犬の病気の症状で震えが見られる3つのパターン。嘔吐や下痢は危険な兆候!

犬の病気の症状で震えが見られる3つのパターン。嘔吐や下痢は危険な兆候!

愛犬が「震え」の症状を見せたときは、どのようなことが考えられるでしょうか?

震えるといっても、小刻みに体を震わせていたり、歩くときに足を震わせていることも考えられますね。

もしかすると、けいれん発作などの重篤な症状かもしれません。

また嘔吐、下痢、血便などが初期症状として見られる特別な場合もあります。

今回は、犬の病気で震えの症状が見られたときに考えられることについてお話ししましょう。


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犬の病気で震えの症状が見られる3つのパターン

犬の病気で震えの症状が見られる3つのパターン

まずは震えの症状の3つのパターンをまとめてみましょう。

【震えの3つのパターン】

  • 体全体を小刻みに震わせる場合
  • 倒れて手足のけいれんを起こす場合
  • 歩くときや立ち上がるときに足が震える場合

では、それぞれのケースについて詳しく見てみましょう。

体を小刻みに震わせる場合に考えられること

体を小刻みに震わせる場合に考えられること

「寒いとき」「恐怖を感じているとき」には、体を小刻みに震わせます。

また犬にとって嫌なことから解放されたときは、濡れた場合に水をはじくような様子で体を震わせることがあります。

このときは気持ちをリセットするための仕草と言われています。

これらの場合、状況から判断できますし、その後は元の様子に戻るので心配は要らないでしょう。

しかし何らかの病気のサインである場合、震えが長く続いたり、繰り返したりすることで区別できます。

注意して観察してみましょう。

水頭症は雨の日に症状が出やすい

「水頭症」とは、脳の中にある脳脊髄液が増えて脳が圧迫されることで、神経麻痺などの症状が見られる疾患です。

気圧が低くなる雨の日には脳の中の圧力が逆に高くなり、症状が出やすくなると言われています。

またストレスを感じたり興奮したときも、その誘因になるとされていますよ。

体や足を震わせていたり、元気がなくなったりするのが初期症状です。

うまく歩けなくなったり、ひどい場合はけいれん発作を起こすこともあるので注意が必要ですね。

治療は脳圧を下げる薬を使ったり、場合によっては、たまった脳脊髄液を抜く手術が行われることもあります。

小型犬や短頭腫に多い疾患と言われています。

【起こりやすい犬種】

  • チワワ
  • ヨークシャー・テリア
  • パピヨン
  • ポメラニアン
  • ペキニーズ
  • コッカー・スパニエル
  • パグ
  • ブルドッグ
  • ボストン・テリア

低血糖症は生後6か月までの子犬に多い

生後3~6か月以下の子犬では、体に必要な糖分を蓄えておく機能が未熟です。

このため「低血糖」(エネルギー不足)に陥り、体に力が入らず震えが見られたり、下半身がマヒしてふらふらしたりすることがあります。

ひどい場合はけいれん発作や昏睡状態になることも考えられます。

子犬の時期は、血糖値が一定になるように食事の回数を増やしたり規則正しく与えることで予防できますね。

応急処置としてはブドウ糖や糖分を与えることが必要です。

倒れてけいれんを起こす場合に考えられること

倒れてけいれんを起こす場合に考えられること

比較的軽く見える震えの症状が「急変」して、強いけいれんに及ぶことがあります。

またけいれんが主症状である疾患もありますのでまとめておきましょう。

【けいれんを起こす疾患】

  • 低血糖症:体の糖分が不足して起こる(特に子犬)
  • 水頭症:脳の中にある脳脊髄液が増えて脳が圧迫されることで神経麻痺が起きる
  • 上皮小体機能低下症:上皮小体ホルモン(カルシウムの代謝)が不足することで筋肉のけいれんを起こす
  • 脳の外傷:外部からの衝撃によって脳が損傷を受けることによって起こる
  • 腎不全・尿毒症:腎臓の機能が低下し(腎不全)、体の毒素を排出できない(尿毒症)状態
  • てんかん(脳発作):脳の神経に異常な興奮が起こり、けいれん発作を起こす(原因不明のことも)
  • ジステンバー:ジステンバー・ウィルス感染症で、震えやけいれんの他、嘔吐や下痢、血便などが見られる

最後の「ジステンバー」は、震えやけいれん症状だけでなく、初期症状として嘔吐や下痢、血便などの症状が見られます。

とても重篤で特別なケースなので、決して初期症状を見逃してはいけません。

ジステンバーは嘔吐や下痢、血便などの症状が見られる重篤な疾患

「ジステンバー」は、震えやけいれんを起こす疾患としては重篤で特別なケースです。

ジステンバー・ウィルスによる感染症で、免疫力のない子犬(生後6か月以内)や老犬では特に注意が必要です。

感染して4~7日後に発熱することから始まります。

食欲低下や下痢なども見られることがありますが、いったん治まるため見逃されがちです。

しかしその後、咳や濃い目ヤニ、鼻水の症状が見られ、進行すると下痢や嘔吐、血便などが表れます。

この初期症状が他の疾患とは異なるところですので注意が必要です。

そしてウィルスが脳に及ぶと顔面や体の一部がピクピクするような震え(チック症状)が見られます。

また全身の筋肉が強く震えるけいれんが見られ意識を失います。

回復しても脳に後遺症が残ったり、死にいたることもある重篤な疾患です。

ジステンバーウィルスの感染源は、すでに発症している犬との接触(くしゃみや唾液、尿や糞)です。

このウィルスに対する特効薬はまだなく、体力を維持するための栄養価の高い食事や安静が必要になります。


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歩くときや立ち上がるときに足が震える場合に考えられること

