自由研究テーマ【小学生向け】。面白い希少動物たちの世界を調べよう!

夏休みの自由研究。
小学生のみなさん、もうテーマは決まりましたか?
今年は面白い、そして希少な「動物たち」のことを調べてみませんか?
動物園に行く前に少しだけ勉強してみましょう!
自由研究テーマ【小学生向け】。面白い希少動物たちのことを調べよう!
日本にも世界にも大変に希少な動物たちがいます。
なかには数が減りすぎて地球上から絶滅する可能性がある種類もいるんです。
土地開発や森林伐採による生息地の減少や餌の不足、毛皮、羽毛を目的とした乱獲などがその理由です。
またすでに自然界では絶滅し、現在は動物園や保護センターなどで飼育されるのみになってしまった動物たちもいます。
それでは詳しく見てみましょう。
世界の絶滅危惧種の動物たち
レッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)により発表された「絶滅危惧種」リストのこと。
絶滅が危ぶまれている動物たちを以下のようにランク付けしています。
- 絶滅危惧ⅠA(Critically Endangered;CR):ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い。
- 絶滅危惧ⅠB(Endangered;EN):ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い。
- 絶滅危惧Ⅱ(Vulnerable;VU):絶滅の危険が増大している種。
- 準絶滅危惧(Near Threatened;NT):現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種。
動物園でもおなじみの種類の仲間も含まれているから驚きですね。
- ゴールデンヘデッドラングール:生息地の狭小化・ハンティングや密猟
- ニシローランドゴリラ:生息地の狭小化・密猟・エボラ出血熱の感染
- ワタボウシタマリン:生息地の狭小化・ペット目的の乱獲
- スマトラトラ:生息地の狭小化・毛皮や骨(薬の原料)を目的とした密猟
- スマトラゾウ:生息地の狭小化
- アムールヒョウ:生息地の狭小化・毛皮を目的とした密猟
- アオキコンゴウインコ:ペットとしての需要増(密猟)・生息地の狭小化
- イリナキウサギ:大気汚染・放牧された家畜との競合によるエサ不足
- バーバリライオン:生息地の狭小化・ハンティング
日本の絶滅危惧種の動物たち
日本にも、同様の理由で絶滅の危機に瀕している動物たちがいます。
「環境省レッドリスト」でも、絶滅の危険性がもっとも高いものを「絶滅危惧IA類(CR;Critically Endangered)」として保護に努めていますよ。
- イリオモテヤマネコ:土地開発による生息地の減少・交通事故・他の猫からの感染症
- ツシマヤマネコ:農地の減少による餌の小動物の減少・交通事故・他の猫からの感染症
- オキナワトゲネズミ:外来種のネコやマングースなど天敵の出現
- ジュゴン:漁業の網に引っかかる混獲・藻場の減少
- シマフクロウ:都市開発やダム開発による営巣木の減少や餌の魚の減少・交通事故・電線による感電
- ヤンバルクイナ:外来種のマングースやノネコなど天敵の出現・交通事故
- コウノトリ:水田の減少・河川の水質悪化
- ノグチゲラ:森林伐採による生息地の減少・マングース(天敵)の存在・ハシブトガラスによる雛の捕食
日本の特別天然記念物
動物、植物、地質・鉱物、天然保護区域のうち、学術的に価値の高いものが「天然記念物」に指定されています。
その中でも特に貴重なものとして、文化庁から指定されたのが「特別天然記念物」なんです。
日本の自然下で比較的容易に観察できる種類もいれば、もともと特定の場所にしか生息せず、観察がとても困難な種類もいます。
なかには絶滅危惧種にも同時に指定されている動物もいますよ。
- タンチョウ:北海道釧路湿原
- ハクチョウ(オオハクチョウ):青森県東津軽郡平内町
- ニホンカモシカ:東北・中部・四国・九州各県
- アホウドリ:東京都小笠原村鳥島
- メグロ:東京都小笠原村母島
- ライチョウ:富山県など(日本アルプス)
- トキ:新潟県佐渡市
- コウノトリ:兵庫県豊岡市
- オオサンショウウオ:岡山県・兵庫県・島根県など
- ツル(ナベヅル):山口県周南市八代・中須南・下松市瀬戸
- ニホンカワウソ:高知県・愛媛県
- オナガドリ:高知県
- ツル(マナヅル):鹿児島県出水市高尾野町・野田町
- アマミノクロウサギ:鹿児島県奄美大島・徳之島
- イリオモテヤマネコ:沖縄県西表島
- カンムリワシ:沖縄県石垣市・西表島
- ノグチゲラ:沖縄県国頭村・大宜味村・東村(やんばるの森)
外来種とはどんな生き物?
逆に数が増えすぎて問題になるケースもあります。
もともと日本には生息しない種類が、外国からペットとして輸入されたり、国内で繁殖されたりしたことが原因です。
珍しいから、可愛いからといって飼われ始めた動物たち。
しかし途中で飼えなくなって、山や川に捨てられることや、逃げ出してしまうことも珍しくありません。
このような「外来種」の動物たちはとても生命力が強くどんどん増えていきます。
そして日本に昔からいる固有種(在来種)の生活場所や餌などを奪い「生態系」を壊してしまったのです。
また人間のつくった農作物を荒らしたり、直接人間に危害を加えることさえありました。
だから国は、このような動物たちのことを「特定外来生物」と呼び、許可(研究目的など)を受けない飼育、輸入、野外に放つ、譲渡、販売が禁止して、重い罰則も設けることにしました。
だから現在は、新たにペットとして飼うことができなくなってしまったのです。
- アライグマ:農作物を荒らす被害・鳥類の巣の略奪・在来種と競合(捕食によるもの)
- タイワンリス:在来種であるニホンリスとの競合・人間の生活圏での被害
- タイリクモモンガ:在来種であるニホンモモンガ(ホンドモモンガ、ホンシュウモモンガ)との競合
- カミツキガメ:在来種との競合・人間の身体への危害
- ハナガメ:同じイシガメ科の在来種であるニホンイシガメとの競合
- ウシガエル:在来種との競合(捕食によるもの)
- シロアゴガエル:在来種との競合(繁殖に関するもの)
いかがでしたか?
人間のせいで数が激減し、絶滅の危機に瀕している動物たち。
もしかするともう会えなくなるかもしれません。
また人間の無責任で増えてしまったばっかりに駆除対象となってしまった動物たち。
本稿を通して、人間と動物の関係について少しでも考えてもらえたら幸いです。