猫の耳が臭いのは何故?黒い耳垢がたまる2種類の病気とは。

なんだか猫の耳が臭い。
生臭かったり、ツーンとするニオイがあったりするのは何故?
化膿したり、耳垢(黒いものや緑色のもの)が大量にたまったりするのは?
今回は、猫の耳の病気の症状やその原因について、くわしくお話ししていきますね。
また正しい耳掃除の仕方についても紹介しましょう。
猫の耳が臭いのは何故?
愛猫の耳から何だか生臭いニオイがする。
ツーンとする刺激臭がある。
耳をのぞいてみると、黒色や黄色、緑色などの耳垢がたまっている。
これらは、耳の病気のサインであることがほとんどですね。
耳垢の種類やニオイよって、原因は異なります。
また猫が耳をひっきりなしに掻いたり、頭を振ったり、壁や地面にこすりつけるなど、そのほかの症状も見られるかもしれません。
主な症状とその原因についてまとめてみましょう。
黒い耳垢がたまる2種類の病気とは。
特に気になるのは、黒い耳垢ですね。
同じ黒色でも「脂っぽいベタベタした耳垢」は真菌感染のことが多いですね。
一方、「パサパサした耳垢」は耳ダニによるものが考えられます。
- 真菌:カビの一種
- 黒色の脂っぽいベタベタした耳垢が特徴
- 生臭いニオイがする
- 外耳炎になると外耳道が赤く腫れ、かゆみが生じる
- 耳ダニ(耳疥癬とも):ミミヒゼンダニ(※上の動画参照)
- 黒色のパサパサした耳垢が大量にたまるのが特徴
- 激しいかゆみを生じる
- 掻きむしることで傷ができると二次感染の可能性も
そのほか、細菌感染の場合や、真菌と細菌の混合感染の場合も考えられます。
- 細菌:マラセチア(酵母菌)など
- 黄色や緑色の膿のような耳垢が特徴
- ツーンとしたニオイがする
- 外耳炎になると外耳道が赤く腫れ、かゆみが生じる
真菌や細菌が単独で繁殖している状態が長期間続くことで、これらの「混合感染」に進行することもあります。
症状は、両者の特徴を併せ持ち、黒っぽい耳垢や悪臭、ひどいかゆみを生じます。
また「アレルギー体質」を持っている場合、粘膜の機能が弱まるため、真菌や細菌の感染が起こりやすくなります。
外耳炎を繰り返すことも多いことから注意が必要です。
外耳炎が進行するとどうなる?
真菌や細菌、ダニなどが原因となり、結果として「外耳炎」になっていることが多いようです。
また対処が遅れると外耳炎にとどまらず、中耳炎、そして内耳炎へと進行してしまうことも少なくありません。
「中耳炎」は、鼓膜の奥から鼓室まで炎症が広がることを指します。
発熱や激しい痛みのために、食欲不振などを招くことが多いようです。
近くを走る神経にも影響を及ぼし、平衡覚が低下してヨロヨロしたり、聴覚が低下することも考えられます。
さらに「内耳炎」まで進行すると、内耳の前庭神経(平衡覚)に炎症が起き、平衡覚を失うことにもなりかねません。
転倒したり、ぐるぐる同じ場所を回ったり、歩けなくなることも考えられます。
外耳炎、中耳炎の治療を少しでも早めに開始し、完治させることが重要です。
症状が軽くなっても飼い主の判断で、治療を中断しないようにしましょう。
飼い主ができるケアは
普段から耳の中をよく観察し、耳掃除を定期的に行っておくことが必要です。
すでに耳垢がたまっている場合も、患部の清潔を保つために応急処置として行うとよいでしょう。
猫の種類によって外耳炎になりやすい場合があるので注意が必要です。
垂れ耳の猫や外耳道が狭いスコティッシュフォールドなどは2週に1回ほどの定期洗浄を行うことが理想です。
- ウェットティッシュ(※アルコール入りは避ける)やガーゼ、コットンを使用する
- ペット用の耳洗浄液(イアークリーナー)を含ませる(※水道水は避ける)
- 目に見える範囲の汚れをやさしく拭き取る
- 綿棒を使用して耳の奥まで差し込むのは厳禁(※耳垢を押し込んだり傷をつけるなど悪化させる原因となる)
病院では原因によって、抗真菌薬、抗生物質、駆虫薬が投与されます。
慢性的な外耳炎の場合は、アレルギーへの対処も必要になることもあります。
進行させると、中耳炎や内耳炎など、聴覚や平衡覚の影響まで心配される場合もあります。
耳の異常に気付いたら、軽く考えず、獣医師の診察を受けましょう。