リクガメ飼育【初心者編】。ケージの環境や餌の工夫で寿命はもっと延びる!

リクガメ飼育【初心者編】。ケージの環境や餌の工夫で寿命はもっと延びる!

リクガメは温帯や熱帯に生息し、もともと日本にはいない種類。

ヌマガメと比べて、飼育はやや難しい部類に入ります。

でもその甲羅の美しさや歩く姿の可愛らしさに魅せられる方は多いはず。

寿命も大変に長く、親子二代にわたって可愛がる方もいるほど。

今回は、初心者向けに、ケージの環境や餌、ライト(紫外線、ホットスポット)、床材の工夫などについてお話ししましょう。


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初心者でもリクガメ飼育にチャレンジできる?

ヌマガメは飼ったことがあるけどリクガメは初めて。

またカメの飼育そのものが初めてという方もおられるでしょう。

まずはリクガメの種類についてお話ししておきましょう。

リクガメの種類は?

リクガメは、温帯もしくは熱帯・亜熱帯に棲む種類に大きく分かれます。

【温帯に棲む地中海リクガメ(目安の大きさ)】

  • ホルスフィールドリクガメ(20cm):ヨツユビリクガメ、ロシアリクガメとも。草食性。比較的飼いやすい。
  • ギリシャリクガメ(15~30cm):ギリシャのモザイク模様から命名。草食性。比較的飼いやすいが大きめ。
  • ヘルマンリクガメ(20cm):ヒガシとニシヘルマンがいる。草食性(ミミズなども)。比較的飼いやすい。
  • マルギナータリクガメ(25~40cm):フチゾリリクガメとも。草食性(果物も)。比較的飼いやすい。
【熱帯・亜熱帯に棲むリクガメ(目安の大きさ)】

  • インドホシガメ(25~30cm):草食性。飼育は難しい。
  • エロンガータリクガメ(30cm以上):草食傾向の強い雑食性。多湿に強く飼いやすい。
  • アカアシガメ(40~50cm):足に赤い鱗がみられるため命名された。雑食性。
  • クモノスガメ(12~15cm):マダガスカル島にのみ生息する小型のカメ。草食性。
  • ヒラオリクガメ(12~15cm):マダガスカル島にのみ生息する小型のカメ。草食性。飼育は難しい。
  • パンケーキリクガメ(20cm):平らで薄く軟らかい甲羅が珍しい。草食性。飼育は比較的難しい。
  • その他(50cm以上):ケヅメリクガメ、ヒョウモンガメ、キアシガメなど。

リクガメの飼育は一般的なヌマガメなどに比べて「難しい」と言われます。

また大きくなる種類だと、かなりのスペースが必要になります。

持て余すことにならないよう、比較的飼いやすく、大きくならない種類がおすすめです。

最初に迎えるときの注意点

リクガメの子を選ぶときはどのような点に注意したらよいのでしょうか?

生後6ヶ月程度のものは、まだ「ピンポン玉」サイズです。

この大きさから飼育を開始して元気に育てるのは初心者にはとても難しい仕事になります。

最低でも生後1~2歳の個体を選ぶことをおすすめしますよ。

大きさは「握りこぶし」サイズと考えるとよいでしょう。

またショップの表示も知っておきましょう。

これにはWC(wild caught)とCB(captive born)があります。

WCは海外で採取された個体、CBは人の手によって繁殖させた個体を指します。

またCBには海外で繁殖させたものと日本国内で繁殖させたものがあります。

これも選ぶ上での基準になりますね。

健康な小ガメを選ぶコツ

ショップに時間帯を変えて何度か足を運び、もっとも活動的な時間帯を基準に考えるとよいですね。

カメの様子を観察し、なるべく元気な個体を選びましょう。

【子ガメ選びのポイント】

  • 触ったときによく動く(すぐに手や頭を引っ込める)。
  • エサをよく食べる。
  • 持つとズッシリ重い
  • 甲羅が健康である(硬い、曲がったりフチが反ったりしていない)。
  • 目がしっかり開いている(目が腫れたり、くぼんだり、うるうるしていない)。
  • 甲羅以外の皮膚が健康である(白っぽい、カビている、ぬるぬるしているのはNG。
  • 全体に傷がない。

小ガメはショップにとって大切な商品です。

衛生上の問題もありますので、触るときはショップの店員さんに声をかけてからにしましょう。


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ケージの環境や餌の工夫で寿命はもっと延びる

カメの飼育に必要なポイントは「光」「温度」「エサ」「スペース」です。

リクガメの習性にあった十分な環境をつくってあげましょう。

またリクガメの成長の具合によって変更も必要になってきますよ。

ではくわしくみていきましょう。

飼育に必要なものは?

