働く犬の種類【自由研究】。どんな仕事か調べてみよう!

人と一緒に働く犬たちはたくさんいます。
古くから狩猟や牧畜、運搬などを手伝ってきた歴史がありますね。
警察犬や補助犬もすっかりおなじみの職業です。
最近では災害救助の分野でも、なくてはならない存在になっていますよ。
今回は、働く犬の種類と最適な犬種、その仕事内容について調べてみましょう。
「夏休みの自由研究」の参考にしてみてくださいね。
働く犬の種類【自由研究】
犬は、人の指示を理解して行動できる優秀な「頭脳」をもっています。
また、ずば抜けた「嗅覚」や「運動能力」、そして危険を恐れないタフな「精神力」の持ち主でもありますね。
さまざまな潜在能力を持った犬たちは、訓練次第でどんなことでもできるようになるんです。
先ずは本稿で登場する働く犬たちをまとめてみましょう。
- 警察で働く犬:警察犬・警備犬
- 空港で働く犬:麻薬探知犬・検疫探知犬
- 自衛隊で働く犬:歩哨犬・警備犬
- 救助犬:災害救助犬・雪崩救助犬
- 補助犬:盲導犬・聴導犬・介助犬
- セラピードッグ:アニマルセラピー(犬以外の猫・ウサギ・馬・イルカなども)
- 歴史的な仕事犬:狩猟犬・水猟犬・牧畜犬(牧羊犬)・運搬犬・闘犬・ドッグレーサー
- その他の仕事犬:モンキードッグ・マングース探索犬・タレント犬
それでは詳しく見ていきましょう。
それぞれの仕事で、犬種ごとの「能力特性」が活かされていますよ。
人間と一緒に暮らしてきた中で培われた(品種改良も)「適性」があるんですね。
警察で働く犬たち
「警察犬」は、一般には都道府県警の「刑事部鑑識課」で働く犬のこと。
優れた嗅覚を活かし、現場に残された遺留品や足跡から容疑者や行方不明者を捜します。
別名「鼻の捜査官」とも呼ばれるゆえんですね。
また、武器を持った容疑者に立ち向かい、威嚇・制圧を行うこともあります。
警察犬は、警察が直接管理・訓練する「直轄警察犬」と民間委託している「嘱託警察犬」に分かれます。
総数は1500頭ほどで、そのうちの9割が嘱託警察犬にあたります。
指定犬種は、ジャーマンシェパード、ドーベルマン、エアデールテリア、コリー、ボクサー、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーの7種。
嘱託警察犬では、ミニチュアシュナウザー、ロングコートチワワ、柴犬、トイプードル、ミニチュアダックスフンドを用いた実績もありますよ。
「警備犬」は、警察犬とは異なり、警視庁警備部警備課に所属します。
要人警護や人命救助を行う警備課で、爆発物の探知や犯人の威嚇・制圧、被災者の捜索などを行っています。
ときには、国際緊急援助隊として、海外の被災地に派遣されることもありますよ。
一方、成田空港のある千葉県警には例外的に配置され、爆薬探知を専門に行っています。
犬種は、基本的にオールマイティーなジャーマンシェパードが用いられます。
空港で働く犬たち
「麻薬探知犬」は、財務省の税関に所属します。
世界各国から集まり、また世界各地に出ていく貨物や郵便物、そして旅客の手荷物を検査し、麻薬の密輸を阻止します。
また麻薬探知犬の一部は、爆発物(火薬や銃器)を探知することもできます。
犬種は、ジャーマンシェパードやラブラドールレトリバーで、全国9ヶ所の税関(空港)で130頭ほどが活躍しています。
「検疫探知犬」は、農林水産省の動物検疫所に所属します。
麻薬探知犬と同じく空港の税関検査場で、海外から持ち込まれる肉や食肉製品を見つけ出すのが仕事。
口蹄疫や鳥インフルエンザなどの感染病の国内への侵入を阻止しています。
成田国際空港と関西国際空港で合計4頭のビーグルが活躍していますよ。
もしかすると海外旅行のときには、動物検疫所の青いコートを着た検疫探知犬たちに会えるかもしれませんね。
自衛隊で働く犬たち
「歩哨犬」は、航空自衛隊に所属します。
広大な航空自衛隊基地の夜間警備にあたるのが仕事。
不審な侵入者の存在を知らせ、ときには直接攻撃で制圧します。
犬種は現在のところ、ジャーマンシェパードのみが活躍しています。
「警備犬」は、海上自衛隊の中の警備隊(陸警隊)に所属します。
航空自衛隊の歩哨犬と同様の任務を海上自衛隊基地で行います。
また不審者が逃亡した場合には、遺留品や足跡から侵入経路を調べるといった警察犬のような任務も果たします。
犬種は、やはりジャーマンシェパードが活躍しています。
人命を救う救助犬たち
「救助犬」は、地震や津波などの大災害のときに倒壊した家屋やがれきの中から遭難者を捜索するのが仕事。
普段は、NPO法人救助犬訓練士協会(RDTA)に所属するボランティア。
有事の際には、警視庁から委託を受けて、各国から派遣された救助犬たちと一緒に活動します。
犬種は、ジャーマンシェパードやゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなど。
「雪崩救助犬」は、雪山の雪崩のときに、雪の中から遭難者を捜索するのが仕事。