歩くときや立ち上がるときに足が震える場合

震えの症状には骨関節系の疾患も十分に考えられます。

腰部の神経が圧迫されて、腰に痛みがあったり、足に力が入らなくなったりすることで震えの症状がみられます。

また先天性の股関節疾患や膝や足首の関節の炎症性疾患でもみられることもあります。

ゆっくり進行する疾患なので愛犬の異変に早く気付いてあげましょう。

代表的なのものには「椎間板ヘルニア」が挙げられます。

椎間板ヘルニアには起こりやすい犬種も

「椎間板ヘルニア」は、脊椎と脊椎の間にある椎間板が損傷して飛び出す(ヘルニア)ことで起こります。

脊髄神経(特に腰椎部)が圧迫されることで痛みや神経のマヒが起こる疾患ですね。

後ろ足の筋肉につながる神経がマヒすることでうまく力を出せなくなってしまいます。

すると歩くときや立ち上がるときに足を震わせたり、足がもつれたり、ひどい場合は背中を丸めて動けなくなったりする様子が見られます。

初期症状としては、立ち上がりがゆっくりになったり、抱いたときに痛がったり、腰を触られるのを嫌がったりすることから始まります。

胴長短足の犬種の場合、先天的に腰椎に負担がかかりやすいため、肥満することで起こりやすくなります。

逆にやせすぎて筋肉が少ないことで起こる場合もあるので注意が必要ですよ。

また激しい運動や高いところから飛び降りたりすることが多いと負担をかける原因になるので気を付けてあげましょう。

体形的な特徴がなくても7歳以上の中年犬に起こりやすいとも言われていますね。

予防や悪化を防ぐためには適度な運動や食事療法が必要です。

また動物病院では、ヘルニア部分を切除する手術や装具療法(コルセット)、リハビリテーション、痛み止めの投薬などが行われます。

【起こりやすい犬種】

  • ミニチュア・ダックスフンド(先天的)
  • ウェルシュ・コーギー(先天的)
  • トイ・プードル
  • ヨークシャー・テリア
  • ビーグル
  • シー・ズー
  • ペキニーズ
  • フレンチブルドッグ
  • ジャック・ラッセル・テリア

続いてその他の骨関節系疾患について見てみましょう。

足に力が入りにくくなる骨関節系の疾患は

さまざまな原因で腰や足の関節の痛みが出現することがあります。

進行すると震えの症状が出たり、立てなくなったりするようです。

可能性のあるその他の疾患についてもまとめてみましょう。

【その他の骨関節系疾患】

  • 変形性脊椎症:腰椎などの変形による神経の圧迫で腰痛や足のしびれが見られる(9歳以上の75%に見られるとも)。
  • レッグペルテス病:先天性疾患で、股関節部の骨壊死でひどい痛みを生じ、後足が立たなくなる(1歳未満の小型犬に多い)。
  • 股関節形成不全:先天的に股関節が変形しておりスムーズに動かせず、悪化すると後ろ足が立たなくなる(大型犬に多い)。
  • リウマチ性関節炎:免疫機能の異常により膝や足首の関節に炎症を起こし、関節の変形やひどい痛みを生じる。
  • 環軸椎不安定症:先天的に首の骨(1~2番目)が不安定で、神経が圧迫され四肢がマヒする(トイプードルやチワワに多い)。
  • ウォブラー症候群:先天的に首の骨(2~7番目)が不安定で、神経が圧迫され四肢がマヒする(大型犬に多い)。
  • 外傷:骨折・脱臼・打撲などによる急性の痛み

高齢犬の場合、背骨(特に腰部)の変形をきたしやすなります。

老化による筋力低下の可能性もありますが、他の骨関節系の疾患と併せて見られたり、先天的なものが徐々に悪化して表れることもあるようですね。

突然足が立たなくなることは少なく、ジャンプができなくなったり、散歩を嫌がるようになって気付くことが多いでしょう。

いつもと違って動きが気ごちない、姿勢がおかしいなど、飼い主さんしか分からないこともあります。

早めの発見で負担の大きい手術などの治療を避けることができるかもしれません。

いかがでしたか?

一言で「震え」といっても様々な病態を表すようです。

愛犬の様子はもちろん年齢によっても多くのケースが考えられますね。

疾患の早期発見・早期治療につながれば幸いです。


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