子猫の育て方。トイレのしつけから気になる下痢や便秘のことまで。

子猫のうちは何かと心配。
生まれてから「1歳」になるまでの時期はとても大切です。
特にその前半は体の機能が未発達。
免疫機能も十分ではなく、病気にもかかりやすいんです。
下痢や便秘、猫風邪や皮膚病などの症状が出たら大変。
またトイレのしつけなど、しなければならないこともたくさんありますよ。
今回は、子猫の育て方について、気がかりなことを解消していきましょう。
気になる下痢や便秘の症状から考えられること
子猫が1歳未満のうちはさまざまな病気に注意しなければなりません。
何も知らない小さな体でつらそうにしている姿は見たくありませんよね。
免疫機能が不完全で細菌やウィルスにも感染しやすい時期なんです。
また成猫の場合より重篤な状態に陥ることも多いんです。
まずは子猫がかかりやすい病気についてまとめてみましょう。
- 猫風邪:猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシウィルス感染症、猫クラミジア感染症
- 腸内寄生虫感染による下痢や便秘:回虫症、鉤虫症、コクシジウム症、ジアルジア症
- 皮膚病:皮膚糸状菌症(真菌:カビ)、ノミ刺咬症、ダニ
- その他の感染症:猫パルボウィルス、猫白血病ウィルス、猫免疫不全ウィルス、猫伝染性腹膜炎
- 低体温症:寒さ、ショック、ケガ、先天性の心臓病が原因
猫風邪の原因や症状とは
「猫風邪」の場合、1種類の病原体の感染とは限りません。
猫風邪はあくまでも「総称」です。
猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシウィルス感染症、猫クラミジア感染症などが含まれます。
猫から猫へウィルスが感染することで起こる病気です。
症状は、発熱による衰弱、口内炎ができてよだれが増える、くしゃみや濃い鼻水、目やにが出るなどですね。
子猫は免疫機能が未発達なため、重症化しがちなのが特徴です。
特に猫ウィルス性鼻気管炎はヘルペスウィルスの感染によるものに注意が必要です。
1度かかると症状が出ていなくてもウィルスは潜伏し続けています。
このため、完治しないうちは他の猫に感染させることもありますので、途中で治療を止めないことが肝心ですね。
また慢性化すると蓄膿症などに発展する恐れもあります。
さらにストレスや他の病気で弱っているときは再発を繰り返すこともあるので注意しましょう。
下痢や便秘の原因は寄生虫?
特に「下痢」は、内臓が未発達で免疫力も弱い子猫に起きやすい症状ですね。
寄生虫が原因になることが多く、子猫の場合、脱水を起こしやすく重症化することが多いので要注意です。
「回虫症」は、猫にもっとも多い腸内寄生虫と言われています。
母猫から授乳を介して感染することがあり、おう吐や下痢を起こします。
多数寄生するとお腹がふくれてきたり、貧血になったりします。
また回虫の固まりが詰まって腸閉塞が起こることもあります。
さらに便秘や発育不良が続くこともありますので気を付けなければなりません。
「鉤虫症(こうちゅうしょう)」は、とてもはげしい症状を起こします。
母猫の授乳、食べ物や食器(経口感染)、屋外の土(経皮感染)などの経路で感染が起こります。
はげしい下痢が起こり、タール便や血便になることもあり、脱水が起こると急激に衰弱します。
また鉤虫が腸に寄生し血液を吸うため貧血を起こし、目や口の粘膜が白くなったりすることもあります。
「コクシジウム症」も重い症状を見せるのが特徴です。
顕微鏡でしか見えない原虫が経口感染し、腸の粘膜を傷つけます。
水様性、粘液性の便や血便を繰り返し、脱水や貧血のために衰弱します。
「ジアルジア症」は、顕微鏡でしか見えない原虫が原因です。
経口感染し、水様便や脂肪便(黄色っぽい)が続くことから体重が減少し、発育不良が起こることもあります。
これら寄生虫に感染した場合は、駆除薬の投与、また衰弱の激しい場合は栄養剤や輸液が行われます。
しかし便の処理が不十分であるなど衛生状態が悪いと繰り返すことになりますので、十分な管理が必要です。
皮膚の変化に気づいたら?