普段は、NPO法人雪崩制御チーム(ACT)に所属するボランティア。
犬種は、ジャーマンシェパードが活躍しています。
人をサポートする補助犬たち
体の不自由な人の助けをするのが「補助犬」。
「身体障害者補助犬法」では、盲導犬、聴導犬、介助犬の3つの仕事が認められています。
「盲導犬」は、目の不自由な人が外出する際にサポートします。
曲がり角や段差、障害物の有無をユーザーに教えるのが主な仕事。
背中に付けた「ハーネス」がトレードマークですね。
「聴導犬」は、耳の不自由な人の生活をサポートします。
来客のチャイムやFaxの着信音、アラームやタイマー音、赤ちゃんの泣き声、やかんの音などあらゆる物音をユーザーに教えます。
家以外の場所では「専用のベル」を鳴らすことで聴導犬に教えることができます。
「介助犬」は、手足が不自由な人のあらゆる手助けを行います。
携帯電話を持ってくる、落としたものを拾う、ドアや引き出しを開ける、ユーザーの体を支える、服を脱がせる、ユーザーの外出に付き添うなど多岐に及びます。
ユーザーの発する多くの指示(コマンド)を理解し、状況を読んで行動する応用力がとても必要とされる仕事です。
補助犬たちは、常に神経を研ぎ澄ましてユーザーの様子を観察し、わずかな指示にも機敏に反応できる高い能力と強い精神力を兼ね備えた犬たちです。
排泄もユーザーの指示したとき、指示した場所でしか行いません。
またレストランや交通機関では、邪魔にならない場所で指示があるまでじっと伏せて待っています。
適性があり、長期間の訓練やテストを受け、合格した優秀な犬のみがこの仕事に就くことができます。
犬種は、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、両方のミックスがほとんどです。
人を癒すセラピードッグたち
アニマル・セラピーは、正式には「動物介在療法(animal assisted therapy)」のことを指します。
その対象者は、高齢者や障がい者、がんや精神病などの患者、そして心を問題を抱えた子供たちの教育や犯罪者の更生までさまざま。
犬や猫のほか、ウサギ、馬、イルカなど、さまざまな動物たちが、患者の治療や子供の教育などに介入します。
この中でも「セラピードッグ」は、高度な訓練が可能で、さまざまな人の治療やケア、教育に携わることができる有能なセラピストと言えるでしょう。
犬種は、チワワ、マルチーズ、シー・ズー、トイプードルなどのおなじみの小型犬からボーダーコリー、レトリバー種といった中・大型犬までさまざまな種類が活躍しています。
歴史的な仕事犬たち
仕事犬のなかでも自ら獲物を獲ったり、飼い主が銃で狙った獲物を取ってくる「猟犬(水猟犬)」が有名ですね。
敏捷性や体力が必要な仕事です。
また牧場で、牛や羊などの家畜を守ったり、移動の助けをする「牧畜犬(牧羊犬)」も歴史の長い仕事です。
牛や羊を効率よく誘導する頭の良さや臨機応変な判断力が求められる仕事ですね。
身近なところでは「番犬」だって立派な仕事ですね。
貴族に可愛がられる「愛玩犬」や人が温まるために抱っこされる「抱き犬」というのも職業の1つだったんです。
他にも荷車やソリを引く「運搬犬」、ギャンブルの対象としての「闘犬」や「ドッグレーサー」として活躍する犬もいますよ。
並はずれた力の強さや足の速さなどが必要な仕事ですね。
これらは犬の職業として現在でも世界各地で受け継がれています。
その他の仕事犬たち
そのほか「タレント犬」という仕事もあります。
古くは「ラッシー(ラフコリー)」や「ベンジー(ケアーンテリア)」など、アメリカのテレビドラマに登場した犬たちが元祖です。
日本でもドラマやCMで人気者になる犬たちがいます。
人間と同じようにタレント事務所に所属しているかなり特殊な存在ですね。
一方、始まったばかりで、犬たちにとっての新しい仕事もあります。
変わったところでは「モンキードッグ」や「マングース探索犬」。
「モンキードッグ」は、人里に降りて田畑を荒らすサルを追い払うのが役目。
50~60匹にも及ぶサルの群れを見つけると勇敢に立ち向かいます。
モンキードッグは、もともと人間に忠実で、猟犬としての実績があり、体力も抜群の北海道犬や柴犬が適任のようです。
「マングース探索犬」は、ヤンバルクイナやオキナワケナガネズミなどの希少動物(沖縄の天然記念物)を荒らすマングースの居場所を探すのが役目。
マングースのフンの匂いを頼りに山に入ってマングースの生活圏を人間に教えます。
その後、その一帯に人間がマングース捕獲用の罠を仕掛けて捕獲するという連係プレーが行われます。
まだ始まったばかりで数の少ないマングース探索犬ですが、頭がよく嗅覚が鋭いことで警察犬としてもおなじみの「シェパード」などが適任のようです。
いかがでしたか?
犬は大昔から、人間の家族の一員、友達、そして仕事のパートナーでもあるんですね。
本稿があなたのペットライフのお役に立てば幸いです。