小さいフグの種類【淡水編】。飼育を始める前に知っておきたいことは?

フグは鑑賞魚の中でも一線を画す存在ですね。
体を膨らませるユーモラスな形態は誰もが知るところ。
また見た目とは裏腹に、やんちゃで攻撃的な面を持ち合わせる二面性が面白いのかもしれません。
今回は、フグの中でも、淡水に棲む、小さめの種類を紹介しましょう。
飼育する前に知っておきたいポイントも一緒にお話しますよ。
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小さいフグの種類【淡水編】
まずは今回登場するフグの種類を挙げてみましょう。
淡水に棲む、全長約8cm以下の小さいものに絞ってみました。
【小さいフグの種類】
- アベニーパファー:全長2.5~3cm(世界最小)
- イミテーター:全長3~5cm
- レッドテールアカメフグ:全長4~5cm
- タイアカメフグ(ロルティッティ):全長4~6cm
- ボルネオアカメフグ:全長4~7cm
- サリヴァトール:全長4~7cm
- エメラルドパファー:全長5~8cm
- テトラオドン・ショウテデニー(スコウテデニ):全長6~8cm
飼育を始める前に知っておきたいことは?
そもそもフグはどうやって体を膨らませているのでしょうか?
フグの仲間は胃袋の一部が「膨張嚢」と呼ばれる特殊な袋状をしています。
この膨張嚢に水や空気を送り込んで体を膨らませているのです。
またフグたちは肋骨を持たない構造であるため、より大きく膨らませることできるんです。
この体を膨らませる行為は、本来、外敵への威嚇や飲み込まれることを防ぐためのもの。
フグにとって、ストレスを感じている証拠なんです。
飼い始めても、面白いからといってワザと膨らませるのは止めましょう。
それでは、さまざまなフグの特徴や飼育ポイントについてお話していきますよ。
アベニーパファー
- 分 布:南インド・スリランカ
- 特 徴:オスの頭部と背中に青白いラインが入る。自然下では群れをなす。繁殖は比較的容易。
- 水温・水質:24~28℃・弱酸性~中性
- エ サ:アカムシ(ビタミン強化が望ましい)
- 注意点:29℃以上の高水温で拒食も。動きの遅い魚と混泳するとヒレをかじることも。
イミテーター
- 分 布:南インド
- 特 徴:オスはアベニーより頭部が丸く体色の黄色が強い。メスには黒の模様が入る。
- 水温・水質:24~28℃・弱酸性~中性
- エ サ:アカムシ(ビタミン強化が望ましい)・貝やエビなど
- 注意点:アベニーよりもさらに攻撃性が強く同種でも混泳は困難。
レッドテールアカメフグ
- 分 布:インドネシア(スマトラ島・ボルネオ島)
- 特 徴:比較的おとなしく、丈夫で飼育しやすい。繁殖期にはヒレが赤く染まる。
- 水温・水質:24~29℃・酸性~弱アルカリ性
- エ サ:アカムシ(ビタミン強化が望ましい)・小さな虫(ボウフラなど)
- 注意点:オスの複数飼いで縄張り争いが激しくなる。他種には無関心で動きの速い魚となら混泳も可能。
タイアカメフグ(ロルティッティ)
- 分 布:タイ・カンボジア・ベトナム・マレーシア
- 特 徴:頭部に三角の模様がある。繁殖期のオスは体と背ビレが青に、腹部は赤に染まる。
- 水温・水質:24~28℃・弱アルカリ性
- エ サ:アカムシ(ビタミン強化が望ましい)・小さな虫(ボウフラなど)
- 注意点:凶暴で縄張りに入ってきた同種には執拗に攻撃を加える。ペアなら45cm~の水槽で飼育可能。
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ボルネオアカメフグ
- 分 布:マレーシア(ボルネオ島)
- 特 徴:ロルティッティに似るが、頭部の黄色いラインで判別できる。繁殖期のオスは体と尾びれがブルーに、腹部が赤に染まる。
- 水温・水質:24~28℃・弱アルカリ性
- エ サ:アカムシ(ビタミン強化が望ましい)・貝やエビなど
- 注意点:凶暴で自然界では4m四方ほどの縄張りを持つため、混泳は難しい。
サリヴァトール
- 分 布:マレーシア(ボルネオ島)
- 特 徴:オスは黄色と黒のトラ模様のため、現地ではハリマオ(トラ)と呼ばれる。繁殖期は腹部が赤く染まる。
- 水温・水質:24~28℃・酸性~弱アルカリ性
- エ サ:アカムシ(ビタミン強化が望ましい)・小さな虫や巻貝、エビなど
- 注意点:混泳させるならペアがすすめ。
エメラルドパファー
- 分 布:タイ・ミャンマー・インド・バングラデシュ
- 特 徴:体色はエメラルドグリーンで尾びれは赤く染まる。遊泳性は低く物陰でじっとしている。
- 水温・水質:24~28℃・弱酸性~中性
- エ サ:アカムシ(ビタミン強化が望ましい)・巻貝やエビなど
- 注意点:臆病な反面、攻撃性が高いため混泳は難しい。45cm~の水槽で2匹程度なら可能性あり。
テトラオドン・ショウテデニー(スコウテデニ)
- 分 布:コンゴ川流域
- 特 徴:アフリカ最小。ベージュ色に黒いスポットが入る。
- 水温・水質:26℃以下・弱酸性~弱アルカリ性
- エ サ:巻貝・エビなど
- 注意点:性格は温和で人にも馴れる。水草を噛む癖がある
フグは噛む力が強く、気性の荒い魚種。
全体として混泳向きとは言えません。
しかしチャレンジする場合、以下のことに注意しましょう。
まずは「隠れ家」を用意すること。
流木や水草を上手にレイアウトしてお互いの姿が見えないようにすることが肝心です。
またフグは大食漢。
なるべく空腹になる時間を減らすのも重要です。
コンスタントにエサを与えたり、馴れるまでは多めに与えるとよいでしょう。
いかがでしたか?
本稿があなたのアクアライフの参考になれば幸いです。
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