猫の多頭飼いの仕方を解説。ストレスのかからない相性やトイレなどの注意点は?

猫に囲まれた生活をしてみたい。
1度は憧れますよね。
でも喧嘩したらどうしよう?
ストレスのかからない相性ってあるの?
食事やトイレの注意点は?
難しいことばかりで不安がいっぱい。
今回は、猫の多頭飼い(複数飼い)の仕方について解説しましょう。
猫の多頭飼いの仕方を解説!
猫に囲まれた生活をしてみたい。
愛猫家なら誰でも1度は考えるものですね。
猫の数だけ癒しも増えることでしょう。
また猫にとってもメリットがあるんです。
仲の良い同居猫がいれば、お互いが遊び相手になってくれますね。
留守番中でも寂しくないし、運動不足の解消にもなるでしょう。
また年上の猫が子猫の世話をしたり、お互い気づくろいをしあったり微笑ましい姿を見ることもできるかもしれません。
でも猫はそれぞれ性格が違い、行動もさまざまです。
また本能的に縄張り(テリトリー)意識が強く、単独行動が基本。
同居猫同士の相性が悪いとお互いがストレスを感じることになってしまいます。
3匹以上いると立場に優劣ができたり、ケンカや孤立といった場面にも遭遇するかもしれません。
また食事やトイレなど、悩みのタネが増えてしまっては何にもなりませんね。
今回は、さまざまな不安を解消していきましょう。
では猫同士の相性や食事、トイレの注意点について詳しくお話していきますよ。
ストレスのかからない相性ってあるの?
多頭飼いを始める前に、まずは猫の相性について考えてみましょう。
先輩猫の適性、そして後輩猫との組み合わせが重要です。
まとめてみましょう。
- 単独飼いの期間が1年未満である
- 1歳以下で避妊・去勢済である
- 性成熟前である
- これまでほかの猫と触れ合ったことがある
- 神経質だったり、怖がりだったりしない性格
- 攻撃的ではなく、おとなしい性格
これらの項目を多く満たすほど、うまくいきやすい傾向にあります。
また老猫の場合、後輩猫が子猫であれば、積極的に面倒をみるケースもあります。
可能であれば1週間程度のテスト期間が欲しいところですね。
しかし先輩猫の条件から、どうしても不向きなケースがあります。
くれぐれも無理はしないようにしましょう。
- オスとオス:攻撃的になりがち。去勢が条件になることが多い。
- メスとオス:メスは繁殖期以外ではオスを避けることが多い。オスがおとなしいとうまくいくことも。
- メスとメス:先輩猫がおおらかであると受け入れやすい。仲良しになるケースが多い。
このようにさまざまな組み合わせが考えられますね。
後輩猫を迎えることが決まったら焦らず、以下の手順を踏んでいきますよ。
猫はもともと新しい環境が苦手です。
たとえ単独飼いであっても3日以上は落ち着かないものと考えておきましょう。
徐々に慣らしていくのが鉄則です。
またポイントになるのは匂いですよ。
- 前日まで:感染症や寄生虫の有無を確認する。ワクチン接種を行う。
- 1日目:後輩猫を別の部屋のケージに入れる。落ち着くまでゆっくりと待つ。
- 2~3日目:後輩猫の気配を感じさせる。後輩猫の匂いを先輩猫に嗅がせる(毛布など)
- 4~6日目:後輩猫のケージのある部屋に先輩猫を連れて行く。対面時間を徐々に増やす。
- 7~10日目:お互いの威嚇行動がなくなれば、ケージから出して対面させる。
手順は、お互いの様子を観察しながら調節していきましょう。
ケージ越しでも、お互いの鼻を突き合わせ始めたら、本格的なコミュニケーションのスタートです。
後輩猫が自分からケージを出るのを待って対面させます。
徐々に一緒に過ごす時間を長くしていきます。
警戒心がなくなり、お互いの匂いを嗅ぎあったり、毛づくろいなどが始まれば一安心ですね。
ケンカと遊びの違いって?
猫同士じゃれあう姿はよく見られるもの。
でもケンカなのか遊びなのか区別がつかないときもありますね。
こんなとき、上のポジションにいる場合が優勢、逆に下のポジションにいる場合が劣勢ですよ。
上と下の位置が適当に入れ替わっているなら「遊び」と判断してよいでしょう。
でも立場が一方的で入れ替わらないようならケンカである可能性があります。
また両者が離れた後に、劣勢だった方が体を丸めていたり、しっぽを丸めて股に挟んだりしていたらケンカに負けたサインです。
ケンカが続くようなら明らかに不仲と考えてよいでしょう。
自分のテリトリー(居心地のよい場所)を誇示していたり、一方的にライバル視しているのかもしれませんね。
また優劣がはっきりしていない状態で争っている最中なのかもしれません。
こんなときは飼い主さんの方で対策してあげましょう。
一方、同居猫に気づくろいをしてもらっていた猫が急に怒り出すことがありますね。
これは「もういいよ、やめて」のサイン。
その後に普通の様子に戻れば問題ないでしょう。
不仲になってしまったときは?
