子ウサギの飼い方。エサや寝床の基本から突然死を防ぐ育て方まで徹底解説!

子ウサギが生まれた。
里親として譲り受けた。
楽しみな反面、飼い方がよく分からず不安なことも多いはず。
ウサギはとても繊細な生き物。
ストレスが大きいと突然死する可能性もあるんです。
今回は、子ウサギの育て方について、エサの種類や量、寝床の環境など基本的なことから学んでいきましょう。
子ウサギの飼い方を解説
ウサギの赤ちゃんは生まれたときは目も耳も開いておらず、被毛も生えていません。
あまりにも小さく不安になるのも無理はありませんね。
簡単に成長の様子をまとめてみましょう。
- 4~5日:産毛が生えそろう
- 1週間:耳の穴が開く
- 10~2週間:目が開き、歩き始める(産箱から出てくる)
- 3週間:エサ(野草や野菜、くだものなど)を食べ始めるが主食は母乳
- 3~4週間:跳ねるような動作を始める
- 5~6週間:離乳が開始される
- 2ヶ月:独り立ちする(母ウサギから離すことができる)
この時期、飼い方と言っても飼い主さんが直接手を出すことはありません。
むしろあまり関わらないことが重要なんです。
詳しく見ていきましょう。
母ウサギの授乳は特徴的?
母ウサギの授乳は特徴的です。
3~5対(多くは4対)の乳首から授乳します。
回数は1日1~2回で早朝が多く、時間も1回5~6分ととても短いんですね。
だから飼い主が目にすることは少ないかもしれません。
またそのほかの時間は産箱から出て過ごし、赤ちゃんを放っている時間が多いのも特徴です。
このため、「育児放棄をしているのでは?」と不安になる飼い主さんが多いことでしょう。
でも大丈夫なんです。
子ウサギは順調に育っています。
でもこの授乳期、そして離乳期には特に気を付けていただきたいことがあります。
授乳期の注意点とは?
授乳時間が短く回数も少ないことから、育児放棄と勘違いする飼い主さんも多いですね。
でも心配になって、産箱をのぞき込んだり、子ウサギを触ったりすることは絶対に避けなければなりません。
母ウサギもかなりナーバスになっているので、飼い主さんの行動が原因になって育児放棄が始まることがあるんです。
落ち着かない環境だと感じると、子ウサギを食べてしまうことすらあるんです。
また育児放棄によって、母ウサギから十分な母乳をもらえないと、母乳に含まれる免疫抗体も授かれません。
すると抵抗力のない、とても弱いウサギになってしまいます。
この時期の飼い主さんのするべきこと(してはいけないこと)をまとめておきましょう。
とても大切な事項になりますよ。
決して育児放棄につながることのないよう注意していきましょう。
- 産箱をのぞき込んだり、子ウサギを触ったりしない。
- 多量の水が必要であるため、決して水は切らさないようにする。
- 栄養バランスの良い十分なエサを用意する(食べたいだけ食べられるようにする)。
- 出産後2週間は掃除は避ける。
- 2週間経過後、母ウサギや子ウサギが産箱から出ているとき手早く巣材を交換する程度の掃除を行う。
エサや寝床の基本とは
続いて離乳前の時期からお話を続けましょう。
3週を過ぎたころから子ウサギも徐々にエサを口にするようになります。
子ウサギの分のエサも用意するようにしましょう。
でも離乳はまだ先です。
5~6週で離乳が開始され、母ウサギと同じものを徐々に食べ始めます。
子ウサギがエサを食べる量と入れ違いに母乳の量は減ってきますよ。
離乳期は、ペレット、野菜、野草、果物は子ウサギが食べやすいように小さく切っておくとよいでしょう。
離乳期のエサはとても大切です。
母ウサギと同じ食べ物に慣らさないと、偏食が起こってしまします。
小さいうちからペレットにも慣らせておきましょう。
離乳後の食事はたんぱく質が重要
離乳後~3ヶ月は最も体重が増加する時期です。
アルファルファ(たんぱく質が多い)を原料としたペレット、そしてアルファルファの牧草を十分に与えましょう。
2ヶ月を過ぎると、もう独り立ちの時期です。
十分にエサを食べられるようになったら、母ウサギから離してもよいでしょう。
