【アマガエルの飼い方】のポイントは?エサの種類や冬眠など初心者が気になること。

アマガエルは、3~5cm程度の小さくて可愛いイメージですね。
樹木の上で生活する「樹上棲」に分類されます。
「ツリーフロッグ」と呼ばれ、とても人気のある種類です。
今回は、アマガエルの飼い方についてくわしくお話ししましょう。
エサの種類や冬眠のことなど、初心者が気になるポイントを押さえていきますよ。
アマガエルの種類は
アマガエルをはじめ、樹上棲の種類は少し気むずかしいところがあり、飼育しにくいと言われた頃もありました。
しかし最近は、キャプティブ・ブリード(captive breed;CB)と呼ばれる繁殖個体が流通し、健康状態がよく、飼育しやすくなっています。
表情豊かに木の上を歩いたり、つかまったりするアマガエルの姿はとても可愛いものです。
また部屋に自然の生活環境を再現した「ビバリウム」をつくることで癒しの空間になることでしょう。
では詳しく見ていきますよ。
まずはさまざまなアマガエルの種類から。
さまざまな種類のうち、ほんの一部ですが紹介しますね。
ニホンアマガエル
- 分布:日本(琉球列島除く)、東アジア。
- 体長:5cm
- 特徴:地上に降りることも。体色変化が大きい。吸盤が発達している。
- 飼育:エサ食いがよく飼いやすい。
フチドリアマガエル
- 分布:南米大陸(アマゾン川流域)
- 体長:3~4cm
- 特徴:体色パターンが多い。赤茶色に黄色やクリーム色の斑紋が入る(クラウンフェイズ)。飼育しやすい。
- 飼育:湿度はやや高めに設定する。エサは小さなコオロギやクモを与える。
ブチアマガエル
- 分布:南米大陸(北部~中部)
- 体長:3~4cm
- 特徴:半透明で背中に黄色や赤の斑点がある。体色変化が大きい(昼夜で緑から赤)。
- 飼育:温度は22~28℃(やや高め)に設定する。コオロギを中心に与える。
アカメアマガエル
- 分布:コスアリカ、メキシコ、パナマ
- 体長:5~7cm(大型)
- 特徴:赤い目と縦長の瞳孔。産地で体色や柄が異なる。日中は手足を折りたたんで葉に密着する。飼育はやや難しい。
- 飼育:エサは小さめのコオロギ(触角は切った方がよい)。日中はやや乾燥させ、消灯前に霧吹きする。
いかがですか?
お気に入りのアマガエルは見つかりましたか?
それでは飼育方法についてお話していきましょう。
アマガエルの飼い方
- ケージ:爬虫類・両生類専用のケース(排水できるもの)。小さくても高さがあるもの。
- 床材(底床材):一番下に敷く。軽石。
- 床材(土):軽石の上に敷く。赤玉土、黒土、ヤシガラ土など。無農薬(肥料)のものがよい。
- 床材(苔):土の上に苔を敷く。ケージ内の保湿。カエルに土を食べさせないため。
- 植物:ロゼット型のタンクブロメリアの種類。ハイドロカルチャー(湿度に強く、弱い光でも育つ)。
- 枝:太い枝、流木など。種類によって平行にする(渡る)か、立てかける(張り付く)。動かないように。
- カエルの池(市販):常に新鮮な水であることを心がける。
- 温・湿度計:温度・湿度の管理は欠かせない。
- シェルター:隠れ家が必要。植木鉢をカットしたもの、ココナッツ、コルク樹脂、流木など。カエルが傷つかないもの。
- 夏季・冬季の温度管理:ケージの外から冷やしたり(エアコン)、温めたり(できれば簡易温室)する。
- 霧吹き:1~2日に1回噴霧する。消灯前がよい。空中湿度を高める。
- 蛍光灯:リフトアップする。
- 小型のファン:蒸れ・通気対策。
- 網フタ:蒸れ・通気対策。脱走予防。
- ピンセットもしくはエサ皿:エサを与える。ハンティングさせる場合は必要なし。
環境設定はとても重要ですね。
温度は昼間24~27℃、夜間21~24℃が目安。
自然環境と同じく、昼夜の温度差をつけるとよいでしょう。
また湿度の維持も重要。
おおむね70%以上を目安にします。
植物(酸素や水分を発する)が良好に生育していればそれほど心配はいりません。
アマガエルは夜行性であるため、消灯前に霧吹きをするとよいでしょう。
水はカルキ抜きしたものを飼育温度に合わせてから使います。
気化熱で温度を下げる、排泄や捕食を促す、代謝を活発にするなど、重要な作用がありますので、しっかり行いましょう。
アマゾンのジャングルが産地の種類では高めに設定するとよいでしょう。
それ以外では、室内の乾燥具合で調節しますが、高温と蒸れに弱いので注意が必要。
夏季はファンを回して通気性をよくしましょう。
昼夜を問わず、1ヶ所で動かない状態が続くようなら、温度・湿度が適切でない可能性があります。
脱水を起こす危険性もありますので、環境設定を見直してみましょう。
エサの種類と与え方
ツリーフロッグの多くは夜行性。
夜になると活動性が上がり、エサを食べます。
週に2~3回与えます。
小さなカエルには、ショウジョウバエをメインに与えるとよいでしょう。
フライトレス、ウィングレスとして改良されたものが市販されています。
栄養を添加するため、カルシウム剤やビタミン剤をまぶして(ダスティング)から与えます。
そのほか、フタホシコオロギやヨーロッパイエコオロギもエサとなります。
カエルの体に合わせた大きさのものを選びます。
カエルの頭の1/2~1/3の大きさを目安にするとよいでしょう。
市販のフードもありますので試してみましょう。
与え方は、カエルにハンティングさせるか、ピンセット(虫の動きをまねる)を使います。
食べない場合はエサ皿を使います。
カエルが摂食行動を起こすには、エサの大きさのほか、形や動き、色合いが関係すると言われます。
最初のうちは少々工夫が必要かもしれません。
しかし飼育下に慣れてくるとエサ食いもよくなってくる傾向がありますよ。
なお、ショウジョウバエは自分でも繁殖させることができます。
コンスタントな給餌のためにチャレンジしてみましょう。
以下の稿を参考にしてみてくださいね。
飼育下でも冬眠は必要?
カエルは「変温動物」です。
外気温が体温とほぼ同じになります。
このため、気温が下がる冬季は、自然下では「冬眠」に入ります。
しかし飼育下で冬眠させるのは大変危険です。
失敗すると命にかかわります。
保温をしておけば冬眠する必要もありません。
温度管理はしっかり行いましょう。
いかがでしたか?
お部屋に癒しの空間ができるといいですね。
本稿が参考になれば幸いです。