子猫にもっとも多いのは「皮膚糸状菌症(真菌:カビの感染)」ですね。
糸状菌(真菌)というカビの一種が原因の皮膚炎で、円形に炎症が起きたり、脱毛やかゆみが起こります。
人にも伝染するとても厄介な病気です。
やはり免疫力の弱い子猫は悪化しやすく、顔や耳、手足が脱毛が見られるようになります。
治療は、薬用シャンプーのほか、抗真菌薬、抗真菌ローションや洗浄液を使いますが、普段から清潔に保つことが何よりですね。
またノミアレルギー性皮膚炎もよく見られる症状です。
ノミにかまれたときの唾液に反応することが多く、体質によってはノミのフンや卵と接触するだけでも症状を起こします。
脱毛やフケのほか、発疹が出てかゆみが出てかさぶたになることもあります。
ノミ取りシャンプーや薬で根気よく駆除していきますが、これも普段からのお手入れが重要ですね。
低体温症では凍傷も
呼吸が早くぐったりしていたら、「低体温症」の可能性があります。
寒さのほか、ショックやケガ、先天性の心臓病などが原因となって起こります。
血行不良になりやすい耳や尻尾は凍傷に発展することもあります。
急に温めると血流が一気に加速してショック状態になることも。
早めに病院に連れて行きますが、毛布でくるんで体をやさしくマッサージしながら応急処置を行いましょう。
子猫の上手な育て方:予防接種やトイレのしつけなどについて知りたい
子猫のときにしておかなければならないことはたくさんありますよ。
まずは予防接種とトイレのしつけ、そしてさまざまなお手入れに慣らすことですね。
では詳しく見ていきましょう。
トイレのしつけの基本とは
母猫がいる場合には、生まれて3週目頃までは母猫がなめて排泄を手伝います。
その後は徐々にひとりで行おうとしますので、トイレのしつけのチャンスですよ。
ではまとめてみましょう。
- 落ち着ける静かな場所にトイレの位置を決める。
- 落ち着きのない様子(トイレのサイン)を見つけたらすぐにトイレに連れて行く。
- トイレ以外のところでしようとしたらすぐに短く叱る(タイミングを逃すと理解できないため)。
- 失敗したときは早く始末して臭いを残さない(同じところでまたしてしまうため)。
- オシッコを拭きとったティッシュはトイレに入れておくと覚えやすい。
- 1度覚えたのにまた失敗し始めたときはトイレが汚いなどの不満があることが多い。
- 感染の予防のためにも1日1回は掃除する(オシッコした部分が固まるタイプのトイレ砂が便利)。
- うまくいかないときは、トイレの場所、トイレの形、トイレ砂の種類を変えてみる。
予防接種で防げる病気は
生まれてから8週頃には母乳からもらっていた免疫が薄れてくるので、予防接種(ワクチン接種)の1回目の時期にあたります。
12~14週頃に2回目の接種を行いましょう。
「3種混合」が基本になります。
猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシウィルス感染症、猫汎白血球減少症(猫パルボウィルス感染症)などの病気の感染と発症のリスクを下げることができます。
「4、5、7種混合」を接種する場合には、猫白血病ウィルスも含まれるので、すでにキャリアでないかチェックを受けます。
また猫クラミジア感染症のリスクを下げることができます。
かかりつけの獣医さんを探すつもりで受けに行くと今後のお付き合いもスムーズですね。
慣らしておきたい3つのお手入れは
猫の健康のために必要なお手入れの中には、最初嫌がることもあります。
子猫のうちに習慣づけておくとその後のお手入れがしやすくなりますね。
まずは抱っこされることや足の先などを触られること自体に慣らせましょう。
- 爪切り:自分で爪とぎするが、鋭くなりすぎることも。特に前足は子猫の自身と飼い主さんのケガの防止に。
- ブラッシング:被毛の衛生を保つ。皮膚病のチェックや毛球症の予防、猫とのコミュニケーションにも有効。
- 歯磨き:歯垢を取り除き、歯石や歯周病の予防に必要。成猫になってからでは困難。
そのほか、キャリーケースに入ることも慣らせておくとよいですね。
病院に連れて行ったり、交通機関による移動にも慌てずに済みますよ。
いかがでしたか?
子猫のうちは何かと心配事がつきものです。
病気の知識も勉強していきましょう。
トイレのしつけやお手入れは最初が肝心。
病気の予防にも必要なことですね。
子猫のころからしっかり行っていきましょう。