以下の物品を揃えましょう。

【飼育に必要な物品】

  • ケージ:子ガメでも60cmサイズが必要。湿気がこもらないもの。自作でもOK(木製など)。
  • シェルター:臆病なので逃げ込める場所が必要(体の2倍程度の大きさ)。ホットスポットから離して設置。
  • 爬虫類用紫外線ライト:フルスペクトルライト、トゥルーライトなど。殺菌とビタミンD3の生成。
  • スポットライト:バスキングライト、白熱球、レフ球など。ホットスポットをつくる。
  • パネル(フィルム)ヒーター:ケージ全体の保温をする。防水ならケージ内に置いてもOK。
  • 保温用ライト:ヒヨコ電球、爬虫類保温球(サーモスタットと接続する)。
  • 熱帯魚水槽用ファン:除湿を行う。
  • サーモスタット・タイマー:温度の管理を行う。
  • 温度・湿度計:温度・湿度の管理を行う。
  • エサ容器・水容器
  • 床材:各種 ※後述

ケージやシェルターは自作のものでも構いません。

安全性に問題がなく、カメが快適に使えれば、他のものを流用する形でもよいでしょう。

甲羅干し(日光浴)の意味とは?

甲羅干しは変温動物であるカメにとっては日課ですね。

「日光浴」には、3つの意味があります。

1つは体温を上げること、また殺菌作用で皮膚病や寄生虫を予防すること、そして紫外線を浴びてビタミンD3を生成してカルシウムの吸収を助けることです。

このうち殺菌作用とビタミンD3の生成は紫外線の役目。

だから爬虫類用の「紫外線ライト」が必要なんですね。

また出来れば自然の光も直接浴びさせてあげましょう。

温度管理はカメの自主性も大切

カメにとって温度管理はとても重要。

特に小ガメのうちは命に関わることもありますよ。

でもこの調整が難しいんです。

カメは自分で日向と日陰を行ったり来たりして体温の調節をしています。

一定の温度にずっと置かれているとカメにとって実はストレス。

だからより温かなホットスポットをつくるために「スポットライト」が必要なんです。

温度調整はリクガメの自主性も大切なんですね。

リクガメの温度設定(適温)についてまとめておきましょう。

【リクガメの温度・湿度設定】

  • リクガメの環境温度:昼間(25℃)・ホットスポット(30~35℃)
  • リクガメの環境温度:夜間(22℃)・ホットスポット(消灯)
  • 乾燥を好むリクガメの湿度:30~50%
  • やや湿度を好むリクガメの湿度:50~60%
  • 高い湿度を好むリクガメの湿度:60~80%

【除湿・加湿】

  • 除湿するとき:エアコンのドライ機能で部屋全体を除湿する。熱帯魚水槽用のファンを用いる。
  • 加湿するとき:ケージ内に浅い水場を設ける。湿度を保てる床材に霧吹きで水分を補う(午前中)。加湿器を用いる。

屋内ケージで飼うときも、最低温度をキープしつつカメが自分で調節できるような幅を持たせることが重要。

これを「温度勾配」といいますね。

また昼と夜の温度変化もある程度は必要。

紫外線ライトとスポットライトは夜には消灯し、昼夜の別を作ってあげましょう。

温帯リクガメは昼夜の温度差を大きめに、熱帯・亜熱帯リクガメは小さめにするのがコツですよ。

最低温度の設定は、部屋のエアコンかヒーター類を用いて行いましょう。

エサは素材と時間帯に注意しよう

リクガメの多くは草食性。

自然下では、タンポポ、クローバー、アザミなど季節の野草を食べています。

【おすすめの食材】

  • 野菜:トマト、小松菜、モロヘイヤ、キャベツ、大根・カブの葉、チンゲンサイ、ナズナ、パセリなど
  • 野草:タンポポ、オオバコ、クローバー、ハコベなど
  • 果物:リンゴ、バナナ、イチゴなど
  • 生餌(熱帯・亜熱帯リクガメの場合):コオロギ、ミミズ、ナメクジなど

