ウサギの下痢の原因は3種類。コクシジウムなどの症状ってどんなの?

ウサギのうんちと言えば丸くてコロコロした固めのものですね。
それが下痢をすると軟便や水様便、粘液便、そして血便といった異常なうんちがみられます。
ひどくなると命に関わるものもありますので早急な対処が必要ですよ。
ウサギの下痢の原因は?
最も多いコクシジウム(寄生虫)ってどんなの?
不適切なエサや病原性細菌の増殖が原因で起きる場合の症状は?
これらの疑問について詳しくお話しましょう。
ウサギの下痢の原因は大きく分けて3種類
ウサギの下痢の原因を考えてみましょう。
大きく分けて、「コクシジウム(原虫)」「不適切なエサ」「細菌の増殖」の3つがあります。
でも不適切なエサと病原性細菌の増殖については、原因と結果の関係であるため、単純に分けることは難しいようです。
また目に見えないストレスも無関係ではなく、発症させる要因として加えることができるでしょう。
コクシジウムの症状ってどんなの?
コクシジウム(原虫)は犬や猫、鳥やハムスターなどペットとして飼われているさまざまな動物にみられます。
ウサギの場合、9種類のコクシジウム(原虫)が寄生することで病気を起こすことが知られていますね。
便とともに排泄されたコクシジウムが口から入ることによって感染します。
病気は、寄生するコクシジウムの種類によって異なりますよ。
代表的なのは、「肝コクシジウム」と「腸コクシジウム」です。
- 原因:9種類のうち1種類が肝臓に寄生する。
- 症状:肝臓肥大、小結節の形成など
- 成ウサギ:初感染で耐えれば、不顕性感染(無症状)が多い
- 子ウサギ(離乳直後):腹部膨満、衰弱、黄疸、発育不良などで死亡するケースが多い。
- 治療:駆虫薬の投与
- 原因:9種類のうち8種類が腸管に寄生する。
- 症状:軟便、水様便、食欲不振、体重減少など種類によってさまざま。
- 治療:駆虫薬の投与。
- 成ウサギ:不顕性感染(無症状)が多い。
- 子ウサギ:迎えたばかりの子ウサギでは重篤化することが多い。
- 治療:駆虫薬の投与。
コクシジウム症は、健康な個体でも感染していることがあります。
症状があらわれない限り大きな心配はいりません。
でも、飼育環境の変化、狭い場所での多頭飼い、長時間の移動などのストレス要因が加わると発症しやすくなると言われますので注意が必要です。
予防策では、肝臓でも腸管でも衛生管理がとても重要です。
便の中のコクシジウムが口から入ることで感染するため、複数が同時にかかることも珍しくありませんね。
便にコクシジウムがいたとしても2日以上経たないと感染力を持つまで成長しないので小まめな掃除で防ぐことができますよ。
またケージの中を常に乾燥した状態にしておくことが大切です。
エサが原因で病原性細菌が増殖する?
繊維質が少なく、炭水化物やたんぱく質の多いエサは下痢の原因となりますよ。
またエサの急激な変化や古くなって傷んだエサも要注意なんです。
腸内環境のバランスが崩れ、病原性の細菌が異常に増殖することで下痢を伴う疾患を引き起こします。
その原因は実は不適切なエサにあったんです。
腸炎症候群の中で最も怖い腸性毒血症とは
不適切なエサ、ストレスなどによって下痢を伴う腸炎が引き起こされます。
腸内細菌のバランスが崩れ、病原性細菌が増殖することで発症します。
幼いウサギや老齢のウサギでは抵抗力が弱いために起こりやすく、重篤化することも多い病気です。
なかでも「腸性毒血症」は深刻で、3~6週の幼いウサギによくみられ、腸内のクロストリジウムという細菌が増殖することで発症します。
細菌から産生される毒素が血中に吸収され、下痢や食欲低下、元気消失などの症状がみられます。
授乳中の母ウサギが感染すると母乳感染をきたすので特に注意が必要です。
粘液性腸症は盲腸の機能低下が原因
ウサギの盲腸はとても発達しています。
盲腸の中の細菌(善玉)によって多くの栄養素(ビタミンB群やたんぱく質)が作られることは知られていますね。
またそこで作られた「盲腸糞(ぶどうの房状のやわらかい糞)」を食べて栄養素を再吸収するんです。
食糞といいますね。
しかし低繊維質、高炭水化物、高たんぱく質のエサによって、盲腸の機能が低下することがわかっています。
盲腸の機能が極端に低下すると粘液がたくさん作られ、粘液性の下痢を起こす粘液性腸症と呼ばれる状態になってしまいます。
7~14週の幼いウサギによくみられ、死亡率が高い病気です。
繊維質が多く炭水化物の少ないエサを与えることが何よりの予防になりますよ。
食中毒の原因は細菌やカビ、そして有害植物だった
食中毒には、細菌性食中毒、カビ中毒、植物中毒がありますよ。
食べ物の中に含まれた病原体により産生された毒素や中毒性の成分によって引き起こされるんです。
下痢やおう吐や神経症状などを起こし重篤化することもありますので、毎日のエサにはくれぐれも注意が必要です。
新鮮なエサを与えることはもちろん、食べ残して変質したものは食べてしまわないよう、すぐに片付ける癖をつけましょう。
また初めからウサギにとって有害なものについても知っておいた方がよいですね。
- ヒアシンス(球根)
- アサガオ(種子)
- シャクナゲ(葉)
- 彼岸花(全体、特に鱗茎)
- ディフェンバキア(全体、特に樹液)
- リュウゼツラン(葉)
- ジギタリス(全体、特に葉)
- キョウチクトウ(樹皮、葉、根、種子)
- アセビ(全体、特に若葉)
- ネギ類:アリルプロピルジスルフィド(中毒性の物質)を含む
- ジャガイモの芽:ソラニン(中毒性の物質)を含む
家の中にいる場合はもちろん「うさんぽ」の途中でも目を離さないようにしましょう。
また人間の食べ物は欲しがってもあげるのは禁物。
クッキー、チョコレート(中毒性の物質も)、ケーキなど糖質や脂肪分が多いものは内臓の負担になりますよ。
そのほか、細菌が問題となる病気に「ティザー症」があります。
この病気は、ハムスターやリス、ネズミなどのげっ歯目に多くみられます。
Clostridium Piliformeという細菌が原因で起こり、水様性の下痢、体重減少が起こり、死亡率が高い病気です。
これらの下痢症状に気づいたら、すぐに病院に連れていきましょう。
その際、排泄したばかりの新しい便を持っていくのが賢明です。
サランラップやアルミホイルなどで包んで乾燥させないようにしましょう。
いかがでしたか?
本稿があなたのウサギの健康維持のお役に立てれば幸いです。