子犬のしつけ方が知りたい。「噛む」と「吠える」をやめさせる方法とは。

子犬を初めて飼う。
でもしつけができるか不安。
そんな飼い主さんも多いことでしょう。
特に「噛む」と「吠える」については悪い癖に発展しがち。
あとで大きな悩みの種にもなりかねませんね。
今回は子犬のしつけ方について、「噛む」と「吠える」をテーマにお話していきましょう。
子犬のしつけ方が知りたい
「噛む」と「吠える」は犬にとってはあたりまえの行動ですね。
でも探索行動(遊び)や飼い主とのコミュニケーションを越えて抑制できなくなる場合があります。
飼い主や家族にとどまらず、ご近所にも迷惑をかけることもありますね。
いわゆる「噛み癖」や「吠え癖」と呼ばれる段階で、問題行動の1つになってしまいますよ。
また噛むと吠えるは行動そのものは異なっていても、犬にとっては目的が同じであることが多いもの。
大きく分けると「要求(してほしい)」「抵抗(やめてほしい)」「不安(怖い)」が挙げられます。
また癖になるまでに理由やプロセスがある点でも共通していますね。
噛み癖、吠え癖がついてしまうと素人では改善が難しくなってきます。
子犬のうちから正しくしつけていかなければなりません。
「噛む」をやめさせるには予防が肝心
子犬は見るものすべてが珍しいものばかり。
何にでも興味を持ちます。
匂いを嗅いだり、かじってみたりといった行動は当たり前のことですね。
この探索行動の時期がしつけの始まりと言えるかもしれませんね。
危険なもの(電気のコード、とがったもの、硬いもの)、毒物(一部の野菜や植物、化学性の薬品など)、人間の食べ物については、はっきりと叱らなければなりません。
その場で「ダメ」「イケナイ」など短い言葉で制止しましょう。
タイミングがずれると犬にとっては何を叱られているのかわかりません。
しかし「人間にとってかじられては困るもの」、「犬にとってかじっては危険なもの」、「かじってもよいもの(犬のガムや噛んでもよいおもちゃ)」などなかなか区別を付けることはできません。
また叱ったり叱らなかったり、家族によって対応が異なったりしても混乱のもとですね。
基本的に「かじってはいけないもの」は犬の口の届かないところに置くのが鉄則です。
また叱るときや叱り方は統一するようにしましょう。
叱るときのコツや注意点はほかにもあります。
まとめておきましょう。
叱るときのコツと注意点とは
- タイミングを外さないこと:どうして叱られているのか理解させる
- 短い言葉で叱ること:「ダメ」「イケナイ」「ヤメテ」など
- 家族によって対応を変えないこと:混乱の元になる
- 名前を呼んで叱らないこと:名前を呼ばれると嫌なことが起こると条件付けされる
- 叩いたり、大声で怒鳴ったり、マズルをつかんだりしないこと:恐怖心を与えることで関係性が壊れる
- 飼い主が状況を理解して犬が噛む理由(遊び、要求、抵抗など)を理解すること:先回りして予防する
甘噛みは許していい?
「甘噛み」は、相手が子犬の場合、可愛いからとつい許してしまいがちですね。
コミュニケーションの1つと考えがちですが、これが意外に盲点なんです。
飼い主に遊んでもらっていると思って習慣になり、だんだんエスカレートして強い力で噛むようになります。
飼い主が噛まれた手で引っ張り合いをするのはもっといけません。
さらに遊んでもらっていると感じて助長させることになりますので、付き合わないようにしましょう。
また偶然強く噛んだときに飼い主が大げさな反応をしてしまうと、噛むことで「もっと遊んでもらえる」「こんなに効果があるんだ」などと勘違いされてしまいます。
叱れば叱るほど、かえって興奮してきたり、完全に要求の手段としての噛み癖になったりします。
犬にとっては噛むことが「遊び」もしくは「要求」の手段になることを理解しましょう。
噛まれたときはどのような対処をすれば?
- とにかくさっと手を離す(ゆっくりと抜くと引っ張り合いの遊びと誤解される)
- 大げさな反応をしない
- 目をそらして手を届かないところに上げる
- 目をそらしてその場を立ち去る(足の場合)/li>
- 背中を向けて目を合わせない(飼い主が寝転んでいるとき)
- 飼い主が持っているモノの場合はその場に捨てる(引っ張り合いをしない)
- 別室に行って犬にかまわない
- 犬が落ち着いてきたらフォローする
- 噛むおもちゃや骨型のガム(オヤツ)などを与える
とにかく無視をして、噛むと相手にしないことをアピールするのが鉄則です。
噛むと要求が通ると思わせないことが重要。
この場合、中途半端に目を合わせると、まだ遊んでもらっていると勘違いしてしまいます。
完全に相手をしないことが必要です。
特に1歳未満の子犬の場合、噛むことそのものが楽しくて噛むことが多いので、噛むおもちゃや骨型のガムを与えるのが自然に解消するアイテムになるでしょう。
お手入れの最中に噛むときは?
ブラッシングや爪切りなどのお手入れの最中に噛もうとするのは困りものですね。
噛むと嫌なことを止めてくれると学習すると抵抗の手段としての噛み癖に発展しがちです。
この場合、犬の気をそらすことが必要。
お手入れの前におもちゃやオヤツなど、犬にとって集中できるもの、「快いモノ(快刺激)」を与えながら始めるのがよいでしょう。
散歩中に噛むときは?
散歩中に苦手な人や犬などに出会ったときは大変ですね。
防衛本能から噛むことにつながりやすくなっています。
うなったり吠えたりしているときは要注意。
苦手な対象を噛むことはもちろん、飼い主さんや近くにいる人を噛むこともありますよ。
犬はパニック状態になっていますので、なかなか制止することはできません。
また対象に慣れさせようとしても困難なことがほとんどです。
不安解消の手段としての噛み癖になってしまいます。
避けられるときは避ける方が無難です。
避けられないときは早めに抱っこして視界に入らないようにするか、おもちゃやオヤツで気をそらすことが必要です。
噛んだら解決すると学習させないことが何よりも肝心ですね。
続いて「吠える」に注目してみましょう。
「吠える」をやめさせる方法とは
吠えるきっかけにもさまざまなパターンがありますね。
犬にとってちゃんとした理由があるんです。
それぞれの状況によって考えていきましょう。
「要求」吠えは期待外れで対処
食事や散歩に関しての要求が多いようです。
これらは犬にとっては大きな楽しみですから要求も強いんですね。
頭のよい犬であればあるほど、毎日の習慣や飼い主のしぐさを覚えていて、先回りして要求することも多いでしょう。
これは「早くしろ!」のかなり強い要求なんです。
だからこのとき要求通りにしてしまうと、吠え癖となり、いつでも要求がかなうと学習してしまいます。
食事や散歩のシチュエーションになって吠えだしても、あえて無視して姿を隠してみましょう。
あきらめることも覚えさせなければなりません。
一方、期待させてから、はぐらかすのは犬にとってはかなりのストレス。
決まった時間に散歩に行ったり、あまりにもパターン化したシチュエーションを作るのは避けた方が無難です。
吠え癖の予防ができたら、あとでフォローすることも必要です。
「抵抗」吠えは快刺激で対処
お手入れに対して吠えて抵抗する場合は、噛むときと同様に「快刺激」を与えることが必要です。
嫌なこと(爪切りやブラッシングなど)の「不快刺激」と同時にそれ以上の「快刺激(おもちゃやオヤツなど)」を与えることが有効です。
最初は爪切りやブラッシングなどのどこが不快刺激になっているか(押さえつけられる、痛いなど)を分析することも必要です。
快刺激を用いながら、不快刺激の時間を徐々に伸ばしていくことで慣らしていきましょう。
「不安」吠えは新たな条件付けで対処
家のチャイムが鳴ったり、来客があったりした場合、そして窓の外の人や動物、車などに反応することなどが考えられますね。
これも敵(犬にとっての)を追い払おうとする本能でもあります。
吠えることで追い返したと学習させるとこれも吠え癖につながってしまいます。
この場合、新たな条件付けが有効です。
チャイムが鳴ったらおやつを与えてハウスに誘導するといったことを繰り返すとよいでしょう。
来客の場合、犬の方が待ち構える状況にせず、先に家に入ってもらうとよいでしょう。
後から犬を入れる方が刺激が少なくなります。
また来客には犬と目を合わせないようにしてもらうことで、相手には敵意はないことを理解させます。
犬が落ち着いたら来客からオヤツを与えてもらってもよいでしょう。
警戒心がなくなれば、「来客=敵」ではないと学習しますので、吠える頻度はかなり下がるでしょう。
窓の外の人や動物、車が気になって吠える場合、自分が吠えて追い返したという誤った学習をさせないよう、あらかじめ対象物を見せないようにするしかありません。
カーテンを閉めるか犬の視界が届く位置をフィルムなどで遮るようにしましょう。
ストレスが原因のことはある?
これら噛み癖や吠え癖の問題行動には、犬なりのきっかけや理由がありましたね。
しかしこれらはベースに「ストレス」が関係することもあるんです。
状況に応じて対処しても変化がない。
だんだんエスカレートしてきた。
こんなときは愛犬のストレスが原因のことも。
逆に噛み癖や吠え癖の原因そのものがストレスとなって、ほかの症状(胃腸障害など)を引き起こすこともあります。
また飼い主さんとの主従関係も大きな要素です。
実はもっとも大切といっても過言ではありません。
なぜなら、リーダーと認められる飼い主がいれば犬にとってはこの上ない安心材料なのです。
飼い主を「遊び相手」としてならまだしも、「自分より下の存在」「自分の方がリーダー」と認識しまうと大変です。
要求レベルであったものが「命令レベル」の強いものに変わり、「噛む」「吠える」も手の付けられないレベルになってしまうんです。
また飼い主が信用できない、頼りにならない存在であると、「自分が守らないといけない」と考えるようになることもあります。
こうなると犬にとってかなりのストレス。
飼い主に強く何度も吠える、強く噛む、また飼い主への飛びつきやつかまり立ちは立場が逆転している証拠です。
1つの現象面だけにとらわれず、トータルに考えてみることも必要です。
一度、愛犬との関係や取り巻く環境を見直してみましょう。
いかがでしたか?
この稿が愛犬とのゆったりと落ち着いた暮らしの参考になれば幸いです。