うさぎの病気の症状を徹底解説!お腹のうっ滞が起こった時の正しい対処法とは?

うさぎは病気になっても、しばらくは症状を見せないもの。
気づいた時には進行していることも少なくありませんね。
特にお腹の状態に変化があっても外見からはわかりません。
いつもと違った様子が少しでも見られたら、「消化管うっ滞(食滞)」を疑ってみましょう。
うさぎによくみられる状態で、定期的に繰り返す子もいるようです。
また緊急を要することもありますので代表的な症状を知っておきましょう。
消化管うっ滞の主な症状は9つ
- じっとうずくまっている。
- 何度も体勢を変える(お腹の痛みのため)。
- 歯ぎしりをする。
- ごはんを食べない(水を飲まない)。
- 便が小さい(出ない)。
- 毛の混ざった便が出る。
- お腹が張っている。
- 腸の音が聞こえない。
- 耳の温度が低い(体温が下がっている)。
これらの症状が見られたら「消化管うっ滞」を疑ってみましょう。
特に半日以上ごはんを食べない、または糞をしない状況が続いたら要注意。
うさぎの性質上、長時間、胃腸に何も入っていないこと自体が問題なのです。
放っておくと胃潰瘍や脂肪肝などの重篤な事態に発展する可能性もあります。
飼い主がすぐにできる対処法は4つ
数時間前まで元気でも、突然発症することがあります。
休日や夜間など、飼い主が対処しなければなりません。
[水分補給:消化管の動きを出すため、また脱水予防のために必要]
- スポーツ飲料を薄めてから(糖分が多すぎるため)与える。
- 人間の赤ちゃん用のイオン飲料を与える。
- シリンジ(給餌用注射器)を用いて飲ませる。
[強制給餌:うさぎの食欲を刺激することが重要]
- ペレットをふやかしたもの(香りが強くなる)を与える。
- 新鮮な生野菜(香りの強いもの)を与える。
[体を温める:体温を下げないことが大切]
- 全身にはペットヒーターを用いる。
- 部分的には火を使わないお灸(腰の命門というツボに張りつける)を用いる。
[マッサージ:うさぎの体はデリケートなので慎重に]
- 背中のマッサージ(神経の働きをよくする)。
- お腹のマッサージ(※危険なこともあるので獣医に相談しましょう)。
動物病院では、注射や投薬(強制的に胃腸を動かす薬)、強制給餌が行われます。
異物が原因で腸閉塞を起こしている場合は手術も必要になります。
症状が続くようなら、早めに獣医の診察を受けましょう。
消化管うっ滞の主な原因は8つ
ではなぜ消化管うっ滞が起こるのでしょうか?
主な原因をみてみましょう。
- ストレス:環境の変化など。
- 誤った食事管理:牧草・干し草を与えない。人間の食べ物を与える。
- 脱水
- ケガによる痛み:骨折、脱臼、ソアホックなど
- 歯科の疾患:不正咬合
- 泌尿器の疾患:腎炎、尿石症
- 異物による閉塞
- 気温の変化:季節の変わり目
この中では、ストレスと誤った食事管理が大きな原因です。
うさぎは些細なことでもストレスを感じます。
飼い主の過度の接触、スキンシップの不足、見慣れない人、大きな物音、気温の変化など多くの原因が考えられます。
また食事の管理が重要です。
ペレットのみの食事や人間の食べ物(炭水化物一般、甘いお菓子など)は絶対に禁物です。
これらの原因により、消化管の動きが低下したり、止まったりします。
そして胃腸の内容物が閉塞したり、ガスが溜まることで、ひどい苦痛を感じるようになります。
さらに進行すると以下のような状態に陥ってしまいます。
- 鼓腸症(腸内細菌のバランスが崩れてガスが溜まる)
- 毛球症
- 腸閉塞
- ショック状態
うさぎのお腹は休みなく動いている
うさぎはそもそも草食動物。
牧草・干し草など、栄養価が低く繊維質のものが主食です。
このためずっと食べ続け、効率よく消化・吸収するためにフル活動しているのが普通。
胃腸が動き続けていないと体調を壊してしまう仕組みになっているのです。
そしてうさぎはとてもデリケートな生き物。
ストレスやその他の病気が消化管に影響を与えてしまいます。
予防は飼育の基本を守ることが重要
消化管うっ滞は何より予防が大切です。
- ストレスを与えない。
- 牧草・干し草をしっかり食べさせる。
- ペレットばかり与えない(牧草ペレットを適宜与える)。
- 人間のお菓子は絶対に与えない。
- 毛を飲み込ませないように、ブラッシングを小まめにする(特に換毛期)。
- 異物を食べさせない(ペットシーツ、ビニールなど)。
これらはうさぎを飼育する上で基本的なことばかり。
飼育方法や環境をあらためて見直してみましょう。
うさぎの病気はストレスがあると回復しない?
最後に1つだけ注意点があります。
それは心配するあまり、頻繁に動物病院に連れて行かないということです。
うさぎは病院での診察や移動によってかなりのストレスを受けています。
このため適切な処置を行っていても回復が遅れたり、症状が進んだりすることさえあります。
獣医師の治療が終わったら、その後の対処法を聞き、指導を受けることが重要です。
なるべく安心できる環境で飼い主さんが処置の続きを行ってあげてください。
いかがでしたか?
消化管のうっ滞は重篤な状態にもつながる怖い病気です。
しかし基本的な飼育方法を守っていれば予防はできるのです。
愛兎の健康と飼い主さんの安心につながれば幸いです。