ヒアリの特徴と見分け方。ペットも刺されるとアナフィラキシーショックを起こす!

ヒアリ(火蟻)は南米やアマゾン生息する猛毒を持つ殺人蟻。
日本でも特定外来生物に指定されていますが、すでに上陸が確認されています。
見つかったのは氷山の一角で、近隣にも生息しているかもしれません。
人間だけでなく、外出中のペットが刺される可能性もあります。
アナフィラキシーショックは決して特別な症状ではありません。
今回はヒアリの特徴と見分け方について解説しましょう。
そしてペットが接触すると危険なその他の生き物についてもお話しします。
ヒアリの特徴と見分け方
「ヒアリ(火蟻)」は、ハチ目アリ科に属する蟻の仲間。
「アルカロイド系」の毒素を持ち、その毒針に刺されると激しい痛みとともに「アナフィラキシーショック」を起こす別名「殺人アリ」。
このヒアリの特徴と見分け方についてまとめておきましょう。
- 体長:2.5~6.0mm(日本のアリと同じぐらい)
- 体色:赤茶色(日本のアリは黒っぽいものが多い)
- あたま:日本のものよりやや大きく四角い
- 触角:先端が少し太い
- おしり(蟻にとってはお腹):2つのコブ状の突起(腹柄と呼ぶ)があり、相対的に黒っぽい
- 毒針:おしり(お腹)の先端にあるが普通は露出していない
- 蟻塚(土が盛り上がった巣)を作る:日本のアリは作らない
アルカロイドやアナフィラキシーショックって?
「アルカロイド」と一口に言っても、さまざまな種類があり、多くの植物や動物が生成しています。
多くの種類が含まれ、濃度などの問題で毒にも薬にもなる成分なんです。
アルカロイドの例で、耳にすることのあるものはたくさんありますよ。
たとえば、カフェイン、コカイン、モルヒネ、ニコチン、ソラニン(ジャガイモの芽)、アコニチン(トリカブトの毒)などです。
一方、「アナフィラキシーショック」とは、急激な全身症状(皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、循環器など)を示すアレルギー反応のことなんです。
薬剤の副作用としても必ず説明書に記載されていますね。
薬剤以外にも、ハチの毒、体質によっては特定の食べ物などがその「アレルゲン」となります。
症状として、急激な血圧低下やめまい、悪心、意識障害、最悪の場合は心停止などが起こります。
刺されるとスズメバチに刺されたような激しい痛みと灼熱感(焼けるような)を感じるようです。
犬の場合、刺された部分をこすりつける(体なら転げまわる)、激しくなめるなどの行動がみられるでしょう。
またアナフィラキシーショックが起これば動けなくなる、倒れる、意識がなくなるなどの変化がみられるでしょう。
すぐに病院に連れて行く必要があります。
この場合、スズメバチなど(後述)の可能性がないなら、その旨を医師に伝えると診断の助けになります。
接触すると危険なその他の生き物は?
ヒアリも近隣に蔓延する可能性は十分にあります。
すでに台湾や中国南部、フィリピンなどでは定着しているので、日本も例外ではありません。
しかしすでにペットにとって危険な生き物は存在しています。
春や夏など外出の多い季節では十分に注意が必要です。
最も身近なのはスズメバチ
人間でも恐ろしいスズメバチ。
街中でも目にすることがありますね。
犬や猫が興味本位で追いかけたり手で払ったりしたら大変。
大型の動物を襲撃するほどの攻撃力を持っています。
「毒のカクテル」とも呼ばれるさまざまな毒物が含まれ、刺されると非常に危険です。
ヒアリの場合と同じく「アナフィラキシーショック」を起こす可能性があります。
森や林など、特に遭遇する可能性のある場所へは立ち入らないようにしましょう。
野生の植物にも要注意
飼い主がちょっと目を離したすきに食べたりなめたりしてしまうのが植物です。
人間にとっては安全な植物であるため、危険に気付かないのがほとんどです。
- アイビーの葉や実
- アサガオの種
- トマトの葉や茎
- ナンテンの実
- ジンチョウゲの花や葉
これらは中毒を起こし、下痢や嘔吐、かぶれなどの原因となる植物です。
そのほかに考えられるものもたくさんあるので注意が必要です。
ヒキガエルをなめるとけいれんを起こす
田園地帯では大きなヒキガエルをよく見かけます。
ヒキガエル自体に攻撃性はありませんが、興味本位でくわえたりなめたりすると大変。
ヒキガエルの耳下腺から分泌される毒素(ブフォテニン)は、ヒアリの毒と同じアルカロイド系。
とても強い作用をもち、心臓に大きな影響を与えることがあります。
田んぼの近くなどでは絶対に目を離さないようにしましょう。
マムシに噛まれると皮膚が壊死する
毒蛇では、マムシに遭遇する頻度が多いでしょう。
地域によってはハブやヤマカガシなどの場合もあります。
これらに噛まれると患部が腫れ、毒が回った部分の組織が壊死します。
骨が露出するほどの重症となり、死に至ることさえあります。
人間でも同じ症状を起こしますので近づかないようにしましょう。
いかがでしたか?
外来の危険生物のほかにも身近な危険は十分にあります。
これらの接触があった場合、すぐに病院に連れて行きましょう。
お出かけ先の近くの動物病院をあらかじめ調べておくと安心ですね。