金魚の病気を解説!白い斑点や赤いヒレを見つけたときの対処法とは?

金魚の変化に気づいた。
何だか調子が悪そう。
白い斑点や赤いヒレが気になる。
沈むことや浮くことが多くなった。
金魚の病気は外見や行動の異常にあらわれます。
今回は、その症状や対処法についてお話ししましょう。
金魚の病気をくわしく解説!
金魚は本来、丈夫な生き物。
生存可能な水温は1~35℃。
エサが少なくても耐えられます。
でも急激な水温変化(プラス・マイナス5℃)や水質の悪化、日々のストレスによって病気になることがあります。
水槽をのぞいていて何らかの変化に気付くことがあるかもしれません。
金魚の病気は、その外見や行動の異常にあらわれます。
まずは金魚にみられる病気のサインをまとめてみましょう。
金魚にみられる病気のサインとは?
- 体に白い斑点がある
- 体に綿状のものが付着している
- ヒレに赤い斑点が(出血)ある
- ヒレの先が白っぽい
- ヒレが切れている(短くなっている)
- エラが赤黒い
- エラが腫れている
- 口元が白っぽい
- 体に穴が開いている
- うろこが逆立っている
- 目が飛び出ている
- 水面近くに浮いていることが多い
- 水底でじっとして動かない
- エサを食べない
- 鼻上げが見られる
- 狂ったように激しく泳ぐ
- 体をこすりつける
- 群れから離れている
- ひっくり返って(横になって)泳いでいる
- フンが白っぽい
- フンが短くてすぐに切れる
これらの異変が見られたら、何らかの病気にかかっていることが考えられます。
金魚の主な病気とその症状をまとめてみましょう。
- 白点病:体の表面にゴマ粒状の白い点があらわれて全身に広がる。
- 白雲病:体の一部分やヒレに白い雲のような斑点があらわれ全身を覆う。
- ダクチロギルス症:体表やエラに赤い斑点があらわれ粘液で覆われる。
- ウオジラミ症:体表やヒレの付け根に赤い出血斑があらわれる。
- イカリムシ症:体表やヒレから白い糸状の寄生虫がぶら下がる。
- トリコディナ症:体表に赤い出血斑でき、綿状の粘液が広がる。
- 水カビ病:体表やエラに水を含んだ綿状のカビが付着する。
- 金魚ヘルペス:目立つ異常がないまま衰弱する。白い吹き出物が出たり、エラがピンク色になることも。
- 赤斑病:ヒレの先や付け根、体表の一部に発赤がみられる。進行すると尾ぐされ病に似る。
- マツカサ病:全身もしくは部分的にうろこが逆立って松かさのようになる。
- 穴あき病:鱗に出血斑があらわれ、その後は鱗がはがれて体表に穴があく。
- エラぐされ病:エラが赤黒く(灰白色のことも)なり、エラブタが膨らんでくる。
- 尾ぐされ病:尾ビレの先が白く変色して切れていく(溶けていく)。口元にも起こる。
- 転覆病:ひっくり返って泳ぐようになる。
- 消化不良:フンが白っぽくなり、すぐに切れる。
- ガス病:尾ビレや目などに気泡がたまり、尾が切れたり目が飛び出したりする。
- 外傷:体が傷つき細菌が繁殖する原因となる。
これらが金魚の代表的な病気です。
ではどんな対処法(治療法)があるのでしょうか?
詳しくみていきましょう。
代表的な対処法(治療法)とは
早めに適切な対処をすれば改善する可能性もあります。
金魚の病気の対処法(治療法)には、「水温を上げる」「絶食させる」「塩水浴を施す」「薬浴を施す」の4つがあげられます。
また治療と予防を兼ねた「水質の維持・改善」が5つ目の対処法になるでしょう。
他の金魚に伝染させないような配慮も必要です。
並行して、水槽もリセットしてみましょう。
水槽の作り方やメンテナンスで見落としていたことがあるかもしれません。
日々のエサの与え方や水温・水質の管理、酸素の供給など飼育に慣れてくると意外になおざりになるものですね。
また知らず知らずのうちにストレスを与えているのかもしれません。
これらは金魚の体の抵抗力を低下させ、病原体の侵入や繁殖させる原因になります。
基本的な部分から見直してみると案外「今まで間違っていたかも…」ということに気が付くかもしれません。
白い斑点や赤いヒレを見つけたときの対処法とは?
