ミニチュアダックスフンドの寿命は延びる。病気のサインを見逃さない健康管理とは?

愛犬にいつまでも元気でいてもらいたいのは飼い主共通の願いですね。
でもそのためには犬種に合ったストレスをかけない生活と日ごろの健康管理が重要です。
かかりやすい病気を知り、不調のサインを見逃さないことが長生きさせる秘訣。
今回は、ミニチュアダックスフンドに多い病気と上手な付き合い方についてお話しましょう。
ミニチュアダックスフンドの寿命は延びる
ミニチュアダックスフンドの寿命は14~17年と言われます。
比較的長命の犬種なんです。
いつまでも元気でいてもらうためには、ストレスのない生活が基本になります。
犬種の特性に合った関わり方ができれば、飼い主さんとの関係もよりよいものになり、愛犬にとってベストな環境がつくれますよ。
はじめにミニチュアダックスフンドの特徴をおさえておきましょう。
ルーツはアナグマの猟犬
ダックスはドイツ語で「アナグマ」のこと。
またフンドは「猟犬」を意味します。
小さな穴にも潜れるように胴長短足に改良されたのはよく知られた話ですね。
とても機敏で勇敢なところを普段の遊びでも引き出してあげるとよいでしょう。
動くものを追いかけるのが好きなので、おもちゃを転がして取りに行かせる遊びは最適ですね。
ボール以外にも動物の形をしたものや噛むと音が鳴るようなおもちゃだと猟犬の本能が満たされます。
でも一度口にくわえると噛みちぎるまで離さない子もいるので、「出して」「離して」のしつけも必要です。
また運動量も十分に確保してあげましょう。
散歩は1日2回、1回あたり30~40分程度が理想です。
天候や飼い主さんの都合で難しいときは、室内の遊びでフォローしてあげましょう。
犬種の本能を満たしてあげることでストレスを減らすことができますね。
性格は忠実で好奇心旺盛
猟犬だけに飼い主には忠実です。
気が強く、警戒心が強い一面もあるので、飼い主さんはしっかりリーダーシップをとって、安心できる関係をつくってあげましょう。
飼い主さんとの良好な関係が、心の健康にはもっとも重要ですよ。
遊びや散歩の始まりと終わりは飼い主さんが決めるのが基本です。
また猟犬という仕事柄、「吠え癖」と「噛み癖」がつきやすいので、しっかりしつけることも重要ですね。
病気のサインを見逃さない健康管理とは?
犬種によってかかりやすい病気はあります。
必ずしもかかるというものではありませんが、日ごろの生活習慣によってもそのリスクは変動します。
また不調のサインを見逃さないことで、早期発見・早期治療につなげることもできますね。
そのためには、かかりやすいと言われる病気の原因やその症状を知っておくことが大切です。
ミニチュアダックスフンドは「胴長短足」の体型と「垂れ耳」がトレードマーク。
やはり背骨への負担軽減と耳のケアは重要です。
またそのほかにも気を付けてほしい病気があります。
それでは順番に見ていきましょう。
椎間板ヘルニア
- 病態:脊椎骨間にある椎間板(ゼリー状の髄核)が飛び出して神経を圧迫する。2~5歳が多い。
- 症状:抱き上げあときにキャンと鳴く。歩きたがらない。歩き方がおかしい。下肢がマヒする。
- 原因:激しい運動を繰り返す(飛び降りるなど)こと。肥満や痩せすぎ、老化で発症しやすい。
- 治療:ステロイド剤やレーザー治療(痛みの緩和)。ヘルニア切除術。再生医療も。
- アドバイス:激しい運動(背骨の負担)を避ける。筋肉が衰えないようにする。体重管理。
外耳炎
- 病態:外耳道に細菌やカビが繁殖して炎症が起きる。中耳炎・内耳炎に進行することも。
- 症状:かゆみが出る。耳を後ろ足で引っかく。地面などにこすりつける。頭を振る。悪臭がする。
- 原因:耳垢に細菌やカビが繁殖する。ミミヒゼンダニ、マラセチアも。シャンプーやその他の異物の場合も。
- 治療:抗生物質の投与(点耳)。
- アドバイス:耳掃除では綿棒を使わない(深く入れない)こと。病院で定期的にチェックしてもらう。
糖尿病
- 病態:膵臓のインスリン(ホルモン)の量が少ないⅠ型と感受性が低いⅡ型がある。メスに多いとも。
- 症状:多飲多尿。おしっこが無色透明で甘いニオイがする。痩せてくる。食欲低下。
- 原因:遺伝の場合とカロリーの過剰摂取や運動不足による。合併症(白内障、腎症、神経障害)。昏睡。
- 治療:食事療法(療法食、カロリー制限)。運動療法。インスリン投与。
- アドバイス:肥満にさせない。発症後は獣医師の指導の下に計画的なサポートが必要。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
- 病態:副腎皮質ホルモン(糖代謝)の分泌過剰が起こる。7歳以上に多い。
- 症状:多飲多尿。食欲増進。脱毛。筋萎縮による腹部の下垂。下肢の筋力低下。
- 原因:下垂体(ホルモン分泌の指令を出す)や副腎の腫瘍。ステロイド剤の長期間使用。
- 治療:抗ホルモン剤。副腎の破壊(投薬による)。ステロイド剤の減薬。
- アドバイス:ステロイド剤の過剰な使用を控える。単なる肥満と決めつけない。
尿路結石症(尿石症)
- 病態:尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石ができる。
- 症状:頻尿や血尿。おしっこがキラキラする。排尿障害。排尿時の痛みで鳴く。
- 原因:食べ物・飲み物にミネラルが多い。飲水量が少なくおしっこが濃い。慢性的な膀胱炎。
- 治療:結石溶解剤。食事療法(療法食)。手術が必要なことも。
- アドバイス:普段から飲水・排尿を促す。
いかがでしたか?
「肥満」によって背骨の負担が大きくなり、また糖尿病のリスクも高まります。
特に栄養や運動の管理には気を付けなければなりませんね。
また他の病気も特徴的な症状を示します。
これらの症状を知っておくことで早期発見・早期治療につながります。
それではあなたの愛犬の末長い健康を祈ってこの稿を終わります。