猫の食べ物であげてはダメなもの一覧。人間のものは全部危険なの?

猫の食べ物はもっぱらフードという飼い主さんが多いことでしょう。
フード以外に肉や魚を与えている場合もあるでしょう。
また食事中に人間の食べ物を少しだけ「おすそ分け」することもあるかもしれませんね。
でも食卓には「あげてはダメなもの」もたくさんあるんです。
人間の主食であるご飯やパンなどの炭水化物も本来必要のないもの。
また野菜や魚介類の中には中毒やアレルギー、そして重大な病気に発展するものもあってとても危険。
今回は、猫の食べ物について整理してみましょう。
猫の食べ物で「あげてはダメなもの」一覧
与えると中毒や皮膚のアレルギー症状を起こしたり、重大な病気の原因になる食材があります。
猫の内臓は人間とは異なると考えておきましょう。
- ねぎ類(玉ねぎ、長ネギ、にら、ニンニクなど):溶血性貧血を起こす。下痢や血尿も。
- アワビ・サザエ:消化不良の原因に。アワビの内臓で皮膚病にも。
- エビ、カニ、イカ、タコ、貝類:生で与えるとビタミンB1欠乏症も。
- 鶏や魚の大きな骨:裂けて喉、食道、胃の炎症を起こす。
- アボカド:種と皮に含まれるペルシン(パーシン)が、嘔吐、下痢、心筋炎を起こす。
- マカデミアナッツ:体重1kgあたり1~2gで、おう吐や発熱、けいれんや運動失調(ふらつき)を起こす。
- 柑橘類(みかんやレモン):リモネンという成分が有害。
- ブドウ・レーズン:6~12時間でおう吐や下痢、食欲不振、腹痛、衰弱を起こす。
- 生の豚肉:トキソプラズマ(寄生虫)による感染症を起こす。消化不良の原因にも。
カニやエビ、イカ、タコ、貝類に含まれる「チアミナーゼ」という酵素がビタミンB1を分解してしまいます。
「ビタミンB1欠乏症」になると、脳内の糖代謝異常を引き起こし、運動失調やけいれん、昏睡などの神経症状を起こすので注意が必要です。
また生の貝類の内臓に含まれる「ビオフェオフォルバイトa」という物質を猫が摂取すると「光線過敏症」を引き起こすことがあるので絶対に与えないようにしましょう。
猫は魚が好きなはず?
本来は肉食の猫たちも、日本では魚好きのイメージがありますね。
これは日本人が昔から猫に魚を猫に与える習慣があったからなんですね。
人間のそばで暮らすうちに猫たちが魚の味を覚えたという方が正しいかもしれません。
でも魚は意外に危険な場合があるんです。
これには、「ヒスチジン」という物質が関与しています。
ヒスチジンは、赤身魚や青魚に含まれる物質で、酵素を持った細菌によって分解されます。
すると「ヒスタミン」というアレルギー物質が生じ、「アレルギー性皮膚炎」を引き起こすんです。
このヒスタミンは鮮度が悪くなるほど増えるのでとても注意が必要です。
また青魚には「アニキサス」という寄生虫が発生しやすいことから与えてはいけないと言われています。
さらに青魚には、「不飽和脂肪酸」が多く含まれるため、摂り過ぎると「黄色脂肪症」を引き起こす危険があります。
これは不飽和脂肪酸の多量摂取によって、分解に多量のビタミンEが必要になり、ビタミンEの欠乏症が起こってしまうからなんですね。
黄色脂肪症になると、皮下脂肪や内臓脂肪に炎症を起こし、硬いしこりとなって広がり、発熱や痛みを起こすようになるんです。
一方、白身魚にはこのヒスチジンが極めて少ないため、アレルギーの点では心配いりません。
しかし、タラでは寄生虫の心配があり、サケ(サーモン)も加工品の場合は塩分が多いため注意が必要です。
- 白身魚(タイ、ヒラメ、タラ、サケ):鮮度が重要、刺身、加熱ともに注意して与える。
- 赤身魚(マグロ、カツオ、ブリ):鮮度が重要、刺身、加熱ともに注意して与える。
- 青魚(サバ、アジ、サンマ):刺身はNG。十分に加熱して与える。
白身や赤身の魚を与える場合も、1口程度が無難です。
生の場合は刺身用のものにし、鮮度にも気を付けなければなりませんね。
また食べやすい大きさに切り、骨にも注意して与えましょう。
人間のものは全部危険なの?
人間の食べ物に興味をもつ猫もいるでしょう。
人間に必要な栄養素や嗜好に合わせたものは、猫にとっては必要でなかったり、有害な場合もありますね。
塩分や糖分、脂肪分の多さ、消化の悪さが主な理由です。
でも中には、おススメのものや少しなら有効なものもあるんです。
- 海苔、青のり:野菜の代りに使える。小さくちぎって。
- 納豆:大豆の皮が消化しにくいのでひきわりタイプがおススメ。
- リンゴ:水分、カリウムが豊富。野菜の代わり使える。すりおろすか細かく切って。
- バナナ:水分、カリウムが豊富。野菜の代わり使える。つぶしてから与える。
- 枝豆:消化に悪いので薄皮はむいて細かくきざむ。塩ゆでではなく真水でゆでること。
- バター:無塩バターがよい。
- きな粉:植物性たんぱく質が豊富。たまに1~2つまみ程度。
- しょうが:体を温める。しぼり汁の方が使いやすい。
- アイスクリーム、クリームなどスウィーツ全般:糖分や脂肪分が多すぎるため。
- チョコレート:中毒を起こす。
- カフェイン(コーヒー、紅茶):中毒を起こす。
- 牛乳:下痢を起こす(乳糖不耐症)。子猫に与えると栄養失調にも。
- ジュース:糖分が多すぎるため。砂糖の入っていないフルーツやトマトであっても1口程度まで。
- コーヒーフレッシュ:植物性油脂が原材料であるため。
- こんにゃく:消化が悪すぎるため。
- ハム・ソーセージ:添加物や塩分が多すぎるため。腎臓病や心臓病では特に危険。
- ちくわ・かまぼこ:塩分が高すぎるため。
- ご飯、うどん、パン:炭水化物が消化に悪く、栄養素としても不必要であるため。ほんの少しならよい。
- ツナ缶:塩分、脂肪分が多すぎるため。無塩、無添加の水煮はたまにならよい。
- かつお節、煮干し、干物類:塩分、ミネラルが多すぎるため。腎臓病や心臓病、尿石症では避ける。
- シラス(じゃこ):塩分が多すぎるため。生のシラスならよい。
- 魚卵(いくら、数の子):塩分が多すぎるため。
- スルメ:胃の中で水分を含んで膨らんで腸に詰まることがある。
- 香辛料全般(わさび、からし、唐辛子、コショウ):内臓に負担をかけるため。飼い主のおすそ分けに注意。
いかがでしたか?
人間と一緒に生活するようになり、衛生環境や栄養状態は大変よくなりました。
でもがんや生活習慣病など、人間と同じ病気をするようになったのも事実ですね。
食事には十分気を付けてあげましょう。