金魚の病気の原因には、寄生虫、細菌、カビ、エサ関連のものなどがあります。
白い斑点が出る「白点病」やヒレが赤くなる「赤斑病」は初心者が悩まされる病気です。
では、金魚の代表的な病気の原因と症状、そして対処法についてお話ししましょう。
- 原因:白点虫(イクチオフチリウス)の寄生による。
- 症状(外見):体表にゴマ粒大の白点があらわれ、急速に全身に広がる。
- 症状(行動):食欲低下。患部をこすりつける。エラに寄生すると呼吸困難にも。
- 時期:春先や梅雨、秋口の水温の変わり目(水温15℃程度のとき)に発生しやすい。
- 対処法:水温を29~30℃まで上げる(2~3日間)。塩水浴(0.5%)を施す(1週間以上)。
- 薬浴:グリーンF・ニューグリーンF・メチレンブルー・トロピカルゴールド
- アドバイス:金魚の風邪と呼ばれるほどかかりやすい。水質の維持が重要。
- 原因:イクチオボド(コスティア)やキロドネラ(繊毛虫)の寄生による。
- 症状(外見):体の一部やヒレに白い雲のような斑点が発生し、全身が覆われる。
- 症状(行動):水底でじっとしている。食欲低下がみられる。
- 時期:水温の変化が大きい春や梅雨の時期に発生しやすい。
- 対処法:1%の塩水浴を30分程度、2~3日間続ける。
- 薬浴:ホルマリン25PPM溶液(1~2日)・メチレンブルー・フレッシュリーフ
- アドバイス:水質の維持が重要。
- 原因:ダクチロギルスやギロダクチルス(扇形動物)の寄生による。
- 症状(外見):体表やエラに赤い斑点があらわれ、粘液で覆われてただれる。
- 症状(行動):進行すると呼吸困難となり、鼻上げ(口をパクパクする)が見られる。
- 時期:水質が悪化しやすい夏季によくみられる。
- 薬浴:ホルマリン25PPMと水産用マゾテン0.2~0.3PPMの混合(1~2日間)・リフレッシュ・トロピカルN
- アドバイス:治りにくい病気。予防には水質の維持が重要。
- 原因:ウオジラミ(チョウ)(甲殻類)の寄生による。
- 症状(外見):体表やヒレの付け根に赤い出血斑があらわれる。
- 症状(行動):水槽内のものに体をこすりつける。
- 時期:初夏から初秋(6~9月)に多く発生する。
- 対処法:ピンセットで除去することも可能だが、体を傷つけるので薬浴が無難。
- 薬浴:水産用マゾテン・リフレッシュ・トロピカルN
- 原因:イカリムシ(甲殻類:頭部はイカリ型で体は白い糸クズ様)の寄生による。
- 症状(外見):体表やヒレからぶら下がる。寄生している部分が腫れて出血する。
- 症状(行動):水槽内のものに体をこすりつける。
- 時期:春から秋(5~10月)にかけて多く発生する。
- 対処法:ピンセットで除去することも可能だが、頭部が残りやすい。除去後はマーキュロムで消毒を。
- 薬浴:水産用マゾテン・リフレッシュ・トロピカルN
- 原因:トリコディナ(繊毛虫)の寄生による。
- 症状(外見):体表やエラ、ヒレに赤い出血斑でき、粘液の異常分泌が起こる(白雲状)。エラに寄生すると暗赤色になって膨らむ。キロドネラ寄生と似た症状がみられる。
- 症状(行動):エラに寄生すると呼吸困難を起こす。
- 時期:1年中みられる。
- 薬浴:100リットルあたり2.5ccのホルマリンを加える(1~2日間)。
- アドバイス:水質の維持が重要。池飼いでかかりやすい。
- 原因:サポロレグニアやアクリア(水生菌類)が体の傷について繁殖する。
- 症状(外見):体表やエラに綿状のカビが付着。患部がただれたり腐敗することも。
- 症状(行動):水面近くでじっとしている。
- 時期:15℃程度の低い水温で発生しやすい。
- 対処法:ピンセットでカビを除去する。塩水浴(0.5%)を施す。
- 薬浴:メチレンブルー・グリーンF
- アドバイス:体に傷があると高い頻度で発生する。金魚の扱い方には注意。
- 原因:金魚ヘルペスウィルスの感染による。腎臓や脾臓に感染するためひどい貧血を起こす。
- 症状(外見):目立つ異常がないまま衰弱する。白い吹き出物が出たり、貧血を起こしてエラがピンク色になることも。
- 症状(行動):水面で動かない。水底で動かない。
- 時期:春先の水温が低い時期に発生しやすい。
- 対処法:水温を33~36℃に上げる(3日間)。
- アドバイス:近年増えている。感染力が強い。回復すると免疫力ができるがキャリアとなり伝染力は残る。
- 原因:エロモナス菌
- 症状(外見):ヒレの先や付け根、体表の一部に発赤がみられる。ヒレの壊死が進むと尾ぐされ病に似る。
- 時期:1年中みられる。
- 対処法:塩水浴(0.5%)を施す。薬浴と併用する。
- 薬浴:観パラD・グリーンFゴールド・エルバージュエース
- アドバイス:水質の悪化によって増殖のスピードが速くなる。水質の改善が必要。
- 原因:エロモナス菌の感染とされる。他説(消化不良、ウィルス感染)もあるが不明。
- 症状(外見):全身もしくは部分的にうろこが逆立って松かさのようになる。進行すると出血斑がみられたり、お腹に水がたまって膨らんだり目が飛び出たりする。
- 症状(行動):群れから離れる。食欲低下。
- 時期:1年中みられる。
- 薬浴:パラザンD・グリーンFゴールドリキッド ※根気強い治療が必要
- アドバイス:伝染性は低い。水質の維持(ろ過装置のメンテナンス)が重要。
- 原因:傷口から細菌やカビが侵入するとされる不明。
- 症状(外見):鱗に出血斑があらわれ、周囲に広がる。鱗がはがれて体表に穴があく。
- 症状(行動):外見ほどのダメージはなく、健康なときと変わらない。
- 時期:水温が低いと発生しやすい。
- 対処法:水温を25℃以上に維持する。塩水浴(0.5%)を施す。薬浴と併用する。
- 薬浴:パラザンD・グリーンFゴールド・イソジン液滴下
- アドバイス:イカリムシやウオジラミの寄生跡に発生しやすい。
- 原因:フレキシバクター・カラムナリス(細菌)の感染による。
- 症状(外見):エラブタの先が初期は白くなり、進行すると赤黒くなって膨らむ。エラが欠け、粘液の分泌が増える。
- 症状(行動):群れから離れ、水面近くで漂う。呼吸困難を起こす。
- 時期:1年中みられる。
- 対処法:塩水浴(0.5%)を施す。薬浴と併用する。
- 薬浴:パラザンD・グリーンFゴールド・リフレッシュ・エルバージュエース
- アドバイス:傷口(寄生虫の跡)から感染する。伝染性が強いので新しく金魚や水草を入れるときはトリートメントや洗浄が重要。
- 原因:フレキシバクター・カラムナリス(細菌)の感染による。
- 症状:尾ビレの先が白く変色して切れる(溶ける)。口元にも感染する(口ぐされ病)。
- 時期:1年中みられる。
- 対処法:塩水浴(0.5%)を施す。薬浴と併用する。
- 薬浴:パラザンD・グリーンFゴールド・リフレッシュ・エルバージュエース
- アドバイス:傷口(寄生虫の跡)から感染する。伝染性が強いので新しく金魚や水草を入れるときはトリートメントや洗浄が重要。
- 原因:エサの与え過ぎなどによる内臓の障害や浮き袋の異常とされるが不明。
- 症状:ひっくり返って(横になって)泳ぐようになる。池飼いで起こるとお腹が凍傷を起こすことも。
- 時期:水温の急激な低下で起こりやすい。
- 対処法:水温を25~30℃まで上げる。塩水浴(0.5%)を施す。絶食させる(2~3日間)。
- アドバイス:リュウキン型のお腹が丸い金魚に多い。水温管理が重要。
- 原因:エサの与えすぎ(特に寒い時期)や古いエサを与えることによる。
- 症状(外見):フンが白っぽく(液状のことも)なり、すぐに切れる(正常は黒くて長いヒモ状)。
- 時期:1年中みられる(水温が20℃以下になると起こしやすい)。
- 対処法:絶食させる(2~3日間)。活発になってエサをさがす行動がみられるまで続ける。
- アドバイス:エサは数回に分け、5分以内に食べきれる量を。生餌の場合はよく洗浄してから入れる。
- 原因:水中の酸素が過剰になることによる。
- 症状:尾ビレや目などに気泡がたまり、尾が切れたり目が飛び出したりする。
- 時期:夏季の池で発生しやすい。プランクトンの異常発生による酸素過剰。
- 対処法:夏季の日中は日よけをする。エアレーションで酸素を飛ばす。
- アドバイス:日当たりのよい池で飼育している場合は日よけを欠かさないこと。
やはり、水温や水質はとても重要な要素でしたね。
予防や対処法の基本になるものです。
また「塩水浴」は、金魚の基本的な治療としてよく用いられるものです。
新しい金魚を迎えるときのトリートメントとしても有効なのでぜひ試してみましょう。
いかがでしたか?
金魚は適切な飼い方をすれば10年を超えるほど長生きする生き物です。
また適切な環境を整えれば大きく育てることもできます。
日々の健康管理に気を付けてあげたいものです。