ウサギの妊娠期間は何日?交配から出産までの行動を詳しく見てみよう。

飼っているウサギの子どもが見てみたい。
そう考える飼い主さんも多いことでしょう。
でも、いざとなると分からないことばかり。
適齢期や交配のさせ方は?
妊娠期間は何日ぐらい?
今回は、ウサギの交配から出産まで、その行動を詳しく見ていきましょう。
ウサギの交配から出産までの行動を詳しく解説
前提となるのは、飼い主さんのお家の状況かもしれません。
生まれてから、ケージを置くスペースがない、里親が見つからないといった問題に直面すると大変ですね。
1度の出産で6~8羽(品種によって前後)生まれてくることが予測されます。
家で飼える頭数には限界があるのが普通です。
いつまでも狭いケージに入れっぱなしにしておくことはできませんね。
十分なスペースの確保と飼えない子どもの里親をあらかじめ決めておきましょう。
スペース不足によって、近親交配が起こる(親子や兄弟姉妹)、オス同士(メス同士でも)がケンカする、衛生的な環境を保てないなどの問題がどうしても出てきてしまいます。
まずはこの点を考えておきましょう。
適齢期はいつぐらい?
一般に性成熟は、小型種4~5ヶ月、中型種で4~6ヶ月、大型種で5~6ヶ月程度です。
性成熟を迎えても、すぐに交配可能ということではありません。
育児放棄を起こさないためにも十分に体が成長してからにしましょう。
性成熟後、成長が止まった(体重が増加しない)ときが適齢期の目安と言えるでしょう。
ウサギは1年中繁殖可能な動物です。
また「交尾刺激排卵」といって、交尾をした刺激で排卵が起こるんです。
性周期は、おおむね発情期4~14日、休止期1~2日と言われています。
繁殖可能なメスは、「腰を軽く押さえて刺激すると、腰を浮かせて尻尾を上げる(オスを許容する)姿勢をとる」ことがあります。
1度試してみるとよいでしょう。
繁殖に向かない個体はある?
一方、残念ながら繁殖に向かない個体もあります。
まとめておきましょう。
- 近親交配で生まれた個体(奇形があったり、体が弱かったりする)
- 遺伝的な疾患を持っている個体(不正咬合、開帳肢など)
- 高齢の個体(4~5歳以上)
- 肥満ややせすぎの個体
- 病気がちであったり、病中、病後の個体
- 以前、何度も育児放棄が見られた個体(子どもに遺伝的疾患があることが理由の場合も)
- 極端に神経質な個体
交配のさせ方を見てみよう
条件がそろったら、交配を試みてみましょう。
それでは順を追って説明していきます。
焦らずに見守ることが必要ですよ。
オスとメスを一緒にする
オスとメスを一緒にしますが、このとき、メスのケージにいきなりオスを入れることは避けましょう。
メスがオスを侵入者と勘違いして、攻撃を始めることがあります。
2~3日前からケージを隣同士にし、十分に慣らせてから、オスのケージにメスを入れるか広いスペースに一緒にする方がベターです。
交配中の行動は
オスがメスを追い、背中に乗って抱きかかえます。
このときオシッコをかけることもありますよ。
射精を終えると、オスは横に倒れこみ、後ろ足で床をかくような行動をします。
甲高く鳴くこともあります。
これが終了のサインです。
しかし、交配を数回繰り返すこともあります。
この場合、妊娠の可能性が高くなるので、そのまま見守ります。
交配のあとは
交配のあとは、メスを別のケージに移しましょう。
メスを追いかける行動が続くと落ち着かず、ストレスとなってしまいます。
一方、交配が失敗することもあります。
発情と休止のタイミングが原因かもしれません。
この場合、数日間時期をずらして再チャレンジしてみましょう。
メスがオスを拒絶し続けるようなら、別のペアを考えなければなりません。
いつまでも一緒にしておくとメスがケガをするおそれもあります。
偽妊娠とは
妊娠していないのに、乳腺の張りが見られたり、自分の毛を抜いて巣を作る行動が見られることがあります。
これが偽妊娠で、交配がうまくいかなかったときや生殖能力のないオス(メスのマウンティングでも)との交配がきっかけとなることがあります。
2~3週間続くこともありますが、実際の妊娠と区別できないときは、獣医さんに相談してみましょう。
続いて妊娠中から出産までお話ししましょう。
ウサギの妊娠期間は何日?
ウサギの妊娠期間は、30~35日です。
この間は、エサや運動、ストレスに配慮するほか、産箱の準備をしなければなりませんよ。
十分な環境を整えてあげましょう。
妊娠中の世話は
妊娠中は、栄養のバランスのとれたもの、そして新鮮な水を十分に与えましょう。
良質なたんぱく質が胎児の発育には欠かせません。
アルファルファの牧草かペレットを多めに与えるとよいでしょう。
なるべくストレスを与えず、静かに過ごさせてあげなければなりません。
しかしケージから出たがったり、落ち着かない行動が見られたら、危険に十分注意して遊ばせてあげてもかまいません。
そして出産予定日が近づいたらケージの中に産箱を用意(※上画像参照)してあげましょう。
掃除も徐々に控えたほうが無難ですよ。
- 早めに用意してあらかじめケージに入れておく(直前だとストレスに)
- 木製のものを準備する(手作りでも)
- 母ウサギが横になって授乳できる程度のスペースが必要
- 母ウサギが中で十分歩ける程度の高さが必要
- 大きすぎても巣穴の役目を果たさなくなることに注意
- 牧草を十分に敷きこんでおく
- 母ウサギが自分でも運び込むのでケージ内にも十分に用意しておく
出産の準備と子ウサギの誕生
ウサギがソワソワし始め、牧草を産箱に運び込んだり、胸やお腹の被毛を引き抜いて巣を作る行動が見られたら、いよいよ誕生です。
早ければ数時間後、遅くとも2~3日後と考えてよいでしょう。
トラブルが起きたときのために、かかりつけの獣医さんにもあらかじめ伝え、連絡をとれるようにしておくのがベストです。
心配だからといって、しょっちゅうのぞき込んだり、周りを騒がしくするのは避けましょう。
育児放棄の原因になることもあります。
基本的には1人で行えますので、ウサギが安心できる環境が整ったら、見守ってあげましょう。
ウサギの赤ちゃんは、誕生直後は毛が生えておらず、目は閉じ、耳の聞こえていません。
体重も20~50gです。
- 4~5日:産毛が生えそろう
- 1週:耳の穴が開く
- 2週:目が開き、活発に動き始める(産箱から出てくる)
- 3週:エサを食べ始める(主食は母乳)
- 5~6週:離乳期
いかがでしたか?
無事な出産は飼い主の誰もが願うことですね。
必要な知識を持ち、十分な環境を作ってあげましょう。