こんな様子が見られたら、何らかの対策を考えなければなりません。
劣勢の猫には大きなストレスがかかってしまいますよ。
- 普段から落ち着かず、昼寝をしない
- 食事が落ち着いてできない(慌てて食べようとする)
- トイレの回数が減る(我慢している)
【対策方法】
- 居心地のよい条件を推測してほかにも同等の場所をつくる
- 高い場所や暖かい場所に安心して休める場所を用意する
- 時間(午前と午後の数時間ずつ)でスペースを分ける
- ワンルームの場合はどちらかをケージに入れる(見えないようにするのがベター)
- どちらかをケージかキャリーケースに入れて食事させる
- なるべく離れた場所で食事やトイレをさせる
仲間はずれとマイペースの違いは?
3匹以上いる場合は、仲間外れや孤立しているといった様子に見えることがあるかもしれませんね。
猫にも生活やスタイルや性格の違いがあって当然。
自分から同居猫と距離を置こうとするケースもあるんです。
特に高齢の猫にこのような変化がみられることが多いようです。
これまで仲良くしていても、体力が落ちてきて遊び相手ができなくなってきたことが一つ。
また生活リズムが合わなくなったことで1人でのんびりしたいと考えていることもあるでしょう。
このようなマイペース重視の行動で、食事やトイレ、お昼寝などの様子が落ち着いていれば問題ないでしょう。
飼い主の態度が関係することも
新しい同居猫がきたばかりの時期は飼い主さんの方も気を遣うことが多いでしょう。
片方を可愛がっているときに、やきもちを焼くのは当然の心理かもしれません。
特に飼い主さんが先輩猫の立場を優先しようとして、後輩猫がやきもちを焼くケースの方が多いようですね。
でも先輩猫の方は意外と冷静なこともあります。
むしろ後輩猫の嫉妬が大きくなることで先輩猫に攻撃を仕掛ける方が問題。
先輩猫の場合、甘えてきたときにかまってあげれば十分なケースも多いでしょう。
また複数いれば、活動時間に差ができるもの。
起きて活動しているときに相手をしてあげるのが最も自然な関わり方でしょう。
食事やトイレの注意点は?
食事の場所はとても重要ですね。
飼い主さんにとっても1度に同じ場所であげられれば片付けもラクチンです。
猫同士が違和感を感じていないのなら同じ場所でも問題ないでしょう。
でも不仲の猫同士だと食事時間もストレスになります。
できるかぎりお互いが安心できる環境をつくってあげなければなりませんね。
- 離れた場所を用意する(お互いに見えない場所)
- 高低差をつけた場所を用意する
- どちらかをケージかキャリーケースに入れて食事をさせる
- 時間帯を分けて与える
また肥満の防止や年齢層の違いでフードの種類や量はとても重要ですね。
食器を分けるだけではうまくいかないこともあるんです。
食事の管理で肥満になる?
問題なのは、同居猫のエサを食べてしまうこと。
それぞれの年齢や活動量などで食事量は異なりますね。
成長期の子猫(3~6ヶ月)では、食欲はとても旺盛。
成猫の2倍程度のカロリーや栄養(子猫用フード)が必要。
回数も1日3~4回に分けて与えるのが普通です。
青年期(6ヶ月~1歳)では、回数も1日2~3回で成猫用のフードに切り替える時期ですね。
成猫(1歳から6、7歳)では、1日1~2回と回数も落ち着いてきます。
7、8歳を過ぎたころからシニア用フードに切り替えた方がよいでしょう。
また内臓の病気(糖尿病や腎臓病など)で療法食を食べている場合も考えられますね。
同居猫の年齢層が異なり、子猫や老猫がいる場合や療法食を食べている猫がいる場合、管理が難しくなります。
食欲旺盛な子猫がほかの猫の分を横取りしてしまうことが続くと肥満の原因にもなってしまいます。
逆に療法食以外のものを食べてしまうと病気の悪化につながることもありますね。
年齢層や健康状態がそろっていない場合、食事時間中、飼い主さんがそばで見ているか、場所を離して管理するのがベターかもしれません。
それぞれの猫が自分の分だけしっかり食べているか確認し、食べ残しなどはすぐに片づけるようにしましょう。
トイレの数は何個必要?
最後にトイレの問題ですね。
多頭飼いの場合は、頭数+1個がベスト。
でも部屋のスペースや猫同士の関係性、しつけの具合で変わってくることもしばしば。
猫が気に入らなければ粗相が増えたり、トイレに行く回数が減って泌尿器系の病気の原因になることもあります。
十分注意しなければならないポイントですね。
トイレの形は、トイレ砂が飛び散らないようなフード付きのものがよいでしょう。
置き場所がどうしても確保できないときは、数が少なくても仕方ありません。
この場合、なるべく頻繁に片づけ、清潔を保つことが必要です。
逆に数が足りていても、使ってくれないトイレができることもあります。
猫のおしっこやうんちは健康状態を示すバロメーターでもあります。
下痢や血尿など大きな病気の症状を示します。
やはり決まった場所があった方がベターですね。
でも使ってくれないトイレができることもあります。
この場合、頻繁に使っているトイレの条件(置き場所、形、砂)を推測し、同様のトイレを準備しましょう。
いかがでしたか?
多頭飼いは、大きな喜びを与えてくれる分、配慮しなければならない点もたくさんありますね。
この稿があなたのペットライフの充実にお役に立てれば幸いです。