犬の皮膚の黒ずみの正体はシミ?あらゆる原因を徹底検証!

愛犬の皮膚や被毛はいつも清潔に美しく保ってあげたいもの。
人間と比べて、被毛がある分、犬の皮膚はとても弱いものなのです。
日頃のシャンプーやブラッシングは欠かせませんよね。
しかしケアの最中に気になる変化が見つかったら、とても心配になります。
生まれつきや日常生活の習慣、加齢に伴う変化、皮膚やホルモンの病気など様々なことが考えられます。
今回は、皮膚の黒ずみや黒くなる可能性がある様々な原因について検証してみましょう。
犬の皮膚の黒ずみの正体は色素沈着
人間と同じで、生まれつきの色素沈着(シミ)が見られることはとても多いようです。
犬の場合は一般に「ぶち」と呼ばれたりもします。
ぶち(斑点模様)のある犬種でなくても出てくることは珍しくなく、この場合は単に「美容上の問題」として扱われますね。
被毛の薄いお腹の部分、鼻先や口元の部分などに多く見られるようです。
元々被毛の薄い犬種であれば背中などのぶちが徐々に目立つようになりますね。
また加齢に伴って増えてくることもあります。
そして「ストレス」や「ホルモンバランス」との関係を指摘されることもありますよ。
普通の色素沈着と病気との違いは
まずは「かゆみ」などによって犬自身が気にしている様子はないか観察してみましょう。
皮膚病であれば、その子自身が特定の部分を気にしていたり、かきむしったり、よく見ると黒ずんだところが分厚くなっていたり(肥厚)することがあります。
逆にかゆみはなくても脱毛がみられることもあります。
ストレスが原因で黒ずみができる理由
犬はそれぞれの性格にもよりますが、人間同様にストレスには敏感でいろいろな反応を示します。
ここで飼い主さんに気をつけてもらいたいことがあります。
犬は必ずしもかゆいから体をかくとは限らないということです。
専門的には「かゆみ行動」といって、何らかの環境的な要因で緊張やストレスを感じると体をかくことがあります。
例えば飼い主さんに叱られているとき、体をかくことがありますよね。
あの行動をかゆみ行動といって、ストレスがかかっている証拠なのです。
決して小ばかにしたしぐさではないのです。
これが慢性的に過剰に繰り返されることで、皮膚に傷がつき、結果的に皮膚感染を起こしてしまうことがあります。
そしてその部分が徐々に黒ずんでくるということなんです。
この場合、獣医さんにみせる必要がありますが、まずは匂いや音、人との関わりなど、環境面で何かストレスを感じさせる原因がないか一度見直してみましょう。
ホルモンバランスが原因とされる症状は
ホルモンバランスと皮膚の黒ずみは関連付けて考えられることがあります。
実際に何らかのホルモンの分泌が低下する病気もありますし、ストレスによる発症が指摘される病気もありますね。
これらは原因がはっきりしない場合も多く、大変難しいものです。
アロペシアX(脱毛症X)
ポメラニアンやトイプードル、ミニチュアプードルの男の子に多い病気です。
原因が特定できていないことから、成長ホルモン反応性皮膚症、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)、去勢反応性皮膚疾患など、とても多くの呼び名があります。
成長ホルモンの分泌が低下することで、様々なホルモンのバランス(メラトニンなど)が崩れ、皮膚障害を起こすという説が有力です。
発症すると皮膚が黒ずむ色素沈着が見られたり、フケが多くなります。
またかゆみを伴わない頭部や四肢を除くすべての部位で左右対称性の脱毛が見られるようになります。
健康上の問題はないと言われ、美容上の問題とみなされることもあります。
黒色皮膚肥厚症
肥満による皮膚の摩擦、性腺ホルモン関連性皮膚病などが原因となり皮膚表面の肥厚、角化症、色素の沈着が起こります。
目の周囲、耳、わきの下、お腹、内股、肛門が黒く肥厚し、かゆみが出るのが特徴です。
遺伝的な要因や早すぎる去勢・避妊が原因と言われることもあります。
ホルモン剤投与の治療が行われます。
甲状腺機能低下症
高齢の大型犬に多く見られる病気です。
体の代謝を進めるホルモンの分泌が減少するために徐々に元気がなくなっていき、非常に寒がりになったり、散歩を嫌がったりするようになります。
最初は老化現象のように見えるため、飼い主が気づかないことも多いようです。
皮膚の新陳代謝が悪くなることから、皮膚が黒ずんで肥厚することや、皮膚が乾燥して毛艶が悪くなり脱毛も増えていくのが主な症状です。
遺伝的な要因、早すぎる去勢・避妊のほか、ストレスが原因で引き起こされるとも言われています。
甲状腺ホルモン剤の投与でバランスを整える治療が行われます。
マラセチア
シーズーに多くみられる病気です。
マラセチアという真菌(カビ)が皮脂を栄養源に皮膚で増殖し、皮膚炎を起こす病気です。
体がベタベタと脂っぽくなり、赤みやかゆみを示し、慢性化すると皮膚の黒ずみと肥厚が見られます。
内服薬と薬用シャンプーでの治療が行われます。
真菌はどこにでもいる細菌です。
それが異常に増殖するということは、これもストレスなどによる免疫力の弱化が疑われます。
普段のケアの方法を含め、愛犬を取り巻く環境に目を向けなければなりません。
血小板減少症
遺伝性のものが、シーズーやマルチーズに多く見られます。
出血時に血液を固める作用のある血小板が減少することで起きる病気です。
血液が固まりづらいので少しの刺激でも生じることから、口や鼻などの粘膜に紫がかった出血斑がみられます。
この場合、「あざ」のように見えますが、最初は皮膚の黒ずみとして認識される可能性があります。
対症療法により症状を抑える処置が施されます
犬の皮膚が黒くなる原因とは
犬の皮膚の黒ずみは美容上も健康上もとても気になるものです。
その原因をまとめてみましょう。
その正体は色素の沈着であることが多く、生まれつきのこともあれば日常の生活や加齢に伴って変化していくものが多いようですね。
しかし普段のストレスや環境の変化が愛犬に影響を与えたり、病気を招いてしまう可能性もあります。
皮膚の変化から早期に発見されたり、逆に病気の進行上、徐々に黒ずんでいくこともあります。
また一度皮膚のトラブルを抱えると、病気とは直接関係がない場合でも色素が過剰になりやすく、黒ずみができやすくなることも認識しておきましょう。
いかがでしたか?
様々な可能性を知り、愛犬にストレスをかけない最適な環境を作ってあげることが大切なんですね。