子育てで消耗した母ウサギに休息を与えるのも大切なことですね。
里子に出すのであれば、この時期以降が適切です。
ウサギは急にエサを変えると食べなくなります。
里親には、これまで与えていたペレットや牧草の種類など、詳しく情報提供しましょう。
その後、小型種では4~5ヶ月、中型種では4~6ヶ月、大型種では5~8ヶ月で性成熟を迎えます。
そして体の成長は止まり、成体となります。
オス同士、メス同士のケンカやオスとメスの近親交配なども起こりえます。
性成熟を迎える前に、それぞれの個体を早めに独立させましょう。
理想のケージのセッティング
基本的にウサギは湿気が大の苦手、そしてストレスに弱く、心も体もとてもデリケートな生き物であることを基本に考えましょう。
- 縄張り意識が強いので専用のケージを用意することで落ち着く。
- ケージの大きさは、45×60×55cm(高さ)程度で体重1~2kgのウサギ1羽を目安にする。
- 部屋の隅にセット(2面が壁に面している)すると落ち着く。
- ケージの床は金網のままでなく、すのこを敷くか床材として牧草などを敷き詰める(ソアホックの予防)。
- すのこ(洗って天日干し)や床材は湿ったり汚れたりしたら小まめに取り換える。
- エサ入れはペレット用と乾草用(木製がおすすめ)を用意し、牧草は食べ放題の状態にしておく。
- 飲みやすい位置に給水ボトルを設置する。
- トイレはウサギがいつもしている場所に置く(すのこの一部を開けてトイレにしてもよい)。
- かじり木(歯の伸びすぎを防ぐ)を用意し、ケージや金網をかじらせない。
- 遊び道具(ラビットハウスなど)を用意する(適宜)。
基本的なことが守られていればレイアウトは自由です。
ウサギに危険のないように楽しみましょう。
一方、ケージのある室内の環境も重要ですね。
室温は18~24度、湿度は40~60%に保ちましょう。
温度と湿度は、ウサギが普段いる場所で測るとよいでしょう(人間の居場所と異なることがある)。
暑い時期は、ケージの中に適宜「クールマット(クールボード)」を入れて調整しましょう。
寒い時期は、夜間の冷え込みに備えて、ケージを毛布やダンボールで覆ったり、ペットヒーターを用いるとよいでしょう。
また1~2週に1度は大掃除をし、給水ボトルやエサ入れは殺菌しましょう。
トイレはトイレ砂の汚れた部分を交換し、ある程度のニオイは残すようにしましょう(トイレの場所を忘れないため)。
一方、せっかくケージを整えても置き場所を間違えると台無しです。
頻繁に移動させるのもウサギに大きなストレスを与えてしまいます。
最初から万全の状態を整えておきましょう。
- 直射日光が当たらないところ
- エアコンの風が直撃しないところ
- 風通しがよく、適度に太陽が当たってジメジメしないところ
- 窓際など温度変化の大きいところは避ける
- 出入り口付近や部屋の真ん中は避ける
突然死を防ぐ育て方
ウサギはとりわけデリケートな生き物。
もっとも危険なのはストレスにさらされることですね。
強いストレスによって臓器が機能不全に陥ることがあります。
特に「移動のストレス」はウサギにはとても大きいものと心得ましょう。
体調が悪くなり、やむを得ず動物病院に連れて行くと、それがストレスになり、なかなか回復しない悪循環の事例もあるほどです。
キャリーケースに入れられること自体、かなりのストレスを被ります。
なるべく移動は避けましょう。
また飼い主が可愛がり過ぎてストレスを与えてしまうこともあります。
「かまいすぎ」にはくれぐれも注意しましょう。
そしてウサギは完全な草食動物。
常に消化器官を活動させていなければなりません。
エサが切れると胃腸が働かず、閉塞を起こすことさえあります。
ライフステージに合わせた食事の質と量にはくれぐれも注意しましょう。
いかがでしたか?
ウサギにとっても子育ては一大事。
ストレスを与えず、十分な食事を与え、環境を整えてあげるのが飼い主のつとめです。
あなたの子ウサギが健康ですくすく育ちますようお祈り申し上げます。