犬の食べ物で野菜は必要?小松菜やホウレンソウなどの効果的な与え方とは。

犬の食べ物で野菜は必要なんでしょうか?
健康を維持していくために少量の野菜はとても有効。
ビタミンやミネラル、食物繊維の補給に役立ちます。
いつものフードに野菜を1品加えてみませんか?
でもどうやって与えたら?
適量はどのくらい?
今回は、小松菜やホウレンソウなどさまざまな種類の効果的な与え方についてお話ししましょう。
犬の食べ物で野菜は必要?
犬にバランスのよい食事を与えるのは飼い主のつとめ。
ライフステージや体調に合わせた質のよいフードをメインに与える飼い主さんが多いことでしょう。
でもときには野菜を1品加えてみませんか?
少量の野菜を与えることで食物繊維やビタミン、ミネラルが補給できます。
このことで腸内環境を良好にする(免疫機能の維持)など、体調を整えることにつながるんです。
では、どんな野菜をどれくらい、どうやって与えたらよいのでしょうか?
逆に与えてはいけない野菜はあるのでしょうか?
それでは詳しく見ていきましょう。
小松菜やホウレンソウなどの効果的な与え方とは
野菜は人間にとって体にいいものというイメージがありますね。
だからついたくさん与えがちです。
また家族の食べる食事をおすそ分けすることもあるでしょう。
でも犬の消化器官は人間とは異なります。
食物繊維などは摂り過ぎると逆に腸内環境を乱してしまうこともあるんです。
あくまでも少量というのがポイントですよ。
野菜を、葉ものや根もの、そのほかのものに分けて説明していきましょう。
※適量は、体重5kg程度の成犬をモデルにしていますので適宜増減が必要です。
- 小松菜(1枚、ゆでて刻む):カルシウムを含む。肉と合わせると吸収量アップ。
- ホウレンソウ(小さじ1杯、ゆでて洗って刻む):鉄分やβカロテン。シュウ酸カルシウムを含む。
- キャベツ(食事量の20%以内、ゆでて刻む):犬に適した食物繊維を含む。
- レタス(1/2枚、生で刻む):食物繊維を含む。水分補給にも。
- 白菜(食事量の20%以内、ゆでて刻む):塩分を調整するカリウムとビタミンC。繊維が少なめ。
- チンゲン菜(1/2枚、ゆでて刻む):ビタミン群。硝酸が多いのでゆでて与える。
- 三つ葉(2本、ゆでて刻む):βカロテンと食物繊維。解毒作用が肝臓に回復にも。
- 水菜(小さじ1杯:ゆでて刻む):ビタミンC、βカロテン、カルシウム、食物繊維を含む。
- さつまいも(10g、焼く、蒸す、ゆでる):ビタミン類で免疫力アップ。食物繊維も。
- ジャガイモ(10g、蒸す、ゆでる、芽は必ず取る):加熱してもビタミンCの損失が少ない。
- ニンジン(すりおろして5g、生のスティック状で10g):抗酸化作用のあるβカロテンを含む。
- かぼちゃ(10g、ゆでる、皮は少なめに):抗酸化作用のあるビタミンC、E、βカロテンを含む。
- 大根(おろして小さじ1杯、ゆでて刻んで食事量の20%以内):犬にあった食物繊維。消化酵素も。
- かぶ(葉はゆでて刻んで小さじ1杯、根は食事量の20%以内):葉はビタミンA、C、食物繊維。根も食物繊維を含む。
- きゅうり(生のスティック状で20g):水分補給のおやつとして。カリウムを含む。
- ブロッコリー(10g、房の部分をゆでる):免疫力を高めるビタミンC、食物繊維を含む。
- ピーマン(5g、ゆでて薄皮をむいて刻む):豊富なビタミンCを含む。
- プチトマト(1個、生でヘタと種を取って刻む):リコピンの抗酸化作用。
- アスパラガス(1/2本、ゆでてハカマと皮を除く):葉酸は神経と血液の健康に。加工食品は不可。
- さやいんげん(1本、ゆでて刻む):抗酸化作用のあるβカロテンを含む。食物繊維も。
- 枝豆(2粒、ゆでて薄皮を除く):ビタミンB1で代謝アップ。食物繊維も。
量は、普段与えている量に加えることができます。
野菜の分だけ減らす必要はありませんので、いつものフードにトッピングしたり形状や香りによっては混ぜてもよいでしょう。
続いて与える場合の注意点について押さえておきましょう。
与える場合の注意点は?
正しく適量与えることが肝心ですよ。
まずは食物繊維。
少量だと腸内環境を整えることができます。
しかし与え過ぎると下痢を起こす場合がありますので注意しましょう。
一方、病気との兼ね合いによっては避けたほうがよい野菜もあります。
カリウムを含む食材は体内の塩分を排出しますが、腎臓や心臓の疾患がある場合は与えない方がよいでしょう。
シュウ酸カルシウムを含むものは、与え過ぎると尿石症の原因にも。
ゆでてよく洗うとよいですが、尿石症の既往がある場合は避けたほうが無難ですね。
そのほか、同じ食材でも人間用の缶詰や瓶詰の加工食品は塩分や添加物が多いので不向きです。
※犬によって下痢や吐き戻しなどの体調変化がある場合は中止してください。
※病気の療養中の場合、薬やサプリメントを服用している場合は、獣医師に相談の上、与えるようにしてください。
そのほか、与え方として工夫できるものがあります。
「キャベツ」は、ダイエットを考えている場合、食事のカサ増しとして有効ですね。
また「きゅうり」は、カロリーが低く水分量が多いので、散歩中のおやつにも最適ですよ。
与えてはいけない野菜は?
一部の野菜は、犬にとっては中毒や病気のもとになるものもあります。
決して与えないでください。
またいたずらでも口に入れさせないように注意してくださいね。
- ねぎ類(玉ねぎ、長ネギなどすべて):毒性があり、溶血性貧血を起こす。みそ汁の煮汁なども不可。
- にんにく:同じくねぎ類にあたる。溶血性貧血、気管支炎などの原因に。
- にら:同じくねぎ類にあたる。溶血性貧血、下痢、嘔吐を起こす。
- ゴーヤ:食物繊維が多すぎるため、下痢を起こす。
- なす:食物繊維が多すぎるため、下痢を起こす。
- ごぼう:食物繊維が多すぎるほか、マグネシウムやカルシウムも多く、尿石症の原因にも。
- タケノコ:シュウ酸カルシウムが多く、尿石症の原因となる。メンマなどの加工品も不可。
- アボカド:果肉と皮に犬にとっての毒性がある。種も大きくて危険。
- 山菜一般:アクが強く、食物繊維も多いので下痢を起こす。
犬の栄養管理はとても重要。
これからの健康を大きく左右してしまいますね。
良質なフードをメインに、野菜も少しだけ、工夫して与えましょう。