熱帯魚の病気の種類とアクシデント。白点病などの原因から水槽の困りごとまで。

熱帯魚は水温の変化や水質の悪化、また細菌感染などで病気になることがあります。
白点病や松かさ病(水膨れ)などはよく見られるものですね。
また水槽に小さな貝がついたり、コケが増えたりするなどのアクシデントもつきもの。
熱帯魚には快適な環境で長く健康に過ごしてもらいたいものです。
今回は、熱帯魚の病気の種類と水槽内の困りごとについてお話ししていきましょう。
白点病や松かさ病など熱帯魚の代表的な病気の種類
熱帯魚の病気予防には水槽の管理がなによりも大切。
水温の急激な変化や水質の悪化が原因で病気になることが多いですね。
特に水質の悪化は普段の管理がものをいいます。
水質悪化の原因で多いものは?
- 水槽内の魚の数が多すぎる
- エサを食べきれないほど与えている
- フィルターの交換が滞っている
- ろ過フィルター、ライト、ヒーターの不具合
- 水換えのタイミングが遅い(酸性に傾いている期間が長い)
水槽内のアンモニアは魚にとって有害なもの。
バクテリアが亜硝酸塩と硝酸塩に分解してくれます。
でもこれがたまると水質が極端な酸性に傾いてしまいます。
水草やろ過フィルターだけでは十分ではないんですね。
すると魚の病気のもとになったり、コケが繁殖したりと問題ばかりが出てくることになります。
そのため、定期的な水換えやフィルター交換が必要になるんです。
水換えは、1~2回/月、1/3ずつ交換(バクテリアを生かすため)しましょう。
また底砂(砂利)やフィルターを掃除する場合は飼育水と同じもの(バクテリアを生かすため)で洗いましょう。
水槽ごとの水換えのタイミングがつかめるまでは、pH(ペーハー)検査薬を用いて調べてみましょう。
また魚の様子をいつもチェックしておきましょう。
魚のチェックポイントとは?
- 泳ぎ方がいつもと違う(傾いている、動かないなど)
- 体色につやがない(色が薄くなってきた)
- エサを食べていない
- エラの動きが異常(開かないなど)
- ヒレが溶けてきた(切れている)
- ヒレをたたんでいる
- 白い斑点やカビ様のものが付着している
- ウロコがめくれている(逆立っている)
- 体が水膨れになっている
- 目が濁ってきた
このような変化があったら要注意です。
何か原因があるはずですよ。
熱帯魚の代表的な病気とは
では代表的な熱帯魚の病気について見てみましょう。
主な症状や原因を挙げています。
早めに発見して対処してあげましょう。
白点病
- 症状:体やヒレに白い斑点が出る。
- 原因:急激な水温の変化、低水温、水質の悪化。
- アドバイス:軽症なら水換えや薬浴(グリーンF、ニューグリーンF、メチレンブルーなど)を行う。
松かさ病(エロモナス症)
- 症状:ウロコが逆立って松かさ様になる。ウロコの下に分泌液がたまる(水膨れ)。
- 原因:エロモナスの感染、水質の悪化。
- アドバイス:水換えを定期的に行う。薬浴(エルバージュエース、観パラDなど)を行う。
尾ぐされ病
- 症状:尾ビレの先が白っぽく溶ける。エラや口先に出ることもある。
- 原因:水質の悪化
- アドバイス:水質・水温管理を心がける。薬浴(ニューグリーンF、グリーンFゴールド、エルバージュエースなど)を行う。
水カビ病(綿カビ病)
- 症状:体に白い綿状のものが付着する。
- 原因:体にできた傷に細菌が付着する。水質の悪化。
- アドバイス:ろ過フィルターと底砂の掃除を行う。薬浴(マカライトグリーン、アグテンパウダーなど)を行う。
寄生虫
- 症状:体が充血したり、腫れたりする。体に赤い斑点が出たり、ウロコが剥がれたりする。
- 原因:ウオジラミ(円盤型:2~5mm ※画像参照)やイカリムシ(糸状:5~10mm)などの寄生虫。
- アドバイス:薬浴(リフイッシュなど)で駆除を行う。イカリムシはピンセットで除去する。
グッピー病(ハリ病)
- 症状:グッピーの稚魚に多い。尾びれの先が傷んでとがってくる。尾ぐされ病と似ている。
- 原因:不明
- アドバイス:水温を下げて(22℃程度)進行を止めてから薬浴(メチレンブルーなど)を行う。新たに迎える場合は別の水槽で様子をみる。
ネオン病
- 症状:ネオンテトラに多い。体色があせて白っぽくなる。
- 原因:不明。病気の魚から持ち込まれる。
- アドバイス:病気の魚を持ち込まない(ショップ選びが大切)。
薬浴の方法とは?
魚に病気の症状を発見したら、他の魚に感染させないうちに、別の水槽に移します。
ネットなどですくうときは魚に傷をつけないように慎重に行いましょう。
外傷からさらに悪化させることがあります。
また使用したネットはすぐに消毒しましょう。
別の水槽(トリートメント用水槽)はヒーターとろ過フィルターのみで大丈夫です。
水槽に病気専用の薬を既定量を入れていきます。
ろ過フィルターに活性炭が入っている場合は、薬が吸着されてしまうので外しておきます。
また外掛けのものは、ろ材パックを外して吸い込み口にスポンジを付けましょう。
同じ水槽から何匹も病気の魚を出さないように、水槽をリセットしなければなりません。
水槽すべての魚に感染が疑われる場合は、その水槽のまま薬浴してもかまいません。
しかし薬によっては水草の入った水槽には使えないものもあるので注意が必要です。
水槽内のアクシデントや困りごとについて解説
続いて水槽内に起こる様々なアクシデントや困りごとについて見ていきましょう。
微生物や小さな貝が大量に発生したら
水換えしていても水が濁ることがあります。
水槽に対して魚が多すぎるか、エサのあげすぎが原因かもしれませんね。
魚の数を調整するか、エサの量を食べきる分だけにしましょう。
また微生物(ミズミミズやプラナリア)が発生することがあります。
寄生虫でなければ害はありません。
でもどんどん増えていくので少ないうちに取り除くか大掃除をしましょう。
「ミズミミズ」の場合はフィルターの掃除を丹念に行います。
「プラナリア」の場合は底砂を塩を加えて洗うとよいでしょう。
小さな貝(巻き貝やスネール貝)が発生したときは取り除くしかありません。
「巻き貝」の場合はキャベツを入れておくと集まってくるので、まとめて駆除することができます。
「スネール貝」はつぶしてエサ(クラウンローチやフグ、その他の稚魚などが食べる)にすることもできますよ。
水槽がコケだらけになってしまったら
水槽のコケはなんといっても水質の悪化が原因です。
またライトの照射時間が長すぎたり直射日光が当たっていることも考えられます。
水換えや大掃除以外では、ライトの照射時間を調整したり直射日光を避けたりすることでも対処できますね。
卵や稚魚を発見したら
卵やふ化した稚魚が食べられてしまう前に「産卵箱」に移しましょう。
同じ環境で育てられることができます。
また水草が多い水槽なら隠れ家になり、放っておいても育つことがあります。
この場合、稚魚が吸い込まれないようにフィルターの吸い込み口にスポンジを付けておきましょう。
しかしできれば別の稚魚用の水槽に移した方が無難ですね。
稚魚用のエサかブラインシュリンプを与えて育てましょう。
一方、エンゼルフィッシュなら子育てを自分たちで行いますのでそのままで大丈夫です。
いかがでしたか?
水槽の環境はアクアリストしだいでよくも悪くもなりますね。
普段からの適切な管理を心がけ、病気には早めに対処していきましょう。
それではあなたの熱帯魚ライフがますます充実することを願ってこの稿を終わります。