疸型(肝障害、黄疸、血尿)
  • エキノコックス症:無症状のこともあるが腸炎になることも。

これらの症状が疑われたらすぐに病院に連れて行きましょう。

でもこれらは本来十分に防げる病気です。

原因や感染経路をしっかりと理解し、予防に努めましょう。

感染経路や予防法をきちんと整理しよう

感染経路や予防法をきちんと整理しよう

次に原因や感染経路についてお話していきましょう。

「ほかの犬からうつる感染症」では、「接触感染」「糞口感染」「飛沫感染」が考えられます。

ほかの犬と触れ合う機会のある、普段の散歩コースや公園、ドッグランなどで感染した犬と関わることがきっかけとなります。

体を触れ合わせたり、噛まれたり、お尻のニオイを嗅いだり、くしゃみや咳の飛沫を浴びたりすることが原因になる感染です。

それではそれぞれの病気ごとに整理してみましょう。

【接触感染で起こる病気】

  • 皮膚糸状菌症(真菌:カビの一種)
  • 感染経路:皮膚糸状菌が寄生した犬と接触することで感染する。
  • 予防法:犬が集まる場所では注意。家ではハウスや食器、おもちゃの衛生に留意しカビを繁殖させないこと。
  • 犬疥癬
  • 感染経路:ヒゼンダニが寄生した犬と接触することで感染する。
  • 予防法:ヒゼンダニの駆除と薬用シャンプー。複数飼いの場合は接触はもちろん道具も共有しないこと。
  • ブルセラ症
  • 感染経路:ブルセラ菌に感染した犬との接触による。「母子感染」のケースも多い。
  • 予防法:感染対策の行き届かないブリーダー(繁殖所)、ペットホテルには注意。
  • 狂犬病
  • 感染経路:罹患犬に噛まれるなどして唾液を介して感染する。
  • 予防法:日本では1957年以降の発症例はないが、東南アジアでは現存する病気。ワクチン接種は義務。
【糞口感染で起こる病気】

  • パルボウィルス感染症
  • 感染経路:感染した犬のお尻を嗅いだり、フンをなめたり食べたりすることで感染する。嘔吐物からも感染。
  • 予防法:犬のフンに触れさせないこと。少量でも感染する。ワクチン接種が有効。
  • カンピロバクター症
  • 感染経路:感染した犬のフンをなめたり食べたりすることで感染する。生肉から感染することも。
  • 予防法:犬のフンに触れさせないこと。生肉を食べる習慣をつけないこと。
  • サルモネラ症
  • 感染経路:感染した犬のフンから感染する。生肉から感染する。ハエが媒介することもあるので要注意。
  • 予防法:犬のフンに触れさせないこと。生肉を食べる習慣をつけないこと。

下痢や嘔吐が続くと脱水を起こして衰弱してしまいます。

抵抗力のない子犬では急激に進行する場合もあるので注意が必要です。

【飛沫感染で起こる病気】

  • ジステンバー症
  • 感染経路:感染した犬のくしゃみ、咳などで唾液を浴びる(飛沫)ことで感染する。
  • 予防法:くしゃみや咳をしている犬に近づけないこと。ワクチン接種が有効。
  • ケンネルコフ症
  • 感染経路:感染した犬のくしゃみ、咳などで唾液を浴びることで感染する。
  • 予防法:冬季はかかりやすいので犬の集まる場所では要注意。肺炎に移行させないこと。ワクチン接種が有効。

ジステンバー症やケンネルコフ症は、抵抗力の弱い子犬やシニア犬では命を落とす恐ろしい感染症です。

特に注意しなければなりません。

「犬以外の生き物が媒介する感染症」では、さまざまなケースが考えられます。

あらゆる可能性を考えて予防策を講じることが必要です。

が媒介する病気】

  • フィラリア症(犬糸状虫)
  • 感染経路:フィラリアを持った蚊に刺されることで感染する。心臓に寄生することで障害される。
  • 予防法:蚊の出現(4~10月)に合わせて毎月、予防薬を投与する。蚊が多く生息する場所は避ける。
寄生虫が媒介する病気】

  • 犬回虫症
  • 感染経路:犬回虫卵が口から入ることで腸に寄生する。母犬から子犬に感染(胎盤感染)することも。
  • 予防法:犬のフンに触らせない(なめさせない)こと。
  • ジアルジア症
  • 感染経路:ジアルジア原虫が口から入ることで腸に寄生する。
  • 予防法:水たまりや川の水を飲ませないこと。
マダニが媒介する病気】

  • バベシア症
  • 感染経路:バベシア原虫に寄生されたマダニに吸血されることで感染する。
  • 予防法:草むらや河川敷など高温多湿でマダニが多い場所に出入りする場合は、マダニ駆除薬の投与が有効。
  • ライム病
  • 感染経路:ボレリア菌に感染したマダニに吸血されることで感染する。目や肛門、わきの下など被毛の少ない部分に多い。
  • 予防法:同様。マダニが見つかったら皮膚加に行き、切開か専用の機器で処置する必要がある。自分で除去しないこと。
  • SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
  • 感染経路:SFTSウィルスに感染したマダニに吸血されることで感染する。犬自身は発症しないが人間は発症して重症化も。
  • 予防法:同様。マダニが犬に付くと刺激やかゆみで落ち着かなくなる。マダニを発見したら放置しないこと。
ノミが媒介する病気】

  • 瓜実条虫症
  • 感染経路:瓜実条虫が寄生したノミが口に入ることで感染する。
  • 予防法:小まめな掃除とノミ駆除剤
  • ノミアレルギー性皮膚炎
  • 感染経路:ノミが体につくことで起こる。ノミの数が少なくても起きる。
  • 予防法:アトピー体質では要注意。ノミの成虫だけではなく、幼虫や卵を駆除する薬が必要。
ネズミが媒介する病気】

  • レプトスピラ症
  • 感染経路:ネズミのオシッコに接触することで感染する。腎臓や肝臓に寄生する。
  • 予防法:ネズミの出現する下水道やゴミ捨て場などには近寄らないこと。ワクチン接種が有効。
キツネが媒介する病気】

  • エキノコックス症(多包条虫)
  • 感染経路:寄生したキツネのフンからネズミが感染し、そのネズミを犬が食べると感染する。
  • 予防法:キツネの生息する山林や草原に出入りするときは、動物のフンやネズミと接触させないこと。

Sponsored Links

犬から人間にうつることもある?

犬から人間にうつることもある

動物から人間にうつる可能性のある病気を「人獣共通感染症」と言います。

犬との濃厚な接触によって感染するもので、決して珍しいものではありません。

【犬との接触からうつるもの:人間の症状

  • 犬疥癬:強いかゆみや発疹がみられる。
  • 皮膚糸状菌症:円形の紅斑(赤み)や脱毛、水ぶくれがみられる。
  • レプトスピラ症:発熱や頭痛、筋肉痛がみられる。肝臓や腎臓の機能に障害が出ることも。
  • ブルセラ症:発熱や頭痛、筋肉痛がみられる。
  • 感染経路:症状の出ている犬に触ったり、同じ布団で寝たりすることで感染の恐れがある。
【犬の唾液からうつるもの:人間の症状

  • 猫ひっかき病:リンパ節が腫れる。
  • パスツレラ感染症:発熱や噛まれた部位の腫れ、気管支炎がみられる。
  • SFTS(重症熱性血小板減少症候群):発熱や皮下出血、下血ののち死亡に至ることことも。
  • カプノサイトファーガ感染症:発熱や頭痛、吐き気がみられる。重症例ではショック死を起こすことも。
  • 狂犬病:100%の致死率。日本では例を見なくなっているが、東南アジアなどでは現存する。
  • 感染経路:引っ掻かれたり噛まれたりした傷口から感染する。犬の唾液(なめられたり、箸や食器を介する)から感染する。
【犬のフンからうつるもの:人間の症状

  • サルモネラ症:発熱や下痢、嘔吐がみられる。
  • エキノコックス症:寄生虫によって臓器が圧迫される。黄疸や肝機能障害がみられ死に至ることも。
  • カンピロバクター症:発熱や腸炎(腹痛、下痢、血便)がみられる。
  • 犬回虫症:幼虫が行き着いた先で障害が起こる。脳炎や失明などの危険性もある。
  • 感染経路:犬のフンの処理後の手洗いが不十分で経口感染する。

猫ひっかき病やパスツレラ感染症などは猫からうつる病気としても有名ですね。

しかし犬から感染することもある病気です。

同様の症状がみられるので注意が必要です。

口うつしはもちろん、自分の箸や食器をなめさせるなどの接触は避けましょう。

また噛まれたときや引っ掻かれたりしたときは対処を怠らないようにしましょう。

いかがでしたか?

多頭飼いの場合はもちろん、外出時にさまざまな危険が潜んでいます。

あらゆる可能性を考えて行動しましょう。


Sponsored Links