普段のエサは野草や野菜を中心に与えます。

しかし生息地である地中海沿岸は石灰層が厚く、カルシウムがとても豊富で理想的です。

リクガメのエサは、カルシウム:リンのバランスは8:2がよいとされています。

不足しがちなカルシウムやビタミンD3はサプリメントで補いましょう。

カルシウムについては、リン酸が含まれない炭酸カルシウムがよいでしょう。

卵の殻でも代用できます。

そして雑食傾向のあるリクガメには、ときどき果物や動物性たんぱく質を与えます。

たんぱく質には、配合飼料(リクガメ用フード)やドッグフードがありますが、自然の素材も積極的に取り入れてあげましょう。

鶏肉や鶏レバー、ハツ、砂肝、ミミズ、昆虫(コオロギなど)を与えるとよいでしょう。

エサの時間帯は、昼前から遅くとも昼過ぎまでの間にすること。

朝は体温が上がりきっていないため、ホットスポットで温まってからにするのがベスト。

また夕方から夜は体温が下がり、消化不良を起こす可能性がありますので避けましょう。

エサの回数は、1日1回。

草食性のリクガメはおとなになっても毎日食べるのが基本です。

食べるだけ与えてかまいません。

野草や野菜を中心に、バランスよく3種類以上与えるとよいでしょう。

できれば専用の野草や野菜は自家栽培できればベストです。

配合飼料や動物性たんぱく質(生餌含む)は、週に1回程度にしましょう。

床材の工夫

カメにトイレのしつけはまずできません。

ケージの衛生を維持するためにも床材を工夫してみましょう。

【床材に使えるもの】

  • 新聞紙:手軽で取り換えもようであるが、吸水性が低く、カメが歩くときすべる。
  • 赤玉土、鹿沼土:自然界に近い環境が作れ、吸水性がよい。乾燥した環境を好むカメに用いる。
  • 爬虫類用砂:自然界に近い環境が作れ、吸水性がよい。乾燥した環境を好むカメに用いる。
  • 水ゴケ、ヤシガラ(園芸用)多湿な環境を好むカメに用いる。水で湿らせる。
  • 爬虫類用床材吸水性の高いもの・保湿にすぐれたものなど、目的に応じて選べる。
  • ペットシーツ(犬・猫用)吸水性がよいが、カメが食べるようなら使用不可。歩くときすべる。
  • カーペット(不織布)吸水性にすぐれ、洗濯も可能。

大きくなったらケージも変更すべき

リクガメは活動量が多く、歩くスピードもかなりのもの。

ケージの底面は最低でも甲羅の5倍程度の長さが必要です。

安価なものでは、衣装ケースの引き出しや左官さんが漆喰やセメントを混ぜるときに使う「プラ船」がおすすめ。

強度もあり、洗浄も容易ですよ。

またストレスにならないようにケージから出して広い場所で遊ばせてあげましょう。

天気の良い日中に散歩に連れて行くのもよいでしょう。

タンポポやハコベ、オオバコなどのエサになる野草が生えている場所があれば最適ですね。

自然光にしっかりあたるよい機会にもなります。

たまにはお風呂(温浴)に入れよう

週に2~3回(毎日でも)のお風呂(温浴)はとても有効です。

【お風呂(温浴)の効果】

  • 水分補給(自分で水を飲む):結石や便秘の予防
  • 食欲の促進
  • 消化の促進
  • 排泄の促進
  • 体の清潔

37℃程度のぬるま湯に水面から頭の上が出る程度の水深にします。

お風呂から上がったら、風邪を引いたり皮膚病の原因になったりしないよう、しっかり乾燥させましょう。

いかがでしたか?

リクガメは、しっかり世話を続けていると飼い主に徐々に馴れていきます。

名前を呼ぶと反応してくれることもありますよ。

適切な環境で、長生きさせてあげたいものです。

それでは末長い付き合いができるよう祈ってこの稿を